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飼い主を嫌っているわけじゃない 猫が噛む・引っかく理由を獣医師に聞いた

飼い主さんの多くが悩む、猫の噛む・引っかく問題。実は猫が噛んだり引っかいたりする場面はさまざまで、それぞれ理由も異なるようです。そこで今回は、猫が噛む・引っかく行動を起こしやすいシーンとその理由について、獣医師の菊池亜都子先生に伺いました。

猫が噛む・引っかく理由1.「やつあたり」

夏の猫
ramustagram/gettyimages
「窓の外にいる外猫を追い払いたいのに何もできない」「同居猫とケンカ中に飼い主さんに仲裁に入られた」など、目の前にいる相手に攻撃をしたいのにできないとき、猫は飼い主さんを噛んだり引っかいたりしてしまうことがあります。

これは「転嫁性(てんかせい)攻撃行動」と呼ばれ、行き場のない興奮やいら立ちをたまたまそばにいた人に向けてしまうケース。一種の“やつあたり”といえるでしょう。

猫が噛む・引っかく理由2.「物音などにびっくり」

黒い縞模様の灰色のタビーキャットがカメラを覗き込み、引っ掻き傷のポストで自宅で休んでいる
Jeffrey Glas/gettyimages
たとえば、テレビを見ていて大声で笑ったときや、飼い主さんがくしゃみをしたとき、飼い主さんや同居猫が突然バタバタ動いたときなどに、愛猫から攻撃されたことがありませんか?

警戒心が強い猫はとくに、ちょっとした物音にとても驚いたり、強い恐怖心を感じたりすることも。びっくりしてもまわりを見回し、すぐに平常心を取り戻すことがほとんどですが、一瞬にして興奮のスイッチが入ることで、たまたまそばにいた人を噛んだり引っかいたりしてしまうことがあります。

猫が噛む・引っかく理由3.「何をされるかわからなくて怖い」

猫の木の上にペルシャの子猫。
Vera Duchovskaja/gettyimages
「愛猫の爪を切ろうとしたときに、暴れて腕をガブリと噛まれた」。そんな経験がある飼い主さんは多いのではないでしょうか。

猫は警戒心が強く、「何をされるかわからない」ことから逃げようとします。過去に爪切りで出血したなど、嫌な思いをしたことがあると、そのあともずっと恐怖心をもってしまいがち。怖いことや嫌なことを敏感に察知して、全力で抵抗するために噛んだり引っかいたりしてしまうのです。

爪切り以外にも、シャンプーやブラッシングをするときや、キャリーケースに入れるときなどにも、抵抗しようと噛んだり引っかいたりすることがあります。

猫が噛む・引っかく理由4.「願いを叶えてほしい」

カメラを見上げて食べ物を待っているエティ給餌皿の隣に生姜猫の高角度ビュー。
Lightspruch/gettyimages
お腹がすいてフードを出してほしいなど、どうにか要求を叶えてほしいとき、猫は鳴いたりスリスリしたりと、あの手この手を使ってアピールしてきます。

何か要求があるたびに攻撃してくる場合は、「ゴハンがほしいときに噛んだらフードが出てきた」などのように、あるとき飼い主さんを噛んだり引っかいたりしたら願いが叶ったという経験から、「そうすれば要求が通る」と覚えてしまったのでしょう。

要求を叶えてほしいときの攻撃は、寝ている飼い主さんを起こすときや、遊んでほしいときなどにも見られます。

猫が噛む・引っかく理由5.「狩猟本能が刺激されている」

床に横たわる猫
rai/gettyimages
洗濯物を干そうと愛猫の近くをバタバタ移動していたら、足に噛みつかれたことはありませんか? これは動く人の足が、猫の獲物であるネズミなどを思い起こさせ、狩猟本能を刺激することがあるためです。素足はとくに独特のニオイも相まって刺激になり、猫のハンタースイッチが入りやすいようです。

飼い主さんのちょっとした動きが視界に入るだけで、本能的に噛んだり引っかいたりしてしまうこともあるため、イスに座って足をブラブラさせているときや、布団から足だけ出しているときなどにも、攻撃を受けることがあります。

猫が噛む・引っかく理由6.「その行為をやめてほしい」

植物で遊ぶ猫
ramustagram/gettyimages
「愛猫が甘えてきたのでなでていたら、急に手を噛まれた」という経験はありませんか? これは「愛撫誘発性(あいぶゆうはつせい)攻撃行動」と呼ばれ、猫によく見られる行動のひとつ。

最初はなでてほしくて甘えてきても、猫はある程度で満足するもの。満足するラインは猫それぞれで、さらになで続けられると、「もうやめて!」とばかりに噛んだり引っかいたりしてしまいます。

マッサージをしているときやブラッシングをしているときなどにも、愛撫誘発性攻撃行動をすることがあります。
猫が噛んだり引っかいたりしてしまうのには、猫なりの理由があります。愛猫がどんなシーンやタイミングで攻撃してくるのかを理解し、愛猫の気持ちに寄り添ってあげましょう。
お話を伺った先生/菊池亜都子先生(獣医師)
参考/「ねこのきもち」2023年3月号『マンガで解説 愛猫の困った行動をSTOP!噛む引っかく「猫の気持ち」って?』
文/宮下早希
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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