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猫の高血圧症の原因は? 症状を引き起こしやすいのはこんな病気!

血圧の高い状態が一定期間続く病気である、猫の高血圧症。近年では増加傾向にある病気は、どのようなことが原因で起こるのでしょうか? 動物病院院長の野矢雅彦先生に、高血圧症の原因や高血圧症を引き起こしやすい病気、治療方法について伺いました。

猫の高血圧症の原因は?

まっすぐ前を見る猫
Photo_Concepts/gettyimages
初期の場合、腎臓からのナトリウム排泄機能の低下による体液の増加、交感神経機能の増大など、複数の要因が考えられるでしょう。血圧上昇を繰り返すうちに、末梢血管の抵抗が難しくなり、高血圧の状態が続くことになります。
慢性腎臓病などの基礎疾患から発症する場合(二次性高血圧症)は、各種ホルモンの分泌増加などがきっかけに。
基礎疾患もなく突然起こる突発性高血圧症は、遺伝や生活環境が関係していると考えられています。

猫の高血圧症を引き起こしやすい病気は?

片手をあげるトラ猫
suemack/gettyimages

慢性腎臓病

腎機能が徐々に低下していく慢性腎臓病。
腎臓は血圧調整を行っているため、腎臓の機能がダメージを受けると血圧が上昇しやすくなる傾向に。そのため、この病気の猫の多くは高血圧症です。
進行すると腎臓内にある糸球体が毛細血管の過度な圧力上昇により破壊されるため、血圧がさらに上昇します。

甲状腺機能亢進症

甲状腺から甲状腺ホルモンが血液中に過剰分泌され、代謝が異常に活発化することで一見活動的に見えてしまい、発見が遅れることもある病気です。
甲状腺ホルモンの自律的な分泌は、血圧上昇の一因にもなります。放置すると臓器が機能不全を起こし、命にかかわることも。

原発性アルドステロン症(PHA)

原発性アルドステロン症は、腎臓のそばにある副腎皮質にできた腫瘍によって、副腎皮質ホルモンの一種であるアルドステロンが過剰に分泌される病気です。
この病気を発症した猫の多くは、ナトリウムが体内にたまってしまい、高血圧症になるといわれています。

そのほか

副腎髄質腫瘍の一種である褐色細胞腫は、カテコラミンというホルモンを過剰に分泌するため、高血圧の症状が出ます。
また、慢性腎臓病になると貧血を起こしやすくなるため、本来腎臓から分泌されるホルモンを投薬で補いますが、そのホルモン剤の過剰投与によって高血圧を引き起こすことも。

猫の高血圧症の治療方法は?

見上げるソマリア
Louno_M/gettyimages
基礎疾患の有無に関わらず、基本的には猫用の内服薬によって内科治療を行います。主治医の裁量によっては、人用の血圧降下薬を使う場合も。
いずれも猫の体重にあわせて少量ずつ服用させ、数日~1週間単位で血圧を確認しながら、投薬量や薬の種類の微調整を行います。
二次性高血圧症の場合は、基礎疾患の治療薬と血圧の薬を併用。血圧を定期的に測り、獣医師と相談しながら治療を進めていくことになるでしょう。

突発的な症状が出た場合は入院することも

高血圧症によってけいれんが見られたり、網膜剥離などで目が見えなくなったりと、突発的な症状が表れたときは、入院して治療を行う場合もあります。猫の症状によりますが、数日から1~2週間の入院が必要になるケースも。
猫の高齢化が進んだことによって、高血圧症を引き起こしやすい病気も増加傾向にあり、その結果、高血圧症をわずらう猫も増えています。猫の健康の異変に気付くためにも、病気についてしっかりと学んでおきたいですね。
お話を伺った先生/野矢雅彦先生(ノヤ動物病院院長)
参考/「ねこのきもち」2023年3月号『知られてないけど、じつは多い 猫の高血圧症って、どんな病気?』
文/田山郁
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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