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時代とともに変化した猫の手術 手術を受けるとき・受けた後に考えるべきことは

去勢避妊手術を含めなくても、手術を経験した猫は一定数います。そこで今回は、とくに多い猫の手術理由や、入院の判断、手術前後で飼い主さんが気をつけたいことについて、獣医師の佐野忠士先生に解説していただきました。

ケガが減り早期発見された病気治療が増えた

リラックスしている猫
rai/gettyimages
一昔前だと、猫を外に自由に出す飼い方も多く、手術の理由もノラ猫とのケンカや交通事故など、ケガによるものが多くありました。
しかし完全室内飼いが普及したことによりこれらのケガのリスクが減り、飼い主さんが愛猫の異変に気がつきやすくなりました。また、健康診断などで愛猫を動物病院に連れていく回数も増えたため、現在は病気が発見されやすい傾向に。それにともない、とくに泌尿器系の病気や誤食による手術が増えています。

長い入院は猫にとってストレスになることも

階段を見上げる猫
Peter Muller/gettyimages
人と同じように、猫の手術もその難易度や切開部分の大きさ、猫の状態、麻酔の強さなどによって、その前後で入院が必要なこともあります。
しかし、猫は慣れない環境にとてもストレスを感じやすいため、入院の日数はできるだけ短く、可能であれば日帰りの術法が望ましいもの。そのため手術前後は、誰より猫のそばにいてあげられる、飼い主さんによるケアが重要になります。

手術を受けられる状態であることも大切

ドアの隙間から頭を出す猫
rai/gettyimages
手術は猫の体力をとても消耗させるため、充分な体力が必要となります。そのため手術によっては、生まれて間もない子猫や超高齢猫は受けられないことも。
また、体力と同様に、体調も手術の成功を左右する要素です。不用意なストレスなどで猫が体調を崩さないよう、手術前後はとくに気をつけて様子を見てあげるようにしましょう。

具体的にどうしたらいいの?

手術前は、「いつも通り」を心がけましょう。猫は急な変化や飼い主さんの異変に敏感です。術前は飼い主さんも緊張すると思いますが、なるべくソワソワしないように心がけて。また、キャリーケースも直前に出すのではなく、前もって猫が見える場所に置いておくといいでしょう。

手術後は、抜糸がすむまでなるべく安静にさせてください。手術を終えても、傷口がふさがるまで数日かかるもの。少なくとも抜糸までは、激しい遊びに誘うのは控えましょう。また、猫が休める場所をつくり、痛がっていないか、しぐさや表情に注意してください。
尿石症や歯周病、腫瘍などの病気のほか、完全室内飼いの普及により、ゴミの誤食で運ばれるケースも増えているようです。そうした事故を防ぐよう工夫することはもちろん、いざというときに慌てないよう、手術に関する知識ももっておきたいですね。
お話を伺った先生/佐野忠士先生(獣医師 酪農学園大学准教授 日本獣医麻酔外科学会麻酔疼痛管理専門委員会委員長)
参考/「ねこのきもち」2018年6月号『最新情報や気になるワードも 新連載 猫医療の現場から』
文/田山郁
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください
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