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【獣医師が解説】猫から人にうつる!?「トキソプラズマ」に要注意。とくに妊婦の方は必読!

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猫から人に、または人から猫にうつる可能性がある病気を「人獣共通感染症」(ズーノーシスとも)と呼びます。今回はその中で、トキソプラズマ症という病気に注目。猫のウンチを通じて感染する病気で、妊婦が感染すると流産するおそれがある、要注意の病気。予防には猫との暮らし方の見直しが必要になります。

猫と妊婦

健康な人にうつっても、ほとんどは無症状ですが……

トキソプラズマ症が感染しても、多くの人は無症状です。もし症状が出ても、通常は軽症で、リンパ節の腫れ、微熱、体調の悪さ、ときにのどの痛みなどがみられます。症状は多くの場合数週間後に自然となくなります。

ただし妊娠中の女性は要注意。妊娠中に初めてトキソプラズマ症に感染すると、流産の原因になることがあるのです。また、妊娠中に胎児に感染し、先天性トキソプラズマ症になると、脳水腫や精神運動障害などを発症することがあります。

猫の排泄物から人へと感染

では、そんなトキソプラズマ症はどうやって猫から人に感染するのでしょう? トキソプラズマ症の病原体は、トキソプラズマ原虫。この原虫のオーシストが、猫のウンチとともに排出され、それが人の口に入ると感染を引き起こすことがあるのです。

さらに、妊娠している人が感染すると、胎盤を通じて胎児に感染する可能性もあります。空気感染や、皮膚を通じて感染することはありません。

猫とトイレ

知らず知らず感染していることも

トキソプラズマ症は、猫を飼っていると気が付かないうちに感染していることがあります。健康な人の5~40%がすでに抗体を持っていて(日本人は10%前後)、発症しないこともあります。

また、すべての猫がトキソプラズマ症の病原体を持っているわけではありません。現在、猫がトキソプラズマ症に感染している確率は5~6%だといわれています。そして、トキソプラズマ原虫のオーシストが排泄されるのは、猫が初めてトキソプラズマ症に感染してから数週間ほどの期間だけです。

トキソプラズマ症は、猫以外の動物にも感染します。人への感染の可能性は、猫を通じてより、食肉、特に豚肉、羊肉に完全に火を通さずに口にすることのほうが高いといわれています。

猫にうつったときの症状は?

猫のうち、20~50%がトキソプラズマ症の抗体を持っているといわれており、成猫の場合は人と同様に感染しても多くは無症状です。ただ子猫の場合は急性感染でさまざまな症状を起こし、なかには死亡する場合も。

また、猫も妊娠中にトキソプラズマ症に感染することで人と同じように胎盤を通過して胎児に感染し、流産を引き起こすことがあります。

「人も猫も感染歴なし」が一番危険

人がトキソプラズマ症に感染するのは、決して珍しいことではありません。日本人の約10%は感染しているという報告もあるそう。危険なのは、妊娠中に初めて感染した場合に限られるのです。

そして猫の場合も、ウンチの中にオーシストを排出するのは、トキソプラズマ症に初めて感染したときだけ。感染から3~24日後に排出が始まり、10日間ほど続きます。ということは、すでにトキソプラズマ症に感染している猫は安全で、逆に危険なのはまだ感染していない猫なのです。

心配な方は、動物病院に相談してトキソプラズマの感染歴があるかどうか、検査してもらいましょう。

妊娠したら猫を手放したほうがいい?

もし感染すると胎児に悪影響を与えるトキソプラズマ症ですが、現在では感染することはまれです。妊娠中の感染が疑われる場合は、血液検査を行います。理想的には、妊娠を希望した段階で病院で検査しておくとよいでしょう。

猫を飼っていて妊娠しても、トキソプラズマ症への感染を心配して、猫を手放す必要はありません。ただ猫も人も感染歴がなく、心配な場合は妊娠中は猫をどこかへあずけることを考えてもよいでしょう。

一緒に暮らす場合は、猫のトイレの片付けや掃除は、妊婦以外の人がするようにしたほうがよいでしょう。

猫をトキソプラズマに感染させないために

・猫を外に出さない
・猫に生肉を与えない
・ほかの猫と接触させない

妊娠が判明したり、これから妊娠を考えているなら猫をトキソプラズマに感染させないことも大切。ほかの猫の排せつ物に触れる機会をなくし、生肉も食べさせないようにしましょう。猫同士の接触で感染する可能性もありますから、ほかの猫と接触させないようにさせましょう。

猫との接し方で注意したいこと

ふだんの猫との触れ合い方に気を遣うことで、トキソプラズマ症への感染は避けることができます。またこれらのことを心掛けることで、ほかの人獣共通感染症も防ぐことができます。

口移しやキスはしない

猫にキスする人

フードなどの食べ物を口移しで与えたり、キスをすることはやめましょう。猫がお尻をなめた後だと、本来排泄物の中にいる病原体が、猫の口に付いていることがあります。猫に自分の口の周りをなめさせるような、濃厚な接触も控えるようにしましょう。

排泄物に触ったら必ず手を洗う

猫のウンチを片付けてたり、トイレを掃除したら、かならず手洗いを。石鹸などをつかって念入りに汚れを落としましょう。野良猫が多い場所や砂場で子どもを遊ばせた後も、しっかり手洗いをさせる習慣をつけましょう。猫のウンチに付いていた病原体が、そのあと手を洗わずに食べ物に触って口に入ることが考えられます。

さらに、ウンチはなるべく早く片付けるようにしましょう。トキソプラズマ原虫のオーシストは、排泄から1日たってから人に感染するようになります。排泄後ウンチをそのままにしておくのは避けるようにしましょう。

手を洗う

引っかかれたらすぐに水洗い

猫に引っかかれたり、かまれたりしたらすぐに傷口を水洗いしましょう。そのままほうっておくと、猫の口や爪の表面についていた細菌などが病気を引き起こすことがあります。

まず流水で数分間傷口をすすいで、市販の外傷用の殺菌・消毒薬で傷口を消毒しましょう。もし傷が深いようなら、早めに病院で受診することをお勧めします。

まとめ

飼い主にも猫にも感染経験がなく、妊娠した段階で初めて猫が感染することで重い症状が出るトキソプラズマ症。どんな病気で、どうやって感染するのかを把握しておくことが、感染予防の第一歩になります。また実際の感染は生肉を食べることのほうが多いとされています。妊娠したら、生の肉を口にすることは避けるようにしましょう。

監修/ねこのきもち相談室獣医師
文/コージー根本
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。

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