日常的に座っている姿が見られる猫。よく見ると、前足を体の下に折りたたんでいたり、片方の前足だけ伸ばしていたりと、多彩な座り方をしていますよね。そこで今回は、4つの座り方からわかる猫の気持ちについて、哺乳動物学者の今泉忠明先生に伺いました。
前足を曲げて座る香箱座りをする理由
前足を曲げて座る猫のポーズを「香箱座り」といいます。香を入れる“香箱”の形に似ていることからこの呼び名になりました。
両前足を折りたたんでいて、急に立つことができない姿勢なので、猫がリラックスしているときに見られます。筋肉も関節もやわらかい、猫ならではの座り方です。
完全に前足を隠して座るときは?
両前足を完全に体に下にしまい込んでいるのは、一番リラックス度が高い香箱座りです。冷えやすい足を体の下に収めて、温めるためにすることもあります。
前足をクロスさせて座る理由
前足をクロスさせる座り方は、“香箱座り”と比べてより立ち上がりにくいため、リラックス度がさらに高いニャンポーズです。怪しいものや音を見聞きしたら、まず足のクロスを解いて、動きやすい体勢を取るでしょう。
片方の前足だけ伸ばして座る理由
片方の前足だけ伸ばして座っている場合は、“香箱座り”をし続けて曲げていた前足を、ストレッチするために片方だけ伸ばしているのでしょう。香箱座りをしているときに目の前に気になるものがあったら、片方だけ前足を出してちょいちょいすることもあります。
前足の裏をつけて座る理由
前足の裏を床につけるのは、やや緊張感がある猫の座り方。腰を下ろして休んではいますが、いつでも立ち上がれる体勢なので、リラックス度はやや低めです。“香箱座り”をしている最中に気になることがあったとき、このように前足の裏を床につけて座り直すこともあります。
猫が見せるポーズは、野性時代の名残のものから、飼い猫ならではのものまで多種多様です。愛猫がどんな座り方をしているのかに注目して、そのときの気持ちを読み取ってあげましょう。
お話を伺った先生/今泉忠明先生(哺乳動物学者 「ねこの博物館」館長 日本動物科学研究所所長)
参考/「ねこのきもち」2019年4月号『どうしてするの? どんな気持ち? We Love ニャンポーズ』
文/宮下早希
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。