愛猫の姿が見えなくなって捜すと、家具の下や隙間にいることがありますよね。猫が暗くて狭い場所を居場所にする理由を、動物看護師の小野寺温先生に教えてもらいました。身を潜めながら何をしているかで、感じている気持ちも違うようです。
暗くて狭い場所にいるのは「気付かれたくない」から
野生時代の猫は単独で行動し、敵から身を隠すため、暗くて狭い穴蔵のような場所に身を潜めていました。その時代の名残から、現在の飼い猫も1匹で家具の下や隙間などにいることがあるのです。
少し寂しそうにも見えますが、ほとんどの場合、猫は「誰にも気付かれたくない」気持ちで隠れているようです。
その場でじっと動かないときは「緊張している」
猫が暗くて狭い場所に隠れて、じっと動かないときは、警戒して緊張しています。腰を落として急所のお腹を守るような姿勢で身を縮めながら、気配を消すように暗くて狭い場所に身を潜めていたら、かなり緊張している状態といえるでしょう。
目を輝かせていたら「獲物を狙っている」
野生時代は、狩りをしながら生活していた猫たち。狩りの際は、暗くて狭い岩穴などに身を隠し、獲物を見つけると狙いを定めて飛びかかっていました。
その時代の名残から、現代の飼い猫も暗くて狭い場所に隠れて、何かを狙う行動をします。目を輝かせながら人や同居猫などを見つめていたら、獲物に見立てて狙っているのでしょう。
ちなみに! 暗さに関係なく「猫は狭い場所が好き」
猫は、出入り口があり四方が囲まれた穴蔵のような場所を最も好むといわれています。たとえギュウギュウでキツそうな場所でも、体の柔らかい猫にとっては苦ではなく、むしろ密着感に大満足しているのでしょう。子猫時代のきょうだいで身を寄せ合う感覚を思い出して、心地よさを感じるともいわれています。
猫が暗くて狭い場所に潜むのには、きちんとした理由がありました。もし愛猫が緊張を感じている場合は、その原因を取り除いてあげられるといいですね。
お話を伺った先生/小野寺温先生(帝京科学大学生命環境学部講師 動物看護師)
参考/「ねこのきもち」2019年9月号『どこで何をしてるかに注目しよう 居場所(ニャンスポット)でわかるねこのきもち』
文/小崎華
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。