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嫌だったワケじゃなかった 猫がなでられたところを急いでペロペロする理由

さっきまで気持ちよさそうになでられていた猫が、終わってから触れていたところをペロペロとなめることがありますよね。「嫌だったの?」なんて思ってしまいますが、本当の理由は違うようです。
今回は、猫がなでた部位をペロペロする理由を、哺乳動物学者の今泉忠明先生に伺いました。

猫がなでた部位をペロペロする理由とは

毛づくろいするくりくん
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
なでているときに猫が気持ちよさそうにしていたのなら、毛並みを元に戻そうとしているだけでしょう。

猫が自分の体をペロペロとなめる「毛づくろい」には、ブラッシングの意味もあります。キレイ好きな猫は、人には気にならないような小さな乱れでも違和感を覚えることがあるので、舌をブラシ代わりにして、なでられたあとの毛の乱れを整えることがあるようです。

ブラシ代わりの舌は獲物を食べるために発達した

ちなみに、猫の舌にはザラザラとした約300個の突起(糸状乳頭)がありますが、この突起は味を感じる器官ではなく、野生時代に獲物の肉をそぎ取るために発達したものとされています。生後3カ月頃から、歯と同じ役割で生えてくるようです。

猫は長時間毛づくろいする動物

毛づくろいするサイベリアンのTinaちゃん
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
ところで、猫は起きている時間の30~50%を、毛づくろいに費やしているといわれているのを知っていますか?

これは、野生時代の名残と考えられています。野性に生きる猫は敵に自分の居場所を知られないため、毛づくろいをしてニオイを消す必要があったのです。

猫の毛づくろいには“意外な効果”も

片足をあげて座るりんくん
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
猫が長時間費やす毛づくろいには、ブラッシングのほかにも次のような効果があるといわれています。

血行が促進される

猫が舌でなめることによって毛根や皮膚に刺激が与えられるので、血行がよくなるなど、マッサージのような効果もあるといわれています。

気持ちが紛れる

焦る気持ちを毛づくろいに置き換えることで、気持ちを落ち着かせることができるようです。これは、猫が失敗したときなどにとる、転位行動のひとつといえます。

体温調節できる

猫の体を覆う毛にふわっと空気を含ませて断熱効果を高めたり、毛につけた唾液の気化熱を利用して体を冷やしたりすることもできるようです。

ビタミン補給できる

一説によれば、猫は被毛に日光が当たってできる「ビタミンD」を、なめることで摂取できるといわれています。
想像以上に多くの意味をもつ猫の毛づくろい。しぐさの意味や効果を知ると、なでた部位をペロペロされても、単純に嫌がれていないことが理解できるのではないでしょうか。
お話を伺った先生/今泉忠明先生(哺乳動物学者 川崎市環境影響評価審議会委員 「ねこの博物館」館長 日本動物科学研究所所長)
参考/「ねこのきもち」2018年2月号『よくする行動の謎にせまる!猫を解き明かす5つのN』
文/小崎華
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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