猫はおう吐しやすいといわれていますが、頻繁に吐くと体に負担がかかるほか、病気が隠れている可能もあります。今回は猫のおう吐の原因と予防策、おう吐に隠れている病気について、獣医師の小林清佳先生に解説していただきました。
猫がおう吐したときに考えられる原因・予防策
まずは、病気以外で考えられる猫のおう吐の原因別に、予防策をみていきましょう。(一例)
空腹/一気に食べる・食べ過ぎ
空腹が原因と考えられる場合は、年齢や体重に応じた適量のフードを与えましょう。一方、一気に食べる・食べ過ぎなどが原因なら、フードを少量ずつにし、回数を増やして与えるようにしてみてください。
ストレス
ストレスの原因を見極め、できるだけ取り除いてあげてください。
誤食/グルーミング時の毛玉の飲み込み
誤食が原因の場合は、猫が口にしそうなものは出しっぱなしにしないようにしましょう。 グルーミング時に毛玉などを飲み込みおう吐する場合は、こまめにブラッシングをすることが大切です。
フードが古い・水が新鮮ではない
フードは劣化しないようできるだけ小さな袋のものを購入し、常に新鮮な水やフードを与えるように心がけてください。
化学物質などを摂取した
消毒液や洗剤などは猫が届かない場所に保管しましょう。また、猫がなめるような場所で使用した場合は、必ず水拭きするようにしてください。
猫がおう吐したときに疑われる主な病気
猫のおう吐の原因として考えられる主な病気は以下のとおりです。
おう吐がみられる猫の病気(一例)
- 消化器系の疾患(胃腸炎、異物などによる腸閉塞、すい炎など)
- 泌尿器系の疾患(腎臓病や尿道閉塞に伴う尿毒症など)
- 腫瘍性疾患(消化器型リンパ腫や肥満細胞腫など)
- 神経系疾患 など
こんな猫のおう吐はすぐに受診を!
猫が以下のようなおう吐した際は、動物病院をすぐに受診するようにしてください。
注意したい猫のおう吐の特徴
- 血が混じっている
- 食欲がなく体重が減る
- 一日に何度も吐く など
猫のおう吐は原因を見極めて予防することが大切ですが、回数をゼロにするのは難しいものです。万一吐いてしまったときは、猫にとって安全な方法で掃除をして、清潔を保つようにしてくださいね。
お話を伺った先生/小林清佳先生(モノカどうぶつ病院院長)
参考/「ねこのきもち」2023年12月号『悩める2大汚れをプロ技で簡単・キレイに ねこの嘔吐・粗相跡こうすればスッキリ!』
文/山村晴美
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。