猫が吐くのは当たり前だと思っている飼い主さんもいるのではないでしょうか? たしかに猫は吐きやすい動物ではあるものの、頻繁に吐いていると健康を損なうおそれもあります。今回は猫の「吐く」について、モノカ動物病院院長の小林清佳先生にお話を伺いました。
猫は吐きやすい動物
猫は吐きやすい動物です。口から胃までの消化管が水平に配置されていること、また肉食動物のため、腐敗しているものや消化できない不要なもの(鳥の羽根など)を吐く能力に優れていることが理由です。
そのため猫にとって、吐くことは人ほど大変ではないともいえるものの、日常的に吐いていると、消化管に炎症が起きてしまうこともあるため注意が必要。吐く回数は、猫の場合でもできるだけ少ないほうがベターです。
猫がよく吐くものは?
猫がよく吐くものとしては、毛玉・フード・猫草・胃液などがあげられるでしょう。これらを吐いた場合、“何を”“どんな理由で”吐いたのかを考えることで、原因を予測できる場合もあります。予測できれば、吐く回数を減らすことにもつながるでしょう。
ただし、病気が原因で吐き気が襲った場合でも、たまたま毛玉やフードなどの胃の内容物を吐き出していることがあるため、判断に迷ったときは早めに獣医師へ相談してください。
猫の「吐く」にまつわる疑問を解決
Q.一度も毛玉を吐いたことがない猫は、体内にたまっているの?
もしも体内に大量の毛がたまっていたら、吐く・食欲がなくなるなどの不調が現れます。とくに不調が見られないようなら、飲み込んだ毛は便といっしょに排出されていると考えられるでしょう。
Q.フードを吐いたあとまた食べたがる場合、与えてもいいの?
吐いた直後は、胃酸が食道に出た影響で吐きやすい状態になっていることがあります。猫が食べたがっても、30分程度は間隔を空けたほうがベター。猫の様子を見て、ふだん通り元気であれば少しずつ与えてみてください。
Q.吐いたものを食べようとするけど、食べても大丈夫?
なるべく食べさせないほうがいいでしょう。何らかの中毒や感染症が原因で吐いていた場合、体を守るために吐き出したものを、再度取り込むことになってしまいます。
猫が吐く回数を減らすためには、ブラッシングなどのお手入れやフードの見直し、ストレスがないか生活環境の見直しなど、さまざまな方法があります。愛猫の吐いたものや様子を観察し、体への負担が少なくなるようサポ―トしてあげたいですね。
お話を伺った先生/小林清佳先生(モノカどうぶつ病院院長)
参考/「ねこのきもち」2018年6月号『何を、どんな理由で吐くの? できることは? ねこの"吐く"を減らそうプロジェクト』
文/田山郁
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください