1. トップ
  2. 猫と暮らす
  3. 健康・病気
  4. 動物病院
  5. 猫の誤飲(誤食)の対処法、もしものときの応急処置は?

猫と暮らす

UP DATE

猫の誤飲(誤食)の対処法、もしものときの応急処置は?

猫が食べ物以外の物を口にしてしまう「誤飲(誤食)」。食べた物がお腹に詰まると、入院して手術になってしまうことも。そのような一大事にならないよう、猫が誤飲しやすい物や、症状や処置、防ぎ方などを知っておいてください。

猫の誤飲の原因はおもに3つ

1 子猫は遊びで興奮して、おもちゃを誤飲しやすいから
生後2カ月頃から、子猫は単独で遊ぶことを覚えます。おもちゃにじゃれ付いたり、噛んだりして遊んでいるうち、どんどんエキサイト。ついにはおもちゃを食いちぎり、そのまま飲み込むケースが多く見られます。

2 若い猫は食欲旺盛で、食べ物のニオイに誘われやすいから
成長期が終わっても食欲旺盛な若い猫はいます。食べ物に興味津々で、おいしそうなニオイがすると即反応。ゴミ箱の中の食品ゴミをあさっているうちに、誘惑に耐え切れず食べてしまう猫も。

3 飼い始めは、猫が口にしやすい物を飼い主さんが知らないから
長いひもなど狩猟本能を刺激する物は、猫には魅惑的で、本能的に口にしたがるもの。猫を初めて飼う人は、そのような猫特有の口にしやすい物を把握していないと、出しっぱなしにして猫の好奇心をあおり、誤飲を招くことがあります。

猫が誤飲しがちな物は?

・おもちゃの一部
じゃらしおもちゃにじゃれて遊んでいるとき、先端部分を噛みちぎり、飲み込んでしまうケースが多いよう。また、口に収まりやすい、小さなボールや人形も要注意。人形のしっぽなどのパーツを噛みちぎって誤飲する猫も。

・食品関連の物
食べ物のニオイが付いた物は猫のターゲットになりがちです。具体的には、ドライフードの小分け袋、焼き鳥の串やつまようじ、生ゴミ、魚や鶏の骨、ハムやかつおぶしの包装ラップ、食品トレー、焼き豚などのタコ糸、食用油など。

・猫の好奇心を刺激する物
ひも・ゴム・ビニールは猫の好奇心を刺激する3大アイテムなので要注意。その他、電気コード、ラッピングタイ、ティッシュ、段ボール箱、マグネットやボタン、画びょう、糸付きの針、スポンジも誤飲が多いでしょう。

猫が誤飲すると命にかかわる、とくに危険な物

わずか一口でも重篤な症状を引き起こす物があります。人のダイエット用のサプリメント「α-リポ酸」は肝不全に、人の「鎮痛剤・解熱剤」は猫の赤血球を溶かし、どちらも1粒でも飲み込むと、猫が命を落とすケースが。植物では「ユリ」が危険で、花・葉・球根などの全てが猫にとっては毒です。その他、「ゴキブリ駆除剤」や「冷却剤」も命を脅かす恐れがあります。

猫が誤飲したときに見られる症状は?

毒性の強い薬剤などを口にして中毒を起こすと、動きが鈍くなりふらつく、けいれんや震えを起こす、苦しそうに暴れる、泡を吹く、息づかいが荒い、意識不明になるなどの症状が見られます。さほど毒性の強くない食用油などの場合は下痢を繰り返すことも。また、串や骨など尖がった物を飲み込むと、内臓を傷付けて嘔吐が頻繁に見られます。

猫が誤飲したときの対処法と注意点は?

誤飲した物によっては、無理に吐かせたりすることで、かえって危険なことがあります。とはいえ、しばらく様子を見ていると手遅れになることも。愛猫の誤飲に気付いたときや、誤飲が疑われる症状が見られたら、動物病院に連絡して、獣医師の指示を仰ぎましょう。

・誤飲が疑われる物の残骸がある場合
すぐに症状が出るとは限らないので、猫が元気そうにしていても動物病院で受診を。その際、誤飲が疑われる物の残骸を持参し、誤飲のだいたいの時間帯も伝えましょう。

・残骸はないが猫の様子が異常な場合
吐く回数が多いときは受診を。また、吐くしぐさをする、何も食べないなどの異変が見られた場合も、動物病院に連絡を。

・ウンチや嘔吐物に異物が混じっている場合
異物が出きっているとは限らないので、動物病院に連絡をして指示に従って。受診の際は、ウンチや嘔吐物を持参すると、診断の手がかりになります。

・飼い主さんが自己判断でやってはいけないこと
口や肛門から出たひもなどを引っ張る、体をさするなどして吐かせようとする、食塩水を飲ませて吐かせようとすることは、絶対しないでください。

猫の誤飲のとき、動物病院ではどんな処置をするの?

誤飲の処置は、口にした物の内容と経過時間によって変わります。

催吐処理 → すぐに命にはかかわらず、かつ誤飲してから時間が経っていない場合の処置。吐き気を催す催吐剤を使用して、異物を吐かせます。

吸着剤の投与 → 吸着剤とは、毒物を吸収して毒性を緩和できる薬剤のこと。おもに活性炭を使用。

胃洗浄 → 中毒の危険のある物を口にした場合、全身麻酔をして胃にチューブを挿入し、洗浄液を使って胃の中を洗い出します。

内視鏡による除去 → 飲み込んだ物が胃の中にある場合、小さいサイズの物であれば、口から内視鏡を挿入し、鉗子で異物を取り除きます。全身麻酔は必要ですがお腹は切らずに済みます。

開腹手術 → 誤飲した物が胃を通過して腸に詰まった場合、お腹を切って異物を取り出します。術後はしばらく入院が必要です。

猫の誤飲の防ぎ方は?

・猫が口にしやすいものは、フタ付きゴミ箱へ
食べ物のニオイが付いたゴミは、猫が口にしないようにフタ付きのゴミ箱に捨てましょう。フタに留め具が付いていると、猫がゴミ箱を倒しても中身が出ないため安心です。

・扉などを開けられない工夫を
猫が前足で扉や引き出しを開け、誤飲につながるケースも。扉にはストッパーを取り付け、開かないようにしておくと安心です。猫のおもちゃは、扉が開かない引き出しなどの中に保管しましょう。

・小さな物やビニール袋などはフタ付き容器に保管を
画びょうやボタンなどの小さい物、ビニール袋など猫が口にしやすい物は、密閉容器に保管をしましょう。

まとめ

猫の誤飲は、飼い主さんのふだんの心がけで防げます。猫が口にしやすい物は片付けて、猫が触れないようにしておくのが鉄則です。また、誤飲した現場を見ていなくても、心配なことがあれば早めに動物病院に相談をしましょう。

出典:『ねこのきもち』2016年6月号「タイプ別 誤食しやすい物はコレだ!」(監修:鵜飼佳実先生)同2012年12月号「猫が誤食しやすいものリスト」(監修:野矢雅彦先生)
CATEGORY   猫と暮らす

UP DATE

関連するキーワード一覧

人気テーマ

あわせて読みたい!
「猫と暮らす」の新着記事

新着記事をもっと見る