猫のウンチチェック①:ウンチの状態
1. ウンチの量や形
健康な猫のウンチは、人の手の人差し指サイズのものが1~2本出ています。もしいつもより量が少なかったり、ブツ切れの小さい塊がコロコロした状態だったりするなら、便秘の可能性があります。
2. ウンチの色
個体差はありますが、健康なときは食べているフードに近い色をしています。「黒い色」や「海苔の佃煮に近い色」だと、小腸から出血している可能性があります。「赤色」が混じっていると大腸から出血が疑われますし、「白っぽい色」はすい臓や胆のうに異常をきたしている恐れがあります。
3. ウンチの混入物
健康な状態だと混入物はなく、毛繕いした毛が少量混じっている程度です。「白くて動くもの」が混入している場合は、「腸内寄生虫感染」の可能性あり。「ゼリー状のもの」が混入しているときは、腸内の粘液です。一時的に混じることはありますが、続くようなら「大腸炎」かもしれません。その他、普段見ないものが混入しているなら、誤食したものが排出されたのだと考えられます。
4. ウンチの硬さや水分量
健康なときのウンチは、スコップで押すとムニュッとめり込みます。水分量は表面にツヤが出る程度です。コロコロしていて表面が乾燥しているときは、便秘がかもしれませんし、形が崩れている軟便やドロドロの水様便の場合は、腸炎や腸内寄生虫感染の可能性があります。
5. ウンチのニオイ
まずは、健康状態のウンチのニオイを覚えておくことが肝心。もしいつもより酸っぱい、腐敗したニオイがするなら、腸内環境に異常があるかもしれません。
猫のウンチチェック②:ウンチをしている様子
1. ウンチの回数
猫のウンチの回数には個体差がありますが、健康な時は1日に1~2回が目安です。もしいつもより回数が少ない、もしくは3日以上ウンチをしていないなら、便秘の可能性があります。
2. ウンチをしている様子やその他の異常
30秒以上、または長時間きばっている様子が見られたら、便秘の可能性があります。他にも落ち着かない様子でトイレを出入りする、または周りをうろつく、ウンチをしている時に鳴くなどのいつもと違う行動をとるときは、便秘またはお腹に違和感があるのだと判断できるでしょう。
また、猫のお尻から異物がぶら下がっていた場合には、無理に引っ張って取ろうとせずに、その状態のまま動物病院へ。素人が異物を引っ張り出すと、猫の腸を傷つけてしまうことがあるので注意して下さい。
ウンチに異常があれば、動物病院へ
猫のウンチに異常が見られたら、ぜひ動物病院で猫ちゃんを診てもらって下さい。診察に行く際は、猫のウンチの現物をポリ袋に入れて持っていくと良いでしょう。袋を裏返して手に被せて、トイレに残っているウンチを掴み取って採取します。そのままポリ袋の口を縛って持参しましょう。形が崩れたり砂が入ったりしても、気にしなくて大丈夫です。病院へ行くまでに日が空くようであれば、採取したウンチは常温で保管して下さい。
動物病院では、ウンチに寄生虫が潜んでいないかを検査してくれます。もし寄生虫が見つかれば、駆除薬を処方してもらえます。寄生虫が見つからなければ、腸や内臓の異常を確かめるために血液検査や超音波検査等を行います。そこで病気が見つかれば適切な処置をしてもらえるでしょう。また便秘の場合は治療はもちろん、他の病気が原因でないか確認してもらえます。
さまざまな原因から起こる、猫のウンチの異常。飼い主さんが毎日ウンチチェックしてあげることで、愛猫の健康を守ってあげましょう。
出典/「ねこのきもち」2017年6月号『大切なことはウンチが教えてくれる』(監修:聖母坂どうぶつ病院獣医師 鵜飼佳実先生)
文/madka
※写真はスマホアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。