初めて猫を飼う人や、愛猫の食餌(食事)でお悩みがある飼い主さんへ。この記事では、猫の食餌の与え方をはじめ、食餌の種類や選び方、飼い主さんが選んだキャットフード人気ランキングのほか、食餌を与えるときの注意点・食べないときの対処法について解説します。
猫の食餌の与え方:量と回数、与える時間は?猫に食餌を要求されたらどうすればいい?
食餌の量について
まずは、現在与えている量を正しく知ろう
愛猫の適切な給餌量を知るために、まずは現在与えているフードの量を正確に量ってみましょう。
ほとんどのフードは袋の後ろに体重あたりの給餌量が書いてあるはずなので、それと照らし合わせて適量かどうか確認してみましょう。
次に、愛猫の体型を把握しよう
現在の給餌量が分かったら、現在の愛猫の体型を調べます。太り気味・やせ気味・適正体型、愛猫がどれに該当するかは、以下の方法で大まかな判断ができます。
- 上や横から見た時にウエストのくびれが確認できるか(長毛種は身体を触って確かめてください)
- 背中を触った時に背骨の突起や肋骨が感じられるか
2つとも該当する場合は適正体型の可能性、ウエストのくびれもなく肋骨も感じられない場合は太り気味の可能性、ウエストがあるけれど肋骨や背骨も浮き出ている場合はやせ気味の可能性があります。ただし、上記はあくまで目安ですので、正確な体型の判断は獣医師の指示を仰ぐことをおすすめします。
以下の記事では、猫の体型チェック方法を画像つきで紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
愛猫の体型に応じて給餌量の調整を
愛猫が適正体型の場合は、食餌の量は今まで通りでよいでしょう。もし太り気味であれば、まずは給餌量を5%ほど減らして、逆にやせ気味であれば5%ほど増やしてみるといいかもしれません。
ただし、急なダイエットは健康を損ねるおそれがありますので、始める場合はかかりつけの動物病院に相談することをおすすめします。
食餌の回数・時間について
給餌の回数は、消化機能が未熟な子猫は3回以上、6か月齢以上~成猫であれば2回が一般的です。
与える時間は3回の場合は朝昼晩、2回であれば朝晩がおすすめです。だいたい決まった時間に与えるのがよいですが、1時間程度前後しても構いません。
置き餌でないと食べない猫の場合
食餌を出してから30分ほど経過しても食べなければ、愛猫に見えるようにお皿を下げることを繰り返してみると食餌を食べきるようになる場合がありますが、猫の場合は少量を回数をわけて食べる場合もあるので、猫に合わせてあげるとよいでしょう。どの位の量を食べているのかはしっかり把握してください。
また、夏場などフードの傷みやすい時期は、少し置いたら片づけるようにしましょう。
決まった時間以外に猫が食餌をねだる場合は
決まった時間以外に食餌をねだられた場合は、まずは無視をすること。一度与えてしまうと、『ねだればゴハンをもらえる』と学習し、要求がエスカレートすることがあります。無視をしているのに愛猫がどうしても諦めない場合は、夕飯分から数粒抜いておやつ代わりに与えたり、部屋にフードを隠して宝探しゲームをさせたりしてみましょう。ただし、食餌量がたりなくて食餌をねだっている場合もあるので、食餌が適正量与えられているかどうかも確認し、足りなければ適正量を与えましょう。
食餌を入れるお皿について
餌用のお皿は陶器やステンレスなど清潔に保ちやすい素材で、ある程度重みのあるものがおすすめです。
また、早食いする猫には早食い防止用のお皿を試してみるといいかもしれません。高齢の猫やエリザベスカラーをしている猫には、お皿を台に置き高くしてあげると食べやすくなります。
フードの盛り方ですが、真ん中を高くして山のようにしてあげると好んで食べることがあります。
猫の食餌の種類と選び方
主食には「総合栄養食」を
ペットフードにはさまざまな種類の商品がありますが、猫の食餌は「総合栄養食」と記載されているキャットフードを主食にしてください。「総合栄養食」とは、そのフードと水だけで健康が維持できるよう栄養バランスが考慮されたフードです。年齢別や食感・味などさまざまなバリエーションがありますので、愛猫に合ったものを選びましょう。
年齢に応じた栄養バランスのフードを
猫はライフステージによって、必要な栄養バランスが異なります。成長期の子猫には高エネルギーのフード、代謝が衰えるシニア猫には消化がよいフードなど、年齢に応じたフードを選びましょう。成長段階に合わないフードを与えると体調を崩す場合もありますので、フードに記載された対象年齢をよく確認してください。
ドライフードとウエットフードについて
ドライフードは保存が効き機能性の選択肢が多く、値段も比較的安価です。一方、ウエットフードは水分補給ができ風味がよく食欲が低下した場合にも効果的です。それぞれに異なるメリットがありますので、愛猫の状態に合わせて選ぶとよいでしょう。とくにドライフードは、1カ月程度で使い切れる量を買いましょう。
療法食(処方食)は必ず獣医師の指示のもと与えて
「療法食(処方食)」は肥満や尿路結石の予防など、特定の病気や健康状態に応じて獣医師指導のもと食事管理を行うためのフードです。飼い主さんの自己判断で療法食(処方食)を与えることは、愛猫の健康を損なうおそれがあるため、おすすめできません。ちなみに、「総合栄養食」には機能性を打ち出した商品もありますが、あくまで健康な猫の健康維持のためのものですので、病気と診断された場合は獣医師の指示に従って食事管理を行いましょう。
飼い主さんに聞いた!おすすめキャットフード人気ランキング
ここでは、ねこのきもち公式アプリで実施したアンケートより、実際に猫と暮らす飼い主さんが選んだおすすめフード3選をご紹介します。
※2019年5月実施「ねこのきもちアプリ」内アンケート調査(回答者数 356人)
【1位】ロイヤルカナン(ロイヤルカナン ジャポン)
「猫種別」「ライフステージ別」「お悩み別」など、高品質かつ豊富なラインナップが特長。選んだ飼い主さんからは、「獣医師のおすすめで選びましたが、ウチのコにはあっていました。体調もよいです。」などの声をいただきました。
【2位】ピュリナ ワン(ネスレ ピュリナ ペットケア)
ペット専門栄養士による栄養設計で、健康な体づくりに必要な栄養をバランスよく満たしたプレミアムフード。選んだ飼い主さんからは、「品質と価格のバランスがよいから」などの声が寄せられました。
【3位】モンプチ(ネスレ ピュリナ ペットケア)
まぐろやチキンなど猫がおいしく食べられる味を追求し、食感や味のバリエーションが豊富なモンプチ。
選んだ飼い主さんからは、「これを食べて前の猫が22年も長生きしたから」などの声をいただきました。
以下の記事では、4位以降のランキングやキャットフードに関するQ&Aを紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
猫に食餌を与えるときの注意点:魚や犬の食餌は与えていいの?
猫に人の食事はNG!魚は味付けしていないものを少量にとどめて
猫にとって人の食事は味が濃すぎるため、健康を害するおそれがあります。また、人の食べ物ほしさに思わぬ事故につながる可能性もあるため、与えないようにしましょう。なお、愛猫に魚を与えたい場合は、味付けをしていない刺身を半切れ程度に留めましょう。
猫に犬の餌は不向き
犬と猫は食性が異なる動物です。体のつくりや必要な栄養素も異なりますので、ドッグフードを猫の食餌として与えることはおすすめできません。
フードの切替は少しずつ
いきなり新しいフードに切り替えると、体調を崩すおそれがあります。フードを切り替える際は、今食べているフードに新しいフードを少しずつ混ぜ、1週間くらいかけて徐々に切り替えるようにしましょう。
生肉は与えないで
生肉は寄生虫感染や細菌感染のリスクがありますので、与えてはいけません。健康な猫であれば生魚を少量だけ与えることは問題ありませんが、生魚だけの食事ではビタミンやミネラル不足になりますので、あくまでおすそ分け程度にしましょう。
猫が食餌を食べない・残すときの対処法
少量のトッピングをする
猫缶やささみなどで少量のトッピングをすると、食いつきがよくなることがあります。ただし、療法食(処方食)を食べている場合はかかりつけの獣医師に確認してから行ってください。
温めて香りを強くする
ドライフードやウェットフードをレンジで数秒温めると、フードの香りが強くなるため、食いつきがよくなることがあります。温めたフードを与えるときは、愛猫がやけどをしないよう十分注意してください。
開けたてのフードは食べるけれど徐々に食べなくなる場合
開けたての新鮮なフードは香りがよく、油も酸化していないので、食いつきがよいようです。なるべく小袋を買う・小分けにして真空パックするなど、フードの鮮度を保つ工夫をしてみましょう。
愛猫の好きな香りをつける
療法食(処方食)を食べている場合などでトッピングが難しい場合は、香りづけも効果的。フードの袋に人用のだしパックを入れておくと香りがうつり、食いつきがよくなることがあります。
猫の食餌は、愛猫の年齢や体の状態に合った「総合栄養食」のキャットフードを、規則正しく与えることが大切です。また、急に食餌を食べなくなった場合は体の不調が潜んでいる可能性もありますので、まずは獣医師に相談してみましょう。
参考/「ねこのきもち」2017年5月号『愛猫の栄養学事典』
「ねこのきもち」別冊「まんぞくさんも大満足♡猫に与えてOK?NG?食べ物図鑑」
監修/ねこのきもち相談室獣医師
文/terasato
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。