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猫が吐いたらどうする? 受診が必要かどうかの見極め方

猫はよく吐く動物ではありますが、吐いたものの内容によってはすぐに受診が必要な場合もあります。そこで今回は、注意すべき嘔吐物と、飼い主さんが気をつけるべきポイントについて、獣医師の小林清佳先生に教えていただきました。

猫が吐いたらどうする?

振り返る猫
rai/gettyimages
換毛期を迎える春は、毛玉を吐く回数も増えますよね。猫は肉食動物なので、口にしたものを吐き出すこと自体は得意。とはいえ、頻繁に吐くと消化管に炎症が起こることもあり、なるべく吐く回数は減らしたいところです。

■猫が吐いたらどうする?
猫が吐いたら、まずは嘔吐物の内容を確認しましょう。毛玉・ねこ草・未消化のフードであれば、頻繁に吐かない限りはさほど問題はありません。しかし一見するとフードの塊のようでも、ほぐしてみると異物が出てくるケースも。処分する前に、なかまでしっかりチェックしましょう。

数日は様子見でいいケース

こちらを見つめる黄色い目の猫
Kryssia Campos/gettyimages
次のようなものを吐いたときは、ほかに異常がなければ2〜3日様子を見てもよいでしょう。

■消化途中のフード
食後数時間経ってから、未消化または消化途中のフードを吐くのは、消化管の動きが停滞しているせいかもしれません。食べすぎや体調不良が原因で、胃腸のはたらきが鈍くなることがあります。

■白・黄・緑・茶色の液体
白い液体は胃液、黄・緑・茶色なら胆汁でしょう。このような色の液体を吐くのは、たいていは胃の中に何も入っていないときや、胃の中のものを吐き出せないときです。

いずれの嘔吐物も、異物や血液が混ざっておらず、1〜2回吐いただけでふだんと様子が変わらなければ、自宅で様子を見てOKです。

ただし連日で吐いたり、下痢・便秘・ふらつき・ヨダレ・眼振などの異変が見られたりする場合は受診してください。受診に備えて、嘔吐物の写真や吐いた日のメモを残しておくとよいですね。

即受診が必要なケース

植物で遊ぶ猫
ramustagram/gettyimages
次のようなものを吐いたときは、すぐに受診しましょう。

■ひも・ビニール・ゴムなどの異物
ひもやビニールなど、誤食したものを吐き出すことは体を守るための生理現象。しかしたとえ吐き切ったとしても、消化管が傷ついているおそれがあります。誤食しやすいヒモ・ビニール・生ゴミなどは出しっぱなしにせず、猫が開けられない場所に片付けておきましょう。

■寄生虫
お腹のなかの寄生虫を吐くこともあります。その際は動物病院で検査や駆虫が必要です。

■ピンク色の液体
ピンクや赤い液体を吐いたときは、食道や胃で出血しているおそれがあります。元気そうにしていても必ず受診しましょう。

何度も続けて吐くときは重篤な疾患のこともあるので、迷わず受診しましょう。また、重度の便秘の場合は嘔吐物から便臭がすることも。ニオイに異変があるときは、吐いたものの見た目にかかわらず受診してください。

受診の際はラップで嘔吐物を包み、ビニール袋や密閉容器に入れて持参しましょう。誤食の場合は、飲み込んだ現物を持っていけるとよいですね。嘔吐物の持参が難しい場合は、写真に撮っておいて獣医師に見てもらいましょう。
猫が吐いたときは嘔吐物の内容やニオイをしっかりと確認して、必要に応じて受診してください。
お話を伺った先生/小林清佳先生(モノカどうぶつ病院院長)
参考/「ねこのきもち」2022年3月号『様子見?受診すべき?実例写真をもとに解説 ねこの吐いたもの見極め表』
文/柏田ゆき
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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