愛猫のしぐさを見ていて、「なぜこんな行動をとるのだろう?」と疑問に思った経験はありませんか? かわいくユーモラスな猫のしぐさには、彼らのさまざまな気持ちが込められています。猫のしぐさの意味について、獣医師の菊池亜都子先生にお話を伺いました。
ふみふみは「お母さんに甘えたいな」
猫がやわらかな布の上などで、交互に自分の両前足を動かすしぐさが「ふみふみ」です。このしぐさは、子猫が母猫のおっぱいを押して刺激する行動の名残なのだとか。飼い猫が甘えモードになったときに見られます。
けりけりは「テンション、上がってます!」
猫は狩りをする際、獲物を前足で押さえつけ、後ろ足で蹴ってダメージを与えます。飼い猫にとっての「狩り」とは「遊び」。この「けりけり」のしぐさは、飼い猫が遊んでいる真っ最中に見られやすいといわれています。けりけりをしている猫は、非常に興奮している状態だと考えられます。
くねくねは「一緒に遊ぼう」
猫がほかの猫や飼い主さんに対してお腹を見せながら、体を「くねくね」と動かすしぐさは、「一緒に遊んで!」というアピールであると考えられます。お腹は猫の急所。そのお腹を相手に見せるのは、敵意がないという証拠です。
すりすり「自分のニオイで安心したい」
猫の尻尾の付け根や口まわりなどには「ニオイの分泌腺」が存在します。こうした部分を物や場所に「すりすり」とこすり付けるしぐさには、自分の物であることを主張したり縄張りを守ったりという意味が込められています。自分のニオイに包まれるので、猫が安心するといった効果もあるようです。
また、同居猫や人に対してすりすりする場合には、距離を縮めるためのご挨拶であるとも考えられています。
ちょいちょいは「これは何だろう?」
猫が「ちょいちょい」とモノに前足で触れるしぐさは、本来、捕らえた獲物が生きているかどうかを確認するための行動だと考えられています。猫の前足の肉球には、対象物に軽く触れるだけで動きや温度を感知できるセンサーのような機能があるのです。
猫の愛らしいしぐさに秘められた意味についてご紹介しました。しぐさに込められた猫の気持ちが上手に読み取れれば、愛猫との信頼関係が一層深まりそうですね。
お話を伺った先生/菊池亜都子先生(獣医師 獣医行動診療科認定医)
参考/「ねこのきもち」2020年6月号『15のしぐさに秘められたねこのきもち』
文/藤真もとみ
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。