愛猫へのフードの与え方は家庭によってさまざま。おいしく、健康的に食べてもらおうと、試行錯誤している飼い主さんも多いでしょう。今回は飼い主さんたちが実践しているフードの工夫について、獣医師の瀬戸口公代先生にアドバイスをいただきました。
完食してもらうためのトッピングはOK?
<飼い主さんのアイデア>
ふだんドライフードを与えていますが、ときおり数粒だけ残すことがありました。そこで、1日の最後にはご褒美もかねて、おやつをトッピングすることに。おかげでしっかり完食してくれるようになりました。(オス・1才/ミヌエット)
先生から「食事を促すには良案!ただし、食欲がないとき限定にして」
ふだん与えている量を完食できないときは、トッピングのアレンジで食事を促す方法もありです。ただ、毎日続けてしまうとトッピングがもらえることを学習し、あえて残すようになる可能性も。食欲が落ちているときだけなどに限定しましょう。
便秘のときはウエットフードがいい?
<飼い主さんのアイデア>
シニア期に入ったためか、排便の回数が少なくなってきた印象です。便秘がちのときは、水分補給のためにウエットフードを与えています。(オス・15才)
先生から「シニア期はとくに効果的です!」
ウンチの量を増やしたいときはドライフードをおすすめしていますが、ウンチが硬いと感じたら水分を多く含むウエットフードが効果的。シニア期はとくに水分不足から便秘になりやすいので、ウエットフードで水分を補給しながら便通改善を目指してもいいでしょう。
朝晩でフードの量を変えてもOK?
<飼い主さんのアイデア>
偏食気味の愛猫はときどきフードを完食せず、そのためか夜中に空腹で起きることがありました。そこで獣医師に相談し、夜はふだんの量の食事にトッピングをプラスしてボリュームを出しています。(オス・8才)
先生から「1日の量が決まっていれば、バランスは自由!」
食欲があるときに、食事を多めに用意するアイデアはばっちりです。1日の量さえ決まっていれば、朝と夜のバランスは猫のスタイルに合わせてOK。偏食気味とのことなので、体重管理をしながら猫が興味をもちやすいトッピングをするのもいいですね。
食器の素材は陶器製がいいの?
<飼い主さんのアイデア>
できるだけ清潔に保てるよう、自動フード供給器のトレーを陶器製のものに替えています。(オス・2才、メス・3才/ともにマンチカン)
先生から「陶器などの素材は衛生的でおすすめ!」
たしかに、プラスチック製などの食器は傷のあいだに雑菌が溜まってしまうことがあります。陶器製なら傷がつきにくいうえ、熱湯消毒もできるので、衛生面でも安心ですね。専用のものでなくても、陶器なら重さでズレにくそうなのもいい点です。猫たちが嫌がらずに使っているなら、問題はありません。
愛猫のことを想って、飼い主さんたちはさまざまな工夫をしているようです。瀬戸口先生のコメントを参考にしながら、愛猫が食事を楽しんでくれるような工夫ができるといいですね。
お話を伺った先生/瀬戸口公代先生(獣医師 往診専門ちさ犬猫病院院長)
参考・写真/「ねこのきもち」2024年4月号『与えるもの・量・方法の悩みにアンサー! 猫のフード一問一答』
文/柏田ゆき