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ウエットタイプのキャットフードの特徴と選び方

キャットフードのタイプには、主にドライタイプとウエットタイプがあります。どちらを与えるか悩んでいる方もいるでしょう。ウエットタイプのキャットフードを与えるメリットとデメリット、選び方や与え方、食べ残したフードの保存方法などを解説します。

徳本 一義 先生

 獣医師
 有限会社ハーモニー代表取締役
 日本ペット栄養学会理事
 ペットフード協会新資格検定制度実行委員会委員長
 日本獣医生命科学大学非常勤講師
 帝京科学大学非常勤講師
 など

●資格:獣医師 経営学修士(MBA)

●所属:日本ペット栄養学会

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ウエットフードのメリット

水分量が多いから水分補給ができる
現在の飼い猫はリビアヤマネコの⼦孫と考えられていますが、野⽣の頃の猫は砂漠で⽣活をしてきたため、⽔分補給がままなりませんでした。そのため猫は、水の少ない環境に順応して、のどの渇きに鈍感になり、⽔分をあまり必要としません。
しかし、体の中に⽔分が⾜りなくなると、便秘を引き起こすだけではなく、各器官に不調をきたすおそれも。猫は体内の15%以上の⽔分を失うと死亡してしまいます。積極的に⽔分補給をさせたいところですが、なかなか⽔を飲んでくれないこともあります。
そのようなときは、フードをウエットタイプに替えてみるのも良いでしょう。ペットフード協会が定めた規定の中に「⽔分含有量が75%程度のものはウエットフードと分類」という定義があります。つまりウエットフードは「⾷事のたびに⽔分摂取もできるフード」といえます。⽔⽫から⽔を飲まない猫に⽔分補給させるのにウエットフードは適しているのです。

⾹りを感じやすいから⾷いつきが良い
ウエットフードを食欲がない猫に試してみるのもおすすめです。さらに、少し温めると香りが強く出るので、食いつきがよくなることもあります。また、ウエットフードは歯が弱ってドライフードをうまく食べられないシニア猫にもおすすめです。ニオイで食欲を増進させるうえ、ドライフードより食べやすい形状なので栄養摂取させやすいのもメリットです。

味・タイプの種類が多い
ペットフードの売り場へ⾏くと、ウエットフードにはたくさんの種類があることが分かります。フレークやムース、ペースト、スープなど、いろいろな形状のものがあり、味も⾁や⿂、野菜など豊富に揃っています。愛猫の好みに合わせて選ぶことができます。
ただし、後でも説明しますが、猫はタンパク質含有量の少ないフードはすぐに食べ飽きてしまうことが多いため、味だけでなく栄養バランスにも注目してフードを選んであげましょう。

カロリーが抑えられる
ウエットフードはドライフードに比べてカロリーあたりの食事量が多くて満足感につながりやすいので、ダイエットに向く可能性があります。食べることが大好きな猫も、摂取カロリーを抑えることができるでしょう。

ウエットフードのデメリット

開封すると長期間の保存ができない
ウエットフードは水分含有量が多いため、ドライタイプのものと比べると開封後の保存期間が短いです。そのため、開封後はなるべくその日のうちに与え切ってください。残してしまう場合には、数日間の冷蔵保存にしてください。
冷凍も可能ですが、嗜好性が落ちてしまう可能性があります。いずれにしても、猫は冷たい食事は好みませんので、人肌くらいまで温めて与えましょう。

ドライフードよりも価格が高い
長期の保存ができないウエットフードは、使い切りやすいように少量での販売になっています。そのため、1袋の容量が多いドライフードより割高になることがあります。

ドライフードよりも歯石が付きやすい?
やわらかい形状のウエットフードは⻭に付きやすく、厳密にいえば歯垢や歯石がつきやすいと言えますが、その差は体感できる程ではありません。どちらを使うにせよ、口腔内のホームケアをするとよいでしょう。

ドライフードを食べない可能性が
幼猫期に好みが固定された猫の場合、新しいものを受け入れにくくなります。そのため、ウエットに慣れている猫はドライフードを食べない可能性もあります。今後のことを考えて与えるフードを選んでください。

ウエットフードの選び方と与え方

主食には「総合栄養食」を選ぶ
「総合栄養食」が多いドライフードとは異なり、ウエットフードは「一般食」や「副食」、「栄養補完食」となっているものが多い傾向にあります。「総合栄養食」とは「それと水だけを与えておけば猫が1日に必要とする栄養を補える」もの。「一般食」は、おやつやご褒美として少量を与えるもの。「栄養補完食」は、特定の栄養の調整やカロリーの補給を目的としたものです。
⼈で例えるなら「総合栄養⾷」は定⾷、「一般⾷」はトッピングやふりかけ、「栄養補完⾷」はサプリメントと考えるとイメージしやすいでしょう。栄養⾯で⼤きな違いがあるため、⾷事として与える場合は「総合栄養⾷」と表⽰されているものを選んでください。「総合栄養食と一緒に与えてください」などと表示されているものは、「一般食」「副食」であることが多いので、表示をよく確認しましょう。

愛猫の健康状態に合ったものを選ぼう
ウエットフードも種類が豊富なので、猫の年齢や体型、健康状態などによって選ぶことができます。離乳したばかりの子猫用や歯の弱ったシニア猫でも食べやすいもの、アレルギー気味の猫や肥満が気になる猫用などがあるので、かかりつけの獣医師に相談しながら決めましょう。

さらに食いつきをよくする工夫は・・・
病後などで食欲がないときは、ウエットフードを少し温めてあげると、ニオイにつられて食いつきが良くなることも。しかし、40度を超えると嗜好性が落ちますので温めすぎはNGです。また、熱すぎるとやけどのおそれもあるので、人肌程度にレンジや湯せんで温めてください。レンジを使うと部分的に熱くなることがあります。よく混ぜて与えください。

猫が⾷べ飽きてしまう場合、栄養バランスが悪いことも考えられます。猫は素材や味よりも栄養バランスを優先して⾷べるという研究結果もあるのです。⾷べ飽きが多い場合、タンパク質の含有量が少ないことが原因のこともありますので、キャットフードを⾒直してみることも検討してみてください。

食べ残したウエットフードの保存法

2~3日までなら冷蔵庫で保存
ウエットフードのパックは、一度の食事には多い場合もあります。残ってしまったフードを当日、もしくは2~3日以内に与える場合は、室温で放置せずに冷蔵庫で保存してください。

2、3日以上なら冷凍庫で保存
当日中には食べ切らないと思ったら、冷凍する方法もあります。しかし、解凍するときに味やニオイが低下することが。「昨日と味が違うな」「美味しそうなニオイが弱いな」と思ったら、猫の食いつきが落ちることもあります。2、3日以内に使い切りましょう。

腐敗・劣化したウエットフードを食べてしまうと・・・
腐敗や劣化の程度にもよりますが、下痢や嘔吐が引き起こされることがあります。取り扱いには十分に注意しましょう。

開封後のウエットフードの保存については、基本的には⼈が⾷べる⽣⾁と同じ扱いで考えてもらうといいかもしれません。2〜3⽇は冷蔵庫で保存、その後は冷凍にするといいでしょう。
監修/徳本一義先生(有限会社ハーモニー代表取締役)
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