大切な愛猫をフィラリア感染から守るためには、まずは敵となる寄生虫のことをよく知ることが重要です。今回は、猫の寄生虫のなかでも厄介なフィラリアの特徴や症状、予防法を解説します。果たしてフィラリアとは、どのような寄生虫なのでしょうか。
寄生虫・フィラリアの特徴
寄生虫・フィラリアとは
フィラリアは犬が感染する寄生虫だと思っている飼い主さんも多いかもしれません。しかしフィラリアは、蚊を媒介してさまざまな哺乳類に寄生します。
猫に寄生したフィラリアは、大部分が成虫になる前に死滅するといわれていますが、まれに体内で大きさ10cm以上の成虫に成長してしまい、普通に生活していた猫が突然死んでしまったというケースもあります。
フィラリアの症状
猫は体内でフィラリアが発育することが少ないため、感染してもはっきりとした症状が出ず、診断も困難なことが多い傾向にあります。ただし、猫の体内でフィラリアが成長した結果、肺や心臓の血管にすみ着くようになり、肺の病気で引き起こされる咳や喘息といった症状が出ることもあります。
フィラリアの検査や治療法
猫のフィラリア感染に関しては、まだ犬のように研究が進んでおらず、有効な検査や治療法がないのが現状です。また成虫にまで発育してしまうと、治療を確実に行うことが難しくなってしまいます。
フィラリアを予防・早期発見するために大切なこと
フィラリアの予防駆除剤を注射する
愛猫をフィラリアから守るためにできる唯一の方法は、定期的に予防駆除剤を投与することです。年間を通じて暖かい地域では月に一度投与し、それ以外の地域では獣医師に相談の上、あらかじめ期間を定めて予防しておくのがよいでしょう。予防駆除剤には、飲み薬タイプと背中に滴下する液体タイプの2種類があり、液体タイプのものなら飼い主さんでも簡単に投与することができます。
ウンチを観察する習慣をつける
飼い主さんが猫のウンチをチェックすることで、寄生虫の存在に気づくケースもあります。ウンチに混じる卵などは新たな感染源となってしまいますので、愛猫が排泄をしたときには異物が混じっていないかどうかをしっかりと観察するようにしてください。観察したあとの排泄物はすぐに処理して、飼い主さんは手を石鹸で洗いましょう。
野良猫を保護したらすぐに動物病院で便検査を受ける
野良猫はフィラリア以外にもさまざまな
寄生虫に感染している可能性が高いため、野良猫を保護した際にはすぐに動物病院を受診することが大切です。たとえかゆがるなどの症状が見られなかったとしても、病院できちんと便検査を受ける必要があります。
たかが寄生虫と油断するのは危険
子猫や高齢猫などの免疫力が低い猫に大量の寄生虫が感染すると、重篤な症状を起こしやすくなってしまいます。特にフィラリアは、猫の体内で成長すると最終的に死を招くことも。たかが寄生虫と油断することなく、定期的に予防駆除剤を投与して、愛猫をフィラリアから守ってあげてくださいね。
参考/「ねこのきもち」WEB MAGAZINE『寄生虫の専門家が教える、猫の寄生虫~ノミ、ダニ、フィラリアなど』
「ねこのきもち」2017年7月号『知らぬ間に猫の健康を脅かす コワ~イ寄生虫にご用心』(監修:日本獣医畜産大学(現日本獣医生命科学大学)獣医学科卒業 佐伯英治先生)
文/子狸ぼん
※写真はスマホアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。