猫の歯の状態は年齢を重ねるごとに変化するため、保護猫の場合は歯の状態などから推定年齢の手がかりとなることも。そこで今回は、猫の歯の年齢ごとの特徴や、推定年齢の調べ方などについて、獣医師の小林清佳先生にお話を伺いました。
猫の歯は年齢によってどう変化する?
猫は3~4週齢ごろから乳歯が生え始め、2カ月齢あたりで生え揃うのが一般的です。その後、3~7カ月齢の間に永久歯に生え変わり、早ければ1才ごろから歯石が付着し始め、歯肉炎になる猫も。
なお、シニア猫になると歯が全体的に黄ばみ、歯石が蓄積して重度の歯肉炎になるほか、歯が抜けたり折れたりするケースも見られます。
猫の歯の年齢ごとの違いをチェック
では、具体的にどのような変化があらわれるのか、写真とともに見ていきましょう。
2カ月齢の歯
乳歯が生え揃った状態です。乳歯の本数は26本で、永久歯に比べると小さく尖っています。
3才の歯
歯石がない、キレイな歯と歯茎です。永久歯は30本。乳歯より上下左右の奥歯が1本ずつ多いです。
16才の歯
加齢により下の奥歯に歯石が蓄積しています。上の犬歯が折れ、抜けている歯もありますね。
保護猫の推定年齢は「歯の状態」でわかる場合も
保護猫の推定年齢(月齢)は、1才未満の子猫であれば、乳歯か永久歯かといった歯の生え具合や体重などから、ほぼ誤差なく推定できるとされています。
一方、1才以上の成猫の場合は、主に歯石の付着具合や骨格の状態、皮下脂肪のつき具合、毛の状態といったさまざまな材料をもとに年齢を推定するのですが、個体差や栄養状態・病気の影響なども大きくなり、とくに3~10才ごろは判断が難しいです。
どうしても誤差は生じてしまうものなので、成猫の推定年齢は、あくまでも目安と考えておくとよいでしょう。
ちなみに、猫の歯肉炎の原因となる歯石は、歯垢が石灰化して硬くなったもの。歯石になると家庭では落とせないので、歯垢のうちに落とすことが重要です。子猫のうちから、歯磨きやガーゼ磨きで歯垢を落とす習慣をつけましょう。
お話を伺った先生/小林清佳先生(モノカどうぶつ病院院長)
参考・写真/「ねこのきもち」2024年2月号『4週齢から23才まで、ずら~り並べて違いを発見 猫の体のパーツ比べてみました!』
文/長谷部サチ
※一部写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と一部写真に関連性はありませんので予めご了承ください。