猫と暮らす
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【獣医師監修】O型の猫はいない? 猫の血液型の種類や検査法、知っておくメリットは?
人と同じように、猫にも血液型があります。人は「A・B・O・AB」の4種類で区別されますが、猫は「A・B・AB」の3種類。今回はそんな猫の血液型について、その特徴や検査方法、血液型を知っておくメリット、血液検査で分かること、血液型で性格診断ができるのかなど幅広く解説します。

後藤 瞬 先生
獣医師
相模原プリモ動物医療センター第2病院勤務
東京農工大学農学部獣医学科(現 共同獣医学科)卒業
●資格:獣医師
●所属:日本獣医皮膚科学会/日本獣医がん学会/動物介在教育・療法学会
●主な診療科目:一般診療(外科、内科)/麻酔科
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相模原プリモ動物医療センター第2病院勤務
東京農工大学農学部獣医学科(現 共同獣医学科)卒業
●資格:獣医師
●所属:日本獣医皮膚科学会/日本獣医がん学会/動物介在教育・療法学会
●主な診療科目:一般診療(外科、内科)/麻酔科
猫の血液型はA・B・ABの3種類
みなさんご存知の通り、人の血液型は「A・B・O・AB」の4種類に分類されています。それらは赤血球の表面にある抗原によって決まり、A・B・O・AB型で分類される「ABO式」、そして、Rh抗原が陰性(-)か陽性(+)かによって分類される「Rh式」がよく知られています。
一方、猫の血液型はA・B・ABの3種類のみです。血液型遺伝子が生産する「血液型物質」というたんぱく質を調べる「猫AB式」で「A・B・AB」の3種類に分けられており、O型は存在しません。なお、犬の場合は10種類以上の血液型があり、今も研究が続いているため、まだ増えていく可能性があるそうです。
一方、猫の血液型はA・B・ABの3種類のみです。血液型遺伝子が生産する「血液型物質」というたんぱく質を調べる「猫AB式」で「A・B・AB」の3種類に分けられており、O型は存在しません。なお、犬の場合は10種類以上の血液型があり、今も研究が続いているため、まだ増えていく可能性があるそうです。
猫の血液型はA型が多い
猫が持つ血液型の遺伝子は、父猫と母猫からそれぞれ1つずつ受け継ぎます。アメリカで行われた調査では「90%以上の猫がA型」という結果が出ました。日本でもほとんどの猫はA型で、B型は10%未満、AB型はごくまれにしか発見できず、出現頻度は1%以下といわれているほどです。
猫種による血液型分布
【A型100%】
サイアミーズ、オリエンタル、アメリカン・ショートヘア、バーミーズ、オシキャット、トンキニーズ、ロシアン・ブルー
【A型93~97% B型1~10%】
メインクーン、ノルウェージャン・フォレスト・キャット、マンクス
【A型82~86% B型10~25%】
アビシニアン、バーマン、ジャパニーズ・ボブテイル、ペルシャン、スコティッシュ・フォールド、スフィンクス、ソマリ
【A型59~73% B型25%以上】
ブリティッシュ・ショートヘア、エキゾチック、コーニッシュ・レックス、デボン・レックス
サイアミーズ、オリエンタル、アメリカン・ショートヘア、バーミーズ、オシキャット、トンキニーズ、ロシアン・ブルー
【A型93~97% B型1~10%】
メインクーン、ノルウェージャン・フォレスト・キャット、マンクス
【A型82~86% B型10~25%】
アビシニアン、バーマン、ジャパニーズ・ボブテイル、ペルシャン、スコティッシュ・フォールド、スフィンクス、ソマリ
【A型59~73% B型25%以上】
ブリティッシュ・ショートヘア、エキゾチック、コーニッシュ・レックス、デボン・レックス
猫の血液型の検査方法や費用
猫の血液型は、専用の血液型判定キット、もしくは検査機関に依頼するなどの方法で調べることができます。検査機関に依頼すると数日かかりますが、動物病院で簡易キットの取り扱いがある場合なら、その場で調べ、すぐに結果を聞くことができます。なお、血液型判定だけであれば、必要な血液量は0.5ml程度と少量ですので、採血もごく短時間で可能な場合がほとんどです。
費用は動物病院にもよりますが、約5,000~7,000円程度が一般的です。しかし、血液型だけを調べることは少ないので、このほかに診察代や治療費などがかかることもあります。
費用は動物病院にもよりますが、約5,000~7,000円程度が一般的です。しかし、血液型だけを調べることは少ないので、このほかに診察代や治療費などがかかることもあります。
事前に愛猫の血液型を知っておくメリット
大きなケガや病気をして手術するときなど、猫も人と同じように輸血が必要になることがあります。いざというときにスムーズに対応できるようにするためにも、猫の血液型を把握しておくと安心でしょう。また、血液型は交配に影響を及ぼすこともあります。それぞれのケースで血液型がどのような影響を及ぼすのか、具体的にみていきましょう。
1. 輸血が必要になった場合
人の場合、輸血が必要なときはABO式で血液型を割り出し、Rh式で陰性か陽性かを判断してから輸血をします。それは、違う血液型を誤って輸血すると赤血球が破壊されてしまい、発熱などが起きる可能性があるためです。重篤な場合は、急性腎不全などを引き起こすことがあり、命の危険もあります。
猫の場合も基本的な理由は同じで、猫は自分の血液型以外の抗体に対して自然抗体を持っており、違う血液型を誤って輸血してしまうと、強い拒絶反応を起こします。特にB型の猫が持つ「抗A型抗体」は非常に強いため、B型の猫にA型の血液を輸血すると、重篤な状態になることが多いのです。
猫の場合も基本的な理由は同じで、猫は自分の血液型以外の抗体に対して自然抗体を持っており、違う血液型を誤って輸血してしまうと、強い拒絶反応を起こします。特にB型の猫が持つ「抗A型抗体」は非常に強いため、B型の猫にA型の血液を輸血すると、重篤な状態になることが多いのです。
猫の輸血の流れは?
猫に輸血が必要になったとき、血を提供してくれるのは、供血猫としてドナー登録をされている猫です。動物病院で両者の血液適合チェックがおこなわれ、問題ないことが確認され次第、供血猫から血液を採取します。
2. 危険な交配を避けるため
元気に生まれた子猫が、初乳を飲み始めてからの突然死や、急激に衰弱して死に至るなどの症状を引き起してしまう「新生児溶血」。これは、母乳の摂取に伴い、子猫の体内で急激な溶血反応(血液の中の赤血球が壊れる反応)が起こる病気ですが、母猫と子猫の血液型に関連してその症状が起こるため、あらかじめ猫の血液型を知っておけば避けることができます。
先述したように、B型の猫が持つ抗A型抗体は非常に強力。そのため母猫がB型で子猫がA型だった場合、母猫の母乳に含まれる抗A型抗体によって子猫の赤血球が攻撃されて壊れる溶血反応が起こり、命を落としてしまうのです。なお、メス猫がB型の場合は、B型のオス猫と交配すれば生まれる子猫もB型になるので、「新生児溶血」を避けることができます。
先述したように、B型の猫が持つ抗A型抗体は非常に強力。そのため母猫がB型で子猫がA型だった場合、母猫の母乳に含まれる抗A型抗体によって子猫の赤血球が攻撃されて壊れる溶血反応が起こり、命を落としてしまうのです。なお、メス猫がB型の場合は、B型のオス猫と交配すれば生まれる子猫もB型になるので、「新生児溶血」を避けることができます。
血液生化学検査で分かること
血液で分かることは、血液型だけではありません。健康なときから定期的に血液検査を受けておくことで、病気を早期に発見することができます。愛猫の血液の数値を知り、過去のデータと比較して変動がないか、定期的にチェックしましょう。
血液化学検査で分かる5つの病気
【腎臓病】
腎臓の機能が衰え、血液中の老廃物をスムーズに排出できない「腎臓病」になると、血液化学検査の項目「BUN(尿素窒素)」「Cre(クレアチニン)」「P(リン)」の数値が高くなります。
【肝臓病】
炎症や中毒など、肝機能に大きな負担がかかって肝細胞が壊れる数が過剰に増えた場合や、胆汁うっ滞の病状が続いている場合には、ALT、AST、ALP、GGTなどの酵素の値が、正常な範囲を超えて上昇します。
更に、細胞の壊死や線維化が進み、肝臓の機能が衰えると、「TP(総たんぱく)」「Glu(血糖値)」「Alb(アルブミン)」の数値が下がります。また、「NH3(アンモニア)」の数値が上昇する場合もあります。
【糖尿病】
細胞のエネルギー源として必要な糖分を細胞内に取り込めなくなる「糖尿病」になると、「Glu(血糖値)」が上がります。
【高脂血症】
血液中に中性脂肪やコレステロールが高値で含まれている状態です。無症状な場合もありますが、嘔吐下痢などの消化器症状や食欲不振、元気のなさなど、さまざまな不調の症状が見られる事もあります。
腎臓の機能が衰え、血液中の老廃物をスムーズに排出できない「腎臓病」になると、血液化学検査の項目「BUN(尿素窒素)」「Cre(クレアチニン)」「P(リン)」の数値が高くなります。
【肝臓病】
炎症や中毒など、肝機能に大きな負担がかかって肝細胞が壊れる数が過剰に増えた場合や、胆汁うっ滞の病状が続いている場合には、ALT、AST、ALP、GGTなどの酵素の値が、正常な範囲を超えて上昇します。
更に、細胞の壊死や線維化が進み、肝臓の機能が衰えると、「TP(総たんぱく)」「Glu(血糖値)」「Alb(アルブミン)」の数値が下がります。また、「NH3(アンモニア)」の数値が上昇する場合もあります。
【糖尿病】
細胞のエネルギー源として必要な糖分を細胞内に取り込めなくなる「糖尿病」になると、「Glu(血糖値)」が上がります。
【高脂血症】
血液中に中性脂肪やコレステロールが高値で含まれている状態です。無症状な場合もありますが、嘔吐下痢などの消化器症状や食欲不振、元気のなさなど、さまざまな不調の症状が見られる事もあります。
このほかにも血液検査では、さまざまな病気を発見することができます。上記にあげた項目以外にも、獣医師は各数値のバランスなどを見ながら総合的に判断するため、定期的に動物病院で診てもらうと安心でしょう。
以下の記事でも血液検査のメリットなどについて解説していますので、参考にしてみてください。
以下の記事でも血液検査のメリットなどについて解説していますので、参考にしてみてください。
猫も血液型で性格診断!?
人は「血液型で性格診断ができる」といわれていた時期もありましたよね。では、猫も血液型別に性格が違うのでしょうか? 先述した通り、ほとんどの猫はA型。しかし、体感的にも、猫の性格は同じとは思えませんよね。どの猫にも個性があり、血液型で性格は分けられないようです。
愛猫の血液型を知っておこう
人なら当たり前のように知っている血液型ですが、愛猫の血液型となると知らない飼い主さんも少なくないでしょう。今回ご紹介したように、血液型を知っておくと、いざというときのために役立つことも。愛猫のことを少しでも多く知りたい飼い主さんは、かかりつけの獣医師と相談して血液検査を受けてみてくださいね。
参考/「ねこのきもち」2018年4月号『2号連続「健康チェック」企画 前編 動物病院でできるチェック どうして必要? 結果の見方は? 血液検査がわかる!』
監修/後藤瞬先生(相模原プリモ動物医療センター第2病院勤務)
文/kagio
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
監修/後藤瞬先生(相模原プリモ動物医療センター第2病院勤務)
文/kagio
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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