飼い主さんのなかには、愛猫に噛まれたり引っかかれたりして思い悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
今回は、そんなお悩みを解決するために、猫が噛むときや引っかくときの理由やサイン、その予防策などについて解説します。ぜひ参考にしてみてくださいね。
猫はどんなときに噛んだり引っかいたりするの?
「ねこのきもち」が行ったアンケートでは、約9割の飼い主さんが「噛まれた!」「引っかかれた!」という経験があると答えています。なかには「病院にかかるほどのケガをした」という飼い主さんもいるようです。
そこで、まずはどのような場面で噛んだり引っかいたりするのかについて、特に多い4つをご紹介します。
お手入れしているとき
適度なお手入れは猫にとって必要不可欠ですが、それを苦手とする猫は多いので「噛む・引っかく」という攻撃を飼い主さんにしてしまうことがあります。
スキンシップしているとき
飼い主さんにとって愛猫とのスキンシップは癒しの時間です。しかし、猫の気分がのらないと、抱っこ中に突然暴れ出すことも。
おもちゃで遊んでいるとき
飼い主さんが持っているおもちゃに向かって、ジャンプしたり突進したり……。楽しく遊んでいるときにも猫の本能は刺激されています。興奮しすぎると、勢い余って飼い主さんをガブリと噛んでしまうこともあるでしょう。
思いがけない不意打ち
愛猫のそばを通りかかったときなど、思いがけず攻撃を受けることも。そのときの猫の気持ちは「狩りモード」だったのかもしれません。素早く動く飼い主さんを見て「獲物だ!」と認識し、噛んだり引っかいたりすることがあるようです。
「噛む・引っかく」理由は
それでは、猫はなぜ噛んだり引っかいたりするのでしょうか。猫の気持ちを読み解いてみましょう。
自由になりたいから
自由気ままな猫にとって、爪切りや歯磨き、ブラッシングなどのお手入れ中は、苦痛な拘束時間ともいえます。同じ態勢を強いられることに我慢ができず、また、お手入れ自体に警戒心を持ち、「何をされるか分からない」と感じることから、早く逃げ出したいのでしょう。
抱っこ中に突然暴れるのも、同じように拘束から逃れたいからかもしれません。無理な姿勢の抱っこや不安定な抱っこだと、猫は身の危険を感じて逃げようとします。また、かまわれたくないタイミングでスキンシップをされると、不快感から攻撃することも。
本能が刺激されたから
猫にとって遊ぶことは、狩りをしているのと同じこと。本能が刺激されて野生の血が騒ぎだすと、興奮しすぎて飼い主さんがターゲットになることがあるようです。また、飼い主さんの素早い動きを見て狩りモードのスイッチが入り、ネズミを捕まえるように攻撃してしまうこともあります。
「噛む・引っかく」前のサイン
猫が恐怖を感じたり緊張したりすると、力が入って体がこわばります。耳が外向きになったら攻撃前のサインです。また、抱っこしているときに身をよじらせたり足を突っ張ったりしたら、「逃げたい」という心理が働いているのかもしれません。無理に抱っこを続けると、拘束から逃れようと噛んだり引っかいたりして逃げようとします。
「噛む・引っかく」の予防策
猫が噛んだり引っかいたりするのは、恐怖や不安といった気持ちからくることが多いようです。そのため、例えばお手入れのケースは2人で協力して短時間で終わらせたり、抱っこを嫌がるケースは猫が安心できるような四肢と下半身を安定させる抱き方をしたりといったように、猫が不快に思わないような工夫をするとよいでしょう。
また、遊び中に噛んだり引っかいたりするときは興奮しすぎている証拠です。鼻息が荒くなり周りが見えなくなっているようなら、遊びを一時中断してヒートダウンさせてください。その際は、猫の呼吸が整うまでおもちゃは隠しておきましょう。
猫が噛んだり引っかいたりするのには理由があります。ふだんから愛猫の様子をよく観察し、嫌がるサインを見せたらすぐにやめてあげましょう。飼い主さんの工夫や気遣いで、困りごとを解消することができるかもしれませんよ!
参考/「ねこのきもち」2017年3月号『シーン別にサインと予防策を紹介!噛む・引っかく される前にできること』(監修:もみの木動物病院 副院長 村田香織先生)
文/HONTAKA
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
※アンケート/「ねこのきもち」2017年3月号『愛猫に噛まれたり引っかかれたりしてケガをした経験がありますか?』より