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知っておきたい!猫の脳の病気で一番多い「てんかん」発作

「てんかん」は猫にも発生する脳の病気。てんかん発作といえば、「急にけいれんを起こす」など発症に気付きやすいという印象があるかもしれませんが、中にはけいれんが見られない発作も。

猫のてんかんの原因や症状について、日本獣医生命科学大学獣医放射線学研究室教授の長谷川大輔先生に伺いました。

猫の「てんかん」はどんな病気?

2匹の黒猫
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
てんかん発作は、脳の神経細胞(ニューロン)の異常な興奮によるものです。通常は数分間の、一時的なけいれんや意識障害、行動異常などが見られます。この発作が24時間以上の間隔をあけて2回以上起きる脳の病気を「てんかん」といいます。

「特発性てんかん」と「構造的てんかん」

茶トラの金時くん
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
猫のてんかんは原因により、大きく2つに分類されます。「特発性てんかん」と「構造的てんかん」です。

特発性てんかんとは、脳波検査では異常が認められるものの、MRI検査では異常が見られないてんかんです。遺伝的な要因が考えられ、猫の場合は7才頃までに初めての発作が起こることが一般的です。

一方、構造的てんかんとは、脳腫瘍・脳炎・脳血管障害・脳奇形・脳損傷・認知症など、脳の病気が原因で発作が起きるてんかんです。MRI検査で脳の異常が検出されます。

猫のてんかん発作の種類と症状

マンチカンのゆずちゃん
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
てんかん発作は「全般発作」と「焦点性発作」とに大きく分けられます。それぞれの発作はけいれん性と非けいれん性とに分かれますが、非けいれん性の発作は見た目では気付きにくいものもあります。

脳全体が一斉に興奮する「全般発作」

全般発作は、脳全体が一斉に異常な興奮を起こすことによる発作です。発作開始時から意識がなくなり、全身が一気にけいれんするケースが多いです。

【けいれん性の全般発作】
・突然全身が硬直して倒れる。次第にヒクヒクしたり、震えながら犬かきのような動きをしたりする。口からよだれや泡があふれたり、オシッコやウンチをもらしたりすることも。
・突然全身がビクビクッとなり、尻もちをついたような状態になったり、後ろに倒れたりする。

【非けいれん性の全般発作】
・急に力が抜けたように、ストンと倒れる。

脳の一部が興奮する「焦点性発作」

焦点性発作の場合、発作症状は全身ではなく部分的にあらわれます。これは脳の一部のみが異常に興奮するためです。焦点性発作から始まり、全般発作に至る場合もあります。

【けいれん性の焦点性発作】
・体の一部分だけがけいれんしたり引きつったりする。

【非けいれん性の焦点性発作】
・よだれが出る、黒目が大きくなる、毛が逆立つ、吐く、下痢をする、オシッコやウンチをもらすなど。
・まったく動かなくなる、どこか一点を見つめる、口をもぐもぐくちゃくちゃする、あくびをする、同じ行動を繰り返す、狂ったように走り回るなど。

稀に見られる「反射性発作」とは

毎回共通の事象によっててんかん発作が起こる猫も、稀にいます。この発作は「反射性発作」と呼ばれ、たとえば、光(フラッシュなど)が点滅すると必ず発作を起こす、“カチッ”という金属音や高い音が鳴ると必ず発作を起こす、などが挙げられます。
猫が発症する脳の病気の中で最多の疾患がてんかんです。てんかんに関する正しい知識を身につけて、いざという時に役立ててくださいね。
お話を伺った先生/長谷川大輔先生(日本獣医生命科学大学獣医放射線学研究室教授 アジア獣医内科学会神経科専門医 日本てんかん学会評議員 獣医神経病学会理事)
参考/「ねこのきもち」2024年10月号『最新治療の報告も! 猫の脳の病気で一番多い「てんかん」』
文/藤真もとみ
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありません。
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