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実は多い猫の「高血圧」 高齢化で増える傾向 人と違う数値や症状は 

人の高血圧症はよく知られているのに対して、意外と知られていないのが猫の高血圧症です。症状が出にくく、気づいたときには進行していることも珍しくありません。今回はノヤ動物病院院長の野矢雅彦先生に、猫の高血圧症の基礎知識について伺いました。

認知度の低い猫の高血圧症とは?

くつろいでいる猫
ramustagram/gettyimages
「ねこのきもち」読者アンケートによると、猫の高血圧症のことを知っているのは、飼い主さん全体の21.6%。
認知度の低い病気ですが、決して他人事ではありません。近年は猫の高齢化が進み、高血圧症を引き起こしやすくなる病気が増加傾向にあるのです。
また、健康診断で血圧測定をする動物病院も増え、高血圧症の診断数も増加傾向にあります。

猫の高血圧症ってどんな状態のこと?

前足をなめている猫
Martin Poole/gettyimages
高血圧症は、血圧が正常値よりも高い状態が一定期間続く病気です。全身に負担がかかる病気で、とくに目・脳・腎臓・心血管系に関連した症状が出やすい傾向にあります。
人の場合、原因不明なことも多いものの、猫の場合は慢性腎臓病などの基礎疾患から発症する、二次性のものが多い傾向に。
繊細な猫は血圧が変動しやすいため、その猫によって数値の見極めが必要ですが、目安として収縮期血圧が150mmHg以上、拡張期血圧が95mmHgなら、高血圧症の疑いがあるといえるでしょう。

猫の高血圧症はどんな症状が出るの?

見上げている猫
Martin Poole/gettyimages

目……放っておくと失明のおそれ

重度になると、大半は脈絡膜炎(みゃくらくまくえん)を起こして目が見えにくくなります。放っておくと、眼底出血や網膜剥離(もうまくはくり)を起こして失明するおそれも。
猫がうまくジャンプできなくなっていたり、瞳孔の動きや目の奥の色に違和感があったりするときは、すぐに動物病院を受診しましょう。

腎臓……腎臓病の発症や悪化

軽度の高血圧症であっても、甲状腺機能亢進症などのほかの基礎疾患が原因で、慢性腎臓病を発症することがあります。
また、もともと腎臓病だった猫の場合は、高血圧症によってさらに症状が悪化するケースも。

脳……てんかんなどの障害

高血圧症が進行すると、高血圧脳症を発症するリスクが高くなり、脳の浮腫や血管の腫れ、破裂などが見られます。それによって意識障害やけいれんなどが起き、緊急治療が必要になることもあり、場合によっては命を落とす危険性が高まります。

心血管系……心臓肥大が起こる

高血圧の猫の約8割に、左心室の心臓肥大が見られます。聴診した際に雑音が聞こえ、心臓肥大が発覚するケースが多いようです。
投薬などで血圧を下げれば、ある程度の心臓肥大の改善が期待できるでしょう。なお、放っておくと心不全で命を失うおそれも。
猫を高血圧症から守るための第一歩は、まずその病気についてしっかりと知っておくことです。今回伺った内容も参考に、いざというときに気がつくことができるよう、病気への知識を深めていきたいですね。
お話を伺った先生/野矢雅彦先生(ノヤ動物病院院長)
参考/「ねこのきもち」2023年3月号『知られてないけど、じつは多い 猫の高血圧症って、どんな病気?』
文/田山郁
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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