そっけないかと思えば、急に甘えてくる……とても気まぐれに見える猫の性格ですが、実は「ココロのステータス」が関係しています。今回は、猫のコロコロと切り替わる猫の気持ちについて、哺乳動物学者の今泉忠明先生に教えていただきました。
猫のココロにはざっくり4つのステータスがある
現代の飼い猫は、「子猫の気分」「野生猫の気分」「親猫の気分」「飼い猫の気分」と、ざっくり4つの気分をもっていて、それらを1日に何度も、スイッチのようにコロコロ切り替えて生活しています。
このようなことができるのは、野生時代の名残。1つの気分に縛られていると、外の世界を1匹で生き抜くことはできません。そのため、瞬時に「ココロのステータス」を切り替えるようになったと考えられています。
五感の刺激がきっかけで「ココロのスイッチ」が切り替わる
猫のココロが切り替わるきっかけとなるのは、音・ニオイ・視界に入ったもの・触れたものなど“五感の刺激”です。おそらく、これらの刺激が、何らかの「快適だった」「安全だった」「いいことが起こった」という以前の記憶と結びついており、そのときの気分を瞬時に呼び起こすのでしょう。
飼い猫がなりやすいのは“飼い猫気分”
4つの気分のうち、どの時間が長いかについては、かなり個体差があります。平均でいうと最も長いのが飼い猫気分、次いで子猫気分、親猫気分。野生猫の気分になるのは獲物のようなものを見たときなど、ほかの気分と比べて短い時間だと考えられます。
猫が“気まぐれ”な性格に見えるのは、「ココロのステータス」が頻繁に切り替わるから。なぜこのような特性をもつのかを理解すると、愛猫の気持ちがもっとわかるかもしれませんよ。
お話を伺った先生/今泉忠明先生(哺乳動物学者 日本動物科学研究所所長)
参考/「ねこのきもち」2023年12月号『“気まぐれ”に見える理由はコレでした! コロコロ替わるよ 猫のココロスイッチ』
文/柏田ゆき
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。