冬は気温とともに湿度も下がり、空気が乾燥する季節。また、猫の飲水量も減る傾向があるので、乾きやすい冬は特に水分不足にならないよう気を配りましょう。
この記事では、猫の飲水量やそのはかり方などについて、獣医師の田草川佳実先生にお話を伺いました。
冬に猫の飲水量が減りやすくなる理由とは
猫は寒さに弱く、冬はできるだけ暖かい場所で暖をとって過ごそうとし、動きが鈍くなる傾向があります。あまり動かないとのどが渇きにくくなるうえ、寒さで水を飲むために動くことすら面倒になる猫もいるため、冬は猫の飲水量が減りやすい季節といわれているのです。
猫の健康のためには十分な水分摂取が欠かせませんので、飲水量が減りがちな冬は特にしっかりと水を飲ませることが大切。では、猫は1日にどのくらいの水を飲めばよいのでしょうか。詳しくみていきましょう。
猫に必要な1日の飲水量とは
猫に必要な1日の水分量(ml)は、1日に必要なカロリー量(kcal)の数値と同じといわれています。体重に応じた飲水量の目安は以下のとおりです。ただし、フードなどで摂取する水分も含むため、正確な計量は難しいとされています。あくまで目安として参考にしてみてください。
体重別にみる「猫に必要な1日の水分量」の目安
- 体重3kg:160ml
- 体重4kg:200ml
- 体重5kg:230ml
- 体重6kg:270ml
- 体重7kg:300ml
※去勢・避妊手術をした成猫の飲水量の目安です。
※猫の飲水量には諸説あり、獣医師によって見解が分かれます。
猫の飲水量のはかり方とは
猫の1日の飲水量は、以下のような手順ではかることができます。
(1)水の量をはかってから容器に入れる
計量カップではかっておいた量の水を水飲み容器に入れます。複数の容器を置いている場合は、それぞれはかって合計しておきましょう。
(2)24時間後に残った水の量をはかる
1日経ったら、猫が残した水を再び計量カップに戻して計算しましょう。(1)で入れた水量との差が、猫の1日のおおよその飲水量です。
なお先述のとおり、猫の飲水量には飲み水だけではなく、フードから摂取する分も含まれます。ウエットフードを与えている場合は80%、ドライフードは10%を、減った飲み水の量に加えて計算しましょう。
猫の飲水量は1週間かはって平均値を出すのが理想
猫の飲水量は、気候や食べたフード、おやつの種類によっても影響を受けるため、日によって異なる場合があります。そのため、まずは1週間毎日飲水量をはかって、平均した飲水量を把握するのが理想といえるでしょう。
猫にとって水を飲むことと健康維持は直結しています。愛猫が水分不足になっていないか、ご紹介した方法などを参考に、チェックしてみてはいかがでしょうか。
お話を伺った先生/田草川佳実先生(聖母坂どうぶつ病院副院長)
参考/「ねこのきもち」2024年1月号『乾きやすい季節だからこそ、たっぷり飲ませたい! 冬の猫に大切なのは水でした』
文/長谷部サチ
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。