ふだん何気なく目にしている猫のしぐさ。じつは、飼い主さんに愛情を伝えているしぐさがあるのはご存じでしょうか? 愛猫が飼い主さんを慕う気持ちがあらわれている行動を、獣医師の菊池亜都子先生に教えてもらいました。
飼い主さんの「イスに陣取る」
猫が飼い主さんの座っていたイスに乗り、陣取ってくることがありますよね。これは「大好きな飼い主さんのニオイと温もりを感じて、くつろぎたい」という気持ちのあらわれ。
イスを横取りしようという行動ではなく、愛による行動のひとつです。
飼い主さんにむかって「いっぱい鳴く」
野性の猫は成長とともに鳴くことが少なくなりますが、飼い猫は違います。子猫のようにいっぱい鳴くのは、飼い主さんを母猫のように慕って甘えたり、おねだりしたりしたいのでしょう。ストレートに愛のメッセージを伝えています。
※いっぱい鳴くことは、痛みや病気(甲状腺機能亢進症など)のサインでもあります。急に鳴くようになった場合はとくに注意し、勘違いしないためにも愛猫の様子に気を付けるようにし、日頃から健康診断を受けるようにしましょう。
飼い主さんの「ジャマをする」
飼い主さんが何かに集中しているとき、わざとジャマする猫は少なくありません。少し困る行動ではありますが、飼い主さんの関心を自分に向けて独り占めしたい気持をあらわしています。なので、この行動も愛情表現といえるでしょう。
「しっぽピーン」でやってくる
しっぽを垂直に立てるしぐさは、子猫が母猫に近付くときにする行動です。意識的ではなく自然に行っているようですが、飼い主さんを母猫のように思っているのでしょう。好意的な気持ちを示すこの行動も、猫の愛情表現のひとつといえます。
飼い主さんに「しっぽを絡ませる」
本来、猫がほかの猫にしっぽを絡ませるのは親愛の証といわれています。そんなしぐさを飼い主さんに対して行っているのであれば、親愛の気持ちを感じているのでしょう。
絡ませずに触れているだけの場合でも、警戒心の強い猫にとっては愛情表現といえるようです。
飼い主さんにお尻を向けたり、困らせたりしながらも、親愛の気持ちを伝えている猫たち。簡単にはわからない表現方法をするところが、猫らしいのかもしれません。
お話を伺った先生/菊池亜都子先生(獣医師)
参考/「ねこのきもち」2022年2月号『愛猫はあなたにこんなにも“愛”を伝えています 猫からのア・イ・シ・テ・マ・ス』
文/小崎華
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
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