猫と暮らす
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猫の飲水量が減る冬は特に注意が必要 水分不足が引き起こす猫の病気・不調とは
寒い冬は空気が乾燥しやすく、猫の飲水量も減りやすい傾向があるので、愛猫が水分不足にならないよう気を配ることが大切です。今回は、冬に猫の飲水量が減りやすくなる理由や、水分不足が引き起こす病気や不調などについて、獣医師の田草川佳実先生にお話を伺いました。
冬に猫の飲水量が減りやすくなるのはなぜ?
猫は寒さが苦手とされ、冬はできるだけ暖かい場所で暖をとって過ごそうとし、動きが鈍くなる傾向があります。あまり動かないとのどが渇きにくくなるうえ、寒いと水を飲むために動くことさえ面倒になる猫もいるため、冬は猫の水分摂取量が減りやすい季節と考えられているのです。
猫にとって水を飲むことと健康維持は直結しており、水分不足はさまざまな病気や不調を引き起こすおそれがあるので注意が必要です。次からは、猫の水分不足がどのような病気や不調を引き起こすのか、詳しくみていきましょう。
猫にとって水を飲むことと健康維持は直結しており、水分不足はさまざまな病気や不調を引き起こすおそれがあるので注意が必要です。次からは、猫の水分不足がどのような病気や不調を引き起こすのか、詳しくみていきましょう。
水分不足が引き起こす猫の病気・不調(1)尿石症
尿石症とは、オシッコがつくられ、その通り道となる腎臓や尿管、膀胱、尿道に結石ができる病気です。飲水量が少なくなってオシッコが濃くなると、ミネラルの濃度も高くなるため、結石ができやすくなります。
なお、猫にできやすい結石としては、オシッコがアルカリ性に傾くとできやすく、内科的治療で溶かすことができる「ストルバイト」と、酸性に傾くとできやすく、治療では溶かすことができない「シュウ酸カルシウム」の2種類が挙げられます。
なお、猫にできやすい結石としては、オシッコがアルカリ性に傾くとできやすく、内科的治療で溶かすことができる「ストルバイト」と、酸性に傾くとできやすく、治療では溶かすことができない「シュウ酸カルシウム」の2種類が挙げられます。
水分不足が引き起こす猫の病気・不調(2)膀胱炎
飲水量が少ないと先述した尿石症になり、結石が膀胱の内部を刺激して炎症を誘発することもあります。猫が膀胱炎になると、以下のような症状がみられるでしょう。
膀胱炎の主な症状
- 血の混じったオシッコが出る
- 少量のオシッコを何度もする
- トイレの中と外を頻繁に行き来する
- 排尿姿勢をとりながら鳴く
- オシッコが出ていない など
なお、猫が膀胱炎になった場合、飲水量を増やせば膀胱内の刺激物質の濃度を減らすことができるので、治療に有用とされています。
水分不足が引き起こす猫の病気・不調(3)便秘
水分不足で腸内のウンチが硬くなると、排便が困難になって便秘になることがあります。
きばっているのにウンチが出づらかったり、やっと出たウンチが硬かったりした場合は便秘が疑われます。便秘をこじらせると詰まったウンチを指などでかき出すほか、浣腸剤が必要になるケースもあるでしょう。
きばっているのにウンチが出づらかったり、やっと出たウンチが硬かったりした場合は便秘が疑われます。便秘をこじらせると詰まったウンチを指などでかき出すほか、浣腸剤が必要になるケースもあるでしょう。
水の飲みすぎにも注意して
一方で、猫が極端にたくさんの水を飲み排尿する“多飲多尿”は、腎臓病や糖尿病、甲状腺機能亢進症などの病気のサインかもしれません。飲水量が明らかに増えたと感じたときは、早めに受診することが大切です。
猫の健康維持には水分摂取が欠かせません。愛猫の飲み水のことで気になることがある場合は、かかりつけ医に相談してみましょう。
お話を伺った先生/田草川佳実先生(聖母坂どうぶつ病院副院長)
参考/「ねこのきもち」2024年1月号『乾きやすい季節だからこそ、たっぷり飲ませたい! 冬の猫に大切なのは水でした』
文/長谷部サチ
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
参考/「ねこのきもち」2024年1月号『乾きやすい季節だからこそ、たっぷり飲ませたい! 冬の猫に大切なのは水でした』
文/長谷部サチ
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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