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【獣医師が解説】重篤な病気が原因かも?猫の下痢の対策や予防法

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猫の便(うんち)は健康のバロメーターでもあります。愛猫がいつもと違う便をしていたら、体調が気になりますよね。そこで今回は、特に下痢の形状や考えられる原因、下痢になったらすべきことや予防法を、危険な便の実例を交えながら解説していきます。


目次

愛猫のふだんの便を覚えておこう

下痢の原因はさまざま

猫が下痢になったらすべきこと

下痢を防ぐために飼い主さんができること

下痢の状態をよく観察して適切な対処を!

愛猫のふだんの便を覚えておこう

イラスト/桑原正俊

愛猫の健康状態を把握しておくうえで、ひとつの指標となるのが“便”です。ふだんの便を観察しておくと、小さな変化に気付きやすくなり、病気などの早期発見につながります。

ふだんの便と違うと感じたら


ふだんの便と何かが違うと感じたら、もっと細かく便を観察してみましょう。割り箸を使って便を裏返したり割ったりして色や形状、硬さ、ニオイなど、細かく便を調べます。ゆるめの便でも、異物が混じっている恐れがあるので、便の中まで確かめることも大切です。

下痢の時の便はどんな状態?

一般的に理想的な便とされるのは、塊状の便が長くまとまった形に適度な水分とツヤがあり、しっかりと砂が付く程度の固さをしています。一方で、下痢の便は水分が多くゆるい状態のものですが、その中でも危険とされる“ゆるめの便”には次のようなものがあります。

ウンチの硬さ

形がない、割り箸等でつかめるほどの硬さがないなどが、危険なゆるい便の大きな特徴です。

下痢の原因はさまざま

可愛い猫
getty

ゆるめの便が出るときは、きちんとした原因があります。原因を知り適切な対処をすることで、下痢は改善できます。しかし、素人判断は危険なので必ず獣医師の診断を受けましょう。

感染による胃腸炎

ウイルス


パルボウイルスが原因の「猫汎(ねこはん)白血球減少症」や、コロナウイルスが原因の「猫伝染性腹膜炎」などが代表的なウイルス性感染症です。感染すると胃腸炎を起こすことがあり、消化不良を起こします。特に猫汎白血球減少症は、非常に危険な感染症で激しい下痢にくわえて嘔吐や食欲不振といった症状を起こします。

細菌


カンピロバクター属菌による感染が、代表的な細菌による感染症です。多くの猫は症状を示しませんが、子猫や病後などの免疫力の低いとき、体調が悪くなった場合に下痢や嘔吐の症状が見られます。

寄生虫


回虫や条虫などが腸内に多数寄生すると、下痢を引き起こす原因に。特に子猫に多く見られます。トリコモナスやジアルジア、コクシジウムなどのように、顕微鏡でようやく見えるくらい小さな寄生虫(原虫類)も下痢の原因となります。

病気の症状による下痢

膵臓や肝臓、内分泌の病気、消化器の病気などの内臓疾患が原因で下痢が起こることがあります。また、腸管の悪性腫瘍が原因で、慢性的に下痢をするケースも。そのほかにも、炎症性腸疾患で大腸や小腸などの消化管に慢性的な炎症が起こっている状態でもゆるめの便が出ます。

フードが合っていない

新しいフードに切り替えたタイミングで、下痢になることがあります。これは猫の腸の常在細菌が新しいフードによる新しい腸内環境の変化に対応できず、腸内環境が乱れた結果として消化不良が生じている可能性が考えられます。食物アレルギーなど別の理由が関わっている場合もあるので、フードを切り替えてから数日経っても症状が治まらなければ、新しいフードを与えるのを止めて獣医師に相談しましょう。

異物誤飲による下痢

おもちゃやボタンなど異物を誤飲したり、殺虫剤や人の薬などを口にしたりすると下痢をする場合があります。いずれも、きちんと片づけておくことで予防ができるので十分注意しましょう。

ストレスによる下痢

新しく猫を迎えたり引っ越しをしたりと生活環境の変化があった場合、精神的な要因で便に異変が出ることがあります。ストレスによって腸の機能や運動が乱れやすくなるため、下痢ではなく便秘になることもあるでしょう。

猫が下痢になったらすべきこと

ねこ
getty

猫の様子を観察する

猫が下痢になったら食欲や元気はあるか、嘔吐など下痢以外の症状はないか、といったことを観察しましょう。ほかにも、便自体の形状や色、ニオイなどをチェックし、できれば便を持参して動物病院へ行ってください。難しければ、スマホなどで撮影したものを獣医師へ見せると、診断の助けになることもあります。

市販の猫用の下痢止めや人用の薬は絶対NG!

人用の薬を飼い主さん判断で与えることは、絶対にやめてください。人用の薬は人の体に合わせて調合しているため、猫では逆に体の負担になったり中毒を起こしたりすこともあります。また、市販の猫用の薬を選ぶのではなく、必ず獣医師から処方された猫用の薬を正しく投与しましょう。

下痢を防ぐために飼い主さんができること

こねこ
getty

愛猫の下痢を防ぐために、飼い主さんはどんなことに気をつければ良いのでしょうか。ここでは、基本的な対策方法を5つご紹介します。

1. たっぷりの水と適量の良質なフード

便を理想的な固さに保つには、適切な量の飲み水と食事が欠かせません。水飲み用の容器を増やすなど工夫して水分は積極的に与え、フードはパッケージの記載などを参考にして与え過ぎないようにしましょう。また、下痢に対応したフードもあるので、おなかを壊しやすい猫の場合は獣医師と相談して検討してみるのも良いでしょう。また、次々にフード変えるのは、あまりよくないので注意してください。

2. 室内飼いでもワクチン接種を

室内飼いの猫には、外からウイルスをもらうなどの感染経路を可能な範囲で予防する対応として、ワクチンを接種するようにしましょう。重篤な状態になりやすい猫汎白血球減少症も、基本の3種混合ワクチンで予防することができます。

3. 愛猫に合ったトイレ環境を

愛猫が安心して使える快適なトイレ環境も、ストレスを減らし体調をととのえるために大切です。愛猫がトイレの中をぐるぐると回るなど使いにくそうな様子が見られたら、トイレそのものや砂が好みではない場合があります。愛猫が気持ちよく排泄できるように、一度環境を見直してみると良いでしょう。

4. 体を冷やさないようにする

寒さが苦手な猫にとっては「冷え」は大敵となります。冷えた環境でストレスがかかると免疫力が低下し、腸内環境が悪化する原因となってしまいます。猫のベッドに毛布を足したり、もぐりこんで落ち着ける隠れ場所などのスペースを用意して、暖かく過ごせる工夫をしてあげましょう。

5. 適度な運動で腸の動きを促そう

運動不足や肥満の状態は、腸の動きを鈍らせてしまいます。毎日短時間でも良いので、愛猫と遊んであげましょう。また、キャットタワーを置くなどして、猫自身も活発に動けるような環境を作ってあげてください。適度な運動をさせることで、腸の動きを健全に保ちましょう。

下痢の状態をよく観察して適切な対処を!

猫が下痢をしていたら便の状態をよく観察し、続くようであればすぐに動物病院へ連れて行ってください。特に体が冷えやすい冬は、愛猫が暖かく過ごせるスペースを用意し、快適に過ごせる環境づくりを心がけましょう!

参考/「ねこのきもち」2016年1月号『硬さと色に注目してキケンを見極め 長生きにつながる開運!?ウンチを目指そう』(監修:若山動物病院院長 若山正之先生)
監修/ねこのきもち相談室獣医師
イラスト/桑原正俊
文/紺道ゆあん
※記事と一部写真に関連性はありませんので予めご了承ください。

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