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【獣医師監修】猫から人にうつる!?「トキソプラズマ」に要注意。とくに妊婦の方は必読!

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猫から人に、または人から猫にうつる可能性がある病気を「人獣共通感染症」(ズーノーシス)と呼びます。今回はその中で、猫のウンチを通じて感染するトキソプラズマという病気に注目。妊婦が感染すると流産するおそれがあるので、予防には猫との暮らし方の見直しが必要になります。

この記事の監修

荒木 陽一 先生

 獣医師
 プリモ動物病院 練馬院長

 東京農工大学農学部獣医学科(現 共同獣医学科)卒業

●資格:獣医師

●所属:日本獣医がん学会

●主な診療科目:一般診療(外科・内科)、救急診療、腫瘍科

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健康な人にうつっても、ほとんどは無症状ですが……

猫と妊婦

トキソプラズマが感染しても、多くの人は無症状です。もし症状が出たとしても、通常は軽症で、リンパ節の腫れ、微熱、体調の悪さ、ときにのどの痛みなどがみられ、数週間後に自然となくなります。

ただし妊娠中の女性は要注意。妊娠中に初めてトキソプラズマに感染すると、流産の原因になることがあるのです。また、妊娠中に胎児に感染し、先天性トキソプラズマ症になると、水頭症に加え視力障害、脳内石灰化や精神運動障害などを発症することがあります。

猫の排泄物から人へと感染

猫とトイレ

では、そんなトキソプラズマはどうやって猫から人に感染するのでしょう? トキソプラズマの病原体は、トキソプラズマ原虫。この原虫のオーシストが、猫のウンチとともに排出され、それが人の口に入ると感染を引き起こすことがあるのです。

さらに、妊娠している人が初回感染すると、胎盤を通じて胎児に感染する可能性もあります。空気感染や、皮膚を通じて感染することはありません。

知らず知らずのうちに感染していることも

トキソプラズマは、猫を飼っていると気が付かないうちに感染していることがあります。健康な人の5~40%がすでに抗体をもっていて(日本人は10%前後)、発症しないこともあります。

また、すべての猫がトキソプラズマの病原体を持っているわけではありません。現在、猫がトキソプラズマに感染している確率は5~6%だといわれています。そして、トキソプラズマ原虫のオーシストが排泄されるのは、猫が初めてトキソプラズマに感染してから数週間ほどの期間だけです。

トキソプラズマは、猫以外の動物にも感染します。人への感染の可能性は、猫を通じてより、食肉、特に豚肉や羊肉を完全に火を通さずに口にすることのほうが高いといわれています。

猫にうつったときの症状は?

猫のうち、20~50%がトキソプラズマの抗体を持っているといわれており、成猫の場合は人と同様に感染しても多くは無症状です。ただ子猫の場合は急性感染でさまざまな症状を起こし、なかには死亡する場合も。

また、猫も妊娠中にトキソプラズマに感染することで人と同じように胎盤を通過して胎児に感染し、流産を引き起こすことがあります。

「人も猫も感染歴なし」が一番危険

人がトキソプラズマに感染するのは、決して珍しいことではありません。日本人の約10%は感染しているという報告もあるそう。危険なのは、妊娠中に初めて感染した場合に限られるのです。

そして猫の場合も、ウンチの中にオーシストを排出するのは、トキソプラズマに初めて感染したときだけ。感染から3~24日後に排出が始まり、数週間(3日~3週間ほど)続きます。ということは、すでにトキソプラズマに感染している猫は安全で、逆に危険なのはまだ感染していない猫なのです。

心配な方は、動物病院に相談してトキソプラズマの感染歴があるかどうか、検査してもらいましょう。

妊娠したら猫を手放したほうがいい?

もし感染すると胎児に悪影響を与えるトキソプラズマですが、現在では感染することはまれです。妊娠中の感染が疑われる場合は、血液検査を行います。理想的には、妊娠を希望したときに病院で検査しておくとよいでしょう。

猫を飼っていて妊娠しても、トキソプラズマへの感染を心配して、猫を手放す必要はありません。ただ猫も人も感染歴がなく心配な場合は、妊娠中は猫をどこかへあずけることを考えてもよいでしょう。

一緒に暮らす場合は、猫のトイレの片付けや掃除は、妊婦以外の人がするようにしたほうがよいでしょう。

猫をトキソプラズマに感染させないために

・猫を外に出さない
・猫に生肉を与えない
・ほかの猫と接触させない

妊娠が判明したり、これから妊娠を考えたりしているなら、猫をトキソプラズマに感染させないことも大切。ほかの猫の排せつ物に触れる機会をなくし、生肉も食べさせないようにしましょう。猫同士の接触で感染する可能性もありますから、ほかの猫と接触させないようにさせましょう。

猫との接し方で注意したいこと

ふだんの猫との触れ合い方に気を遣うことで、トキソプラズマへの感染は避けることができます。またこれらのことを心掛けることで、ほかの人獣共通感染症も防ぐことができます。

口移しやキスはしない

猫にキスする人

フードなどの食べ物を口移しで与えたり、キスをしたりすることはやめましょう。猫がお尻を舐めた後だと、本来排泄物の中にいる病原体が、猫の口に付いていることがあります。猫に自分の口の周りを舐めさせるような、濃厚な接触も控えるようにしましょう。

排泄物に触ったら必ず手を洗う

手を洗う

猫のウンチを片付けたり、トイレを掃除したりしたら、必ず手洗いをしましょう。石鹸などを使って念入りに汚れを落としてください。

また、野良猫が多い場所や砂場で子どもを遊ばせた後や、ガーデニングなど外の土を触った後も、しっかり手洗いをする習慣をつけましょう。猫のウンチに付いていた病原体が、その後、手を洗わずに食べ物に触って口に入ることが考えられます。

さらに、猫のウンチはなるべく早く片付けるようにしましょう。トキソプラズマ原虫のオーシストは、排泄後1日たってから人に感染するようになります。排泄後ウンチをそのままにしておくのは避けるようにしましょう。

引っかかれたらすぐに水洗い

猫に引っかかれたり、噛まれたりしたらすぐに傷口を水洗いしましょう。そのまま放っておくと、猫の口や爪の表面についていた細菌などが病気を引き起こすことがあります。

まず流水で数分間傷口をすすいで、市販の外傷用の殺菌・消毒薬で傷口を消毒しましょう。もし傷が深いようなら、早めに病院で受診することをおすすめします。

まとめ

飼い主にも猫にも感染経験がなく、妊娠した段階で初めて人が感染することで重い症状が出るトキソプラズマ。どんな病気で、どうやって感染するのかを把握しておくことが、感染予防の第一歩になります。また実際の感染は生肉を食べることのほうが多いとされています。妊娠したら、生の肉を口にすることは避けるようにしましょう。

監修/荒木陽一先生(プリモ動物病院 練馬院長)
文/コージー根本
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。

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