愛猫の苦手、どうやったら克服できる?
飼い主さんとしては、愛猫のストレスになるような苦手なもの・ことはなるべく取り除いてあげたいですよね。でも、病院に連れて行く時に必ず入る「キャリーケース」、歯石予防の「歯磨き」などは、いくら愛猫が嫌がっても慣れさせなければいけないもの。
猫が苦手と思っているもの・ことを、好きにさせる方法はあるのでしょうか? 動物看護師・小野寺温先生の指導のもと挑戦した、飼い主のケンタくんと愛猫ミィの様子を絵日記風にご紹介しましょう。
苦手克服その1:キャリーケース編
病院やペットホテルに連れて行かれる時、必ず入らされるキャリーケース。そのため、猫は「キャリーケース=イヤなところに連れて行かれて、イヤなことをされる」と思っているでしょう。そのイヤな記憶をうれしい記憶にすり替える作業が、苦手克服のカギです。
ステップ1:キャリーケースに入ったらおやつ
まずは、キャリーケースをさりげなく置いておいたケンタくん。もともと、猫は狭くて身を隠せる場所が大好きですから、慣れてきたらキャリーケースに入ることも。そこを見計らって、大好きなおやつなどをあげてみました。何日か繰り返し続けてみます。
ステップ2:呼んでキャリーケースに入るよう促してみる
次に、ケンタくんはおやつを持って、キャリーケースのそばから愛猫を呼んでみました。もし寄って来てキャリーケースの中に入ったら、おやつをあげます。「キャリーケースに入る=良いことがある」と猫が覚えてくれるまで、何度もトライしてみましょう。
ステップ3:キャリーケースにフードを置いておく
最後は、キャリーケースの中にフードを置いてみます。そこで、抵抗なくフードを食べられるようになったら、苦手を克服できたといえるでしょう。ミィちゃんは、キャリーケースの中でスヤスヤ眠るほど慣れました。
愛猫がキャリーケースの中に入ったら、時々フタを閉めて、部屋の中を持ち運んでみましょう。病院やペットホテルへの移動の練習になりますよ。
苦手克服その2:歯磨き編
歯石除去や健康チェックのために、愛猫の歯磨きは大切なお手入れのひとつ。でも、口の中に異物を入れられるのは、どんな猫も嫌がりますよね。そこで、次の3ステップで、歯磨き克服に挑戦してみました。
ステップ1:愛猫の口元に指を当てる
愛猫がリラックスしているタイミングで、優しく声をかけながら口元に指を当ててみましょう。
ステップ2:唇をめくってみよう
口元に指を当てても嫌がらないようなら、猫の唇をめくってみましょう。それもクリアできたら、ガーゼを巻いた指を口の中へ。猫が違和感を感じないように、ガーゼにフードのニオイや味をしみ込ませておくといいでしょう。
ステップ3:歯ブラシを口の中へ
指を入れられるようになったら、いよいよ次は歯ブラシです。ステップ1、2の段階をふんでトライした編集室スタッフは無事、愛猫の歯磨きに成功したそうです。定期的に歯磨きを続けることで、猫もどんどん慣れていくでしょう。
今回のお試しチャレンジで、愛猫の苦手克服には「急がず・無理せず・少しずつ」がポイントだとわかりました。これらの克服ステップを知っておけば、健康管理やお手入れがグッとスムーズになりますね。
参考/「ねこのきもち」2016年8月号『猫のクオリティーオブライフを尊重するために知っておこう!』(監修:小野寺温先生(帝京科学大学助教。動物看護師))
イラスト/内田尚子
文/ヤマモト トモミ
※写真はアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」にご投稿いただいたものです。