地震などの自然災害はいつ起こるかわかりません。いつ起こっても落ち着いて行動できるように備えておくことが大切です。今回は、実際に被災された方のエピソードとともに、車中避難や愛猫との同行避難をする際に必要なものについて、特定非営利活動法人ちよだニャンとなる会業務執行理事の香取章子さんに教えていただきました。
絶対に用意しておきたいもの
キャリーケースやケージ
キャリーケースは、車中避難の際、猫の安心できる場所となり、脱走防止にも欠かせません。中には猫のニオイの付いた敷物やペットシーツなどを敷いておきましょう。
また、同行避難をして愛猫と避難所で過ごす場合は、基本的にキャリーケースやケージの中が愛猫の居場所となります。折りたたんで持ち運べるケージがあると、トイレなどが置けるので便利です。
首輪やハーネス
飼い主さんの連絡先を記載した首輪やハーネスを猫に装着しておくと、はぐれたときの「迷子札」となります。
車中避難では必須ではありませんが、避難所での同行避難の際には絶対に用意しておきましょう。
リードを装着すると、脱走防止にもつながります。
フード・水・トイレ
フードと水は、最低5日分は用意しましょう。トイレ砂は運ぶのが大変なので、最低3日分を目安に用意してください。トイレ容器には、折りたためて軽量なポータブルトイレがあると安心です。
その他、必要なもの
・食器
・ポリ袋
・ウエットティッシュ(ノンアルコールのもの)
・バスタオル
・猫の情報(特徴や健康情報、飼い主さんと動物病院の連絡先など)を記した手帳
用意しておくと安心なもの
ウエットフード・液状おやつ
ウエットフードは水分補給にもなるため、あると安心です。また、避難先の慣れない環境で食欲が落ちた猫も、好きな液状おやつなら食べる場合があります。
リュック型キャリーバッグ
移動時に便利です。リュック型だと両手が空くので、防災セットなども一緒に持ち歩くことが可能に。猫は飼い主さんと密着しているという安心感もあるでしょう。
ケージにもなるキャリーバッグ
移動時はリュック、避難先ではケージとして使える2WAYタイプのキャリーバッグ。同行避難の際にあると便利でしょう。
車中避難をした方のエピソード
自宅で被災したSさんは、ベッドの下に隠れたミケルくんを抱っこし、キャリーケースにはドライフード、水(軟水)、ペットシーツを詰めて車に避難をしました。
高台に避難して7~8時間待機しましたが、その間ミケルくんはフードも水も口にしなかったようです。
ミケルくんは大型種の猫でキャリーケースは狭かったようで、車内はハーネスとリードがあればよかったと話してくれました。
香取さんから
ドライフードや水などを持参できたのはよかったですね。これらのアイテムはあらかじめリュックなどに入れて、取り出しやすい場所に置いておけるとなおいいでしょう。
震災はいつ起こるかわかりません。実際に被災された方のエピソードを参考に、どんな避難にも対応できるように対策をしておけるといいですね。
お話を伺った先生/香取章子さん(特定非営利活動法人ちよだニャンとなる会業務執行理事 一般社団法人東京都人と動物のきずな福祉協会代表理事)
参考/「ねこのきもち」2024年7月号『あのとき何が起こったか。被災後にしたこととは―― 私と猫の「震災」の話』
文/山村晴美
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性がない場合もあります。