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【獣医師が解説】猫が咳してる!原因と病気のサイン、予防法とは

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猫の咳には「病気が原因」と「逆くしゃみ」の大きく2種類があります。今回はその見分け方と、咳から考えられる病気と予防法、そして生活環境の整え方を獣医師が解説します!いつもと違う体の異変が現れたら、獣医師に相談しましょうね。

愛猫の咳は異物が原因?病気と逆くしゃみの見分け方

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さっきまでくつろいでいた愛猫が、突然鼻をブーブーと鳴らし、苦しそうに首を前に伸ばすようなしぐさをしていることがあります。その姿に飼い主さんは驚き、愛猫に駆け寄るでしょう。しかし当の本人は、しばらくそのしぐさをした後はケロッとしています。「いったい何だったんだ…」と、飼い主さんは放心状態になるかもしれませんが、その愛猫のしぐさは「逆くしゃみ」と呼ばれるものかもしれません。

「逆くしゃみ」は毛玉など異物が原因だった!

「逆くしゃみ」とは、読んで字のごとく、くしゃみとは逆ものです。くしゃみの原理は、粘膜などに刺激があったときに鼻から急速に空気を送り出し、異物を除去しようとします。逆くしゃみはその逆で、鼻から急速に空気を吸い込み、毛玉などの異物を除去しようとする生理現象のことを指します。

逆くしゃみは空気を勢いよく吸い込むとき細い鼻腔に勢いよく空気が通るので、気道が狭くなってブーブーやガーガーといった音が出ます。音が鳴っているときは吸気をしているので、胸が大きく広がって見えるので見分けやすいでしょう。逆くしゃみは猫の生理現象なので病気の心配はいりませんが、あまりに頻回に起こったり、逆くしゃみの後にパタンと倒れたりする場合は、逆くしゃみ以外の原因の可能性があります。

もし逆くしゃみが1分以上続いたり、痙攣を起こしたり、倒れて失神したりする場合は、早めに獣医師へ相談しましょう。その際は、逆くしゃみの様子を動画で撮っておくと、診察の手助けになることがあります。

「ケホケホ」と乾いた咳:考えられる病気

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「気管支炎」

・症状
元気・食欲の低下を伴うことがあり、咳や発熱が主な症状です。

・治療
咳をはじめとする全身状態、体温、聴診、レントゲン撮影などによって診断し、一般的には抗生物質などの投与により治療します。栄養補給を十分に行い、部屋を暖かくして安静に過ごしましょう。

・解説
寄生虫や異物の誤飲、吸引で起こることもありますが、多くはウイルスや細菌感染が原因です。特に、冬場の「猫カリシウイルス感染症」などが原因のケースが多いといわれています。気管支に炎症を起こす病気ですが、ワクチン接種で防げる場合も多いので予防接種を行うことが大切です。

「猫ウイルス性鼻気管炎」

・症状
元気や食欲がなくなり、発熱・鼻水・くしゃみ・結膜炎による涙眼などの症状がでます。

・治療
一般的には飼育環境や臨床症状などを参考に治療に移ります。その他には、ウイルス抗原、ウイルス核酸またはウイルス抗体を検出する「血清学的診断法」があります。血清学的診断法はウイルスに対する治療と並行し、二次感染による症状の悪化を予防するために抗生剤を併用し治療にあたります。

・解説
「猫ヘルペスウイルス」をもっている猫との直接接触や、くしゃみや咳などで浴びる唾液などの飛沫で感染します。冬場の乾燥した季節に多い病気ですが、ワクチン接種で予防できます。このウイルスは一度感染してしまうと免疫ができてしまい、症状がなくなってもウイルスが神経細胞の奥に隠れてしまいます。時間が経って猫がストレスを感じたり猫の免疫力が下がったりすると、再度発症することがあります。感染する前に予防接種を受けて未然に防ぎましょう。

「ゼエゼエ」する湿った咳:考えられる病気

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「トキソプラズマ症」

・症状
ほとんどの猫には症状は現れません。しかし子猫や病後など抵抗力・免疫力が低下している猫が感染した場合は下痢が長く続き、血便、黄疸、発熱、咳といった症状が認められます。その他に食欲の低下や嘔吐、咳の症状も見受けられます。重篤な場合は命の危険があるので、早めの受診が必要です。

・治療
血液検査によって抗体検査を実施し、場合によっては糞便検査を実施します。稀に検出できないことも多いので、獣医師には猫の症状を詳しく説明しましょう。下痢や発熱などがある場合はそれぞれに応じた治療を行い、トキソプラズマに効果のある抗菌剤の投与で治療を行います。

・解説
猫がトキソプラズマを含む肉を食べたり、トキソプラズマに感染した小鳥やネズミを食べたりすることで、トキソプラズマという原虫に感染して発症する病気です。その他にも、感染した猫の便の入った水を経由して感染することもあります。

「猫クラミジア症」

・症状
目やにを伴う結膜炎やくしゃみ、鼻水、咳などの症状が表れます。進行すると気管支炎などを併発し、重篤な場合は死に至ることもあるので早めの受診が大切です。

・治療
猫クラミジア症の診断としては、ウイルスのRNA検出があげられます。治療法はクラミジアに効果のある抗生物質を投与し、重篤な場合は輸液で水分補給をしながら栄養補給を行います。

・解説
「猫クラミジア」という微生物に感染することにより発症します。感染経路としては、感染している猫と接触することによる接触感染が多く、感染している母猫から子猫へと感染する垂直感染もあります。多頭飼いの家庭やほかの猫との接触が多い場合は、あらかじめワクチンを接種するなどして予防しておきましょう。

ワクチンで防げる病気もある!

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感染症によってはワクチン接種をしておくことで、予防をすることができます。ワクチンは主に3・5・7種の中から選びます。それぞれ防げる病気は以下の通りです。

・3種ワクチン
「カリシウイルス」「ヘルペスウイルス」「猫汎用白血球減少症」

・5種ワクチン
「カリシウイルス」「ヘルペスウイルス」「猫汎用白血球減少症」「クラミジア」「猫白血球ウイルス感染症」

・7種ワクチン
「カリシウイルス(3種類)」「ヘルペスウイルス」「猫汎用白血球減少症」「クラミジア」「猫白血球ウイルス感染症」

「カリシウイルス」「ヘルペスウイルス」「クラミジア」は猫かぜの一種になるので、抵抗力や免疫力が弱っているときには獣医師と相談しながら予防接種を行いましょう。

猫の生活環境を整えよう!

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感染症の中には、すでに感染していても飼い主さん次第で発症を抑えられるケースもあります。トイレを清潔に保ったり、新鮮な食事や水を用意したり、季節に合った部屋作りに気をつけたりと、ストレスの無い環境作りを考えましょう。

愛猫を苦しめないためには、「感染経路を知ること」「予防しておくこと」「感染しても発症させないこと」が重要です。ストレスの無い環境作りをして、愛猫と一緒に健やかな日々を過ごしましょう。

ねこのきもち WEB MAGAZINE「病気・症状データベース(気管支炎)」

ねこのきもち WEB MAGAZINE「病気・症状データベース(トキソプラズマ症)」

ねこのきもち WEB MAGAZINE「病気・症状データベース(猫ウイルス性鼻気管炎)」

ねこのきもち WEB MAGAZINE「病気・症状データベース(猫クラミジア症)」

出典元/『ねこのきもち』2016年5月号『ねこの5大感染症』(監修:東京都江東区の猫専門病院 東京猫医療センター院長 獣医師 服部幸先生)
    『ねこのきもち』WEB MAGAZINE「愛犬・愛猫の呼吸がおかしい!!「逆くしゃみ」って一体なに?【動物看護師が徹底解説!】」
    『ねこのきもち』WEB MAGAZINE「病気・症状データベース」
文/HONTAKA
※写真はスマホアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。

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