野性時代には自分で狩りをして、自分の身は自分で守って生きてきた猫。しかし、人とともに暮らし、人から食べ物や安全を得るようになったことで、無防備で安心しきった“飼い猫らしい”しぐさや行動を見せてくれるようになったといわれています。
今回は、飼い猫ならではのしぐさや行動について、哺乳動物学者の今泉忠朗先生に教えていただきました。
飼い主さんが名前を呼ぶと返事をするように鳴く
実は、猫同士では鳴いて返事をすることはありません。飼い主さんに返事をするのは、よいことが起きると期待しているからでしょう。
フードやおやつを取り出す音が聞こえると駆け寄ってくる
大好きなフードやおやつがもらえるときの音を学習し、いち早く駆け寄ってくるのは、人と暮らす飼い猫ならではの行動です。
おなかを上に向けて寝る
守られた環境で暮らす飼い猫は、命を脅かされるようなことはそう起こらないことを知っています。これにより警戒心が薄れ、油断したポーズをとるようになるのですね。
初対面の人がいても警戒しない、隠れない
好奇心旺盛でフレンドリーなタイプの猫なら、初めて会う人や初めて見るものにもあまり警戒心をもちません。自分から近づいていくことすらあるでしょう。
こんなしぐさ・行動も飼い猫ならでは
そのほか、人と暮らす猫は、大きな音が鳴ってもあまり動じない、人が通る場所でリラックスしている、鳴いたりスリスリしたりしてフードやおやつを要求するといった行動を見せることも。これらもすべて飼い猫ならでは行動といえるでしょう。
飼い猫としての気持ちが強い状態のときは、「フードがほしい」「なでてほしい」「遊んでほしい」などの要求を叶えてもらおうと、あの手この手で人におねだりをしてきます。なるべくすべての要求に答えてあげたいところですが、愛猫の健康のためにも、フードに関しては適量以上与えないようにしてくださいね。
お話を伺った先生/今泉忠明先生(哺乳動物学者 日本動物科学研究所所長)
参考/「ねこのきもち」2023年12月号『“気まぐれ”に見える理由はコレでした! コロコロ替わるよ 猫のココロのスイッチ』
文/柏田ゆき
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。