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【獣医師監修】成長段階別!猫の餌(フード)の与え方~回数・量~

愛猫がおいしそうに食べている姿をみると、飼い主さんは幸せを感じるもの。今回は愛猫の健やかな成長と健康のためには欠かせない、餌(フード)の選び方や与え方を成長段階ごとに解説。愛猫が餌(フード)を食べないときの対処法も併せてご紹介します。

芝崎 考次郎 先生

 獣医師
 相模大野プリモ動物病院副院長

 日本獣医生命科学大学卒業

●資格:獣医師

●所属:日本獣医エキゾチック動物学会

●主な診療科目:一般診療(外科、内科)/エキゾチックペット診療

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子猫への餌(フード)の与え方

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時間帯、回数、与える量

月齢が低く、消化機能が発達していない子猫が一度にたくさんの餌(フード)を食べると、消化不良を起こしてしまう恐れがあります。子猫に餌(フード)を与える回数は一日に3回以上を目安とし、生後半年を過ぎたら徐々に2回のペースにしていくのがおすすめです。
また、なるべく毎日同じ時間帯に与えることを意識して、たとえ時間帯がずれたとしても一時間前後にとどめておくのがよいでしょう。一回に与える量は、子猫用もしくは成長期用フードの表示に記載されている給与量を参考にしてみてください。

餌(フード)の選び方

子猫は生後約4ヵ月までに成猫の体重のおよそ50%まで急激に成長し、そのあとも12ヵ月くらいまでは著しい成長が続きます。そんな子猫の成長を助けるためには、骨や歯などの形成にかかわるミネラルと、筋肉をつくる役割を果たすたんぱく質が欠かせません。
子猫期用もしくは成長期用として売られている餌(フード)にはたんぱく質が豊富に含まれ、カロリーや栄養価も高いものが多いです。子猫が1才になるまでは、基本的にはこの高たんぱくな餌(フード)を与え、1才を過ぎたら成猫用に切り替えます。

餌(フード)を与える際のポイントと注意点

子猫に餌(フード)を与える際に大切なことは、子猫の成長に合わせて量を適切に増やし、健康的な成長を促すことです。また授乳期に比べ、成長期にはドライフードも食べるようになり、餌(フード)に含まれる水分量がミルクや離乳食に比べて大幅に減るため、子猫がいつでも新鮮な水が飲めるよう配慮することも重要です。小さな体でも飲みやすく溺れないものを選ぶなど、水を入れる器にも気を配ってあげましょう。

成猫への餌(フード)の与え方

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時間帯、回数、与える量

成猫期とは、成長が止まってから平均寿命のおよそ半分までの期間のことを指し、年齢でいうと1才から7才くらいまでの猫が当てはまります。成猫に餌(フード)を与えるときは、パッケージに記載されている量を参考にし、一日2回から3回に分けて与えます。
与える時間帯は子猫と同じく3回であれば朝昼晩、2回であれば朝と晩が適当です。

餌(フード)の選び方

加齢に個体差が出てくる成猫期には、歯を守るための歯石沈着に留意したものや、栄養素がきちんとコントロールされた総合栄養食を選ぶ必要があります。主食として選ぶべき総合栄養食には、ウエットタイプやドライタイプ、セミモイストタイプなどさまざまなものがあるので、それぞれのメリットを考慮して選ぶのがポイントです。
また自己流の手作り食や肉食メインなど、栄養の偏った食事は避け、下部尿路疾患などの病気を予防するためにもいつでも水が飲めるような環境をつくってあげることも大切です。

餌(フード)を与える際のポイントと注意点

子猫期に比べると比較的変化の少ないように思える成猫期ですが、この時期に正しい栄養管理を行わないと、加齢を早めたり健康に支障が出たりする恐れがあります。特に避妊や去勢手術をしたあとは、それまでよりも必要なエネルギーの量が減少するため、定期的な体重測定で肥満を予防することが重要です。
この時期は食事内容のコントロールを行うほか、室内でも上下運動など適度な運動をさせることを心がけ、体重が増えてきたら早めに獣医師に相談してください。

高齢猫への餌(フード)の与え方

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時間帯、回数、与える量

加齢に伴う変化が、見た目や体の機能に現れてくる7才から8才以降の期間を高齢期と呼びます。高齢期の猫に餌(フード)を与える際は、消化の負担を軽減させるためにも、1日3回以上に分けて与えるようにしましょう。また、猫は年をとるにつれて食が細くなり、寝てばかりになる傾向があります。その場合は、餌(フード)の回数や時間帯を決めず、気が向いたときだけ食べられるようにするのも効果的です。

餌(フード)の選び方と与える量、与える際のポイント

高齢期の猫は成猫のときと比べて活動的でなくなるため、筋肉量が減少したり基礎代謝が低下したりしがちです。体の変化に伴って1日の必要摂取カロリーも減っていくので、これまでと同じものを同じ量だけ与えると、肥満になる恐れがあります。

高齢猫に与える餌(フード)は脂肪の割合が抑えられた、高齢期用のものが好ましいでしょう。ただし高齢化がさらに進むと消化吸収能力が衰え食べる量が減少しますので、その際はエネルギー効率がよく脂肪を適度に含んだ消化のよいもののほうが向いていることもあります。愛猫の体の状態に応じて、獣医師に相談しながら選んでいきましょう。

愛猫が餌(フード)を食べないときの対処法

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猫は離乳期の経験によって餌(フード)の好き嫌いが分かれやすくなったり、高齢期になると長年の経験から口に入れる食べ物に関して頑固になったりするケースがあります。そんなときにおすすめなのが、下記のようなおいしさの工夫と安心感で上手く乗り切る方法です。

食事加温法

冷蔵していたウエットフードは、体温程度に温めることで風味がよくなります。またドライフードも電子レンジで温めるとおいしい香りがたって風味もアップしますので、試してみてください。

ふた皿並行給餌法と新旧混合法

猫の餌(フード)を切り替えるときには、猫の警戒心をとくためにも、新しい餌(フード)をいつものお皿に入れ、その横にこれまで食べていたものを置く「ふた皿並行給餌法」が適しています。両方のお皿に入れる餌(フード)の量はそれぞれ一回分を目安とし、食べ終えたらこれまでのものを減らしていくのがよいでしょう。ほかにもこれまでのものに少しずつ新しいものを混ぜていく「新旧混合法」も向いています。

餌(フード)の与え方を工夫して病気を予防しよう

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成長期には少ない餌(フード)でたくさんのエネルギーをとれるほうがよく、代謝の落ちる高齢期には摂取エネルギーを抑える必要があるなど、成長段階によって必要な栄養量は異なります。それぞれの成長段階ごとに餌(フード)の選び方や与え方を工夫して、愛猫の一生の健康を守っていきたいですね。
参考/「ねこのきもち」2017年5月号『愛猫の栄養学事典』
   「ねこのきもち」2016年5月号『愛猫の長生きと健康を「食」で応援しよう! 目指せ!キャット・フード・マイスター』(監修:埼玉県春日部市の猫の専門病院マオキャットクリニック院長 高野のり子先生)
   ねこのきもちWEB MAGAZINE『子猫の食事の与え方~猫の食事・水(3)』
   ねこのきもちWEB MAGAZINE『猫の餌の与え方と選び方について』
   ねこのきもちWEB MAGAZINE『キャットフードの選び方・与え方を知ろう~パッケージ表示の見方・与え方』
   ねこのきもちWEB MAGAZINE『成猫の食事の与え方~猫の食事・水(4)』
監修/芝崎考次郎先生(相模大野プリモ動物病院副院長)
文/子狸ぼん
※写真はスマホアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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