メス猫の飼い主さんであれば、避妊手術について一度は考えたことがあるのではないでしょうか。避妊手術には、生殖機能をなくす以外にもいくつかメリットがあるのです。今回は、メス猫の避妊手術のメリットをはじめ、手術の流れなどを解説します。
避妊手術のメリットは大きく分けて3つ!
(1)望まない妊娠を避けることができる
避妊手術をすることで、望まない妊娠を避けることができます。子どもを産む予定がない場合は、避妊手術を検討する必要があるでしょう。
(2)病気の予防になる
避妊手術で予防できるのは、主に子宮や卵巣など、手術のときに直接切除する部分の病気です。
避妊手術をしていない猫は、乳腺腫瘍や卵胞嚢腫(らんぽうのうしゅ)、子宮内膜症、子宮蓄膿症などの発症率が高い傾向にあり、避妊手術をすることで、これらの病気の予防につながるといわれています。
(3)発情期のストレスから解放してあげられる
避妊手術をして発情しないようにすることで、交尾ができないストレスから猫を守るだけでなく、発情期に大声で鳴くなどの猫の本能的行動も抑制できます。
猫だけでなく、飼い主さんにもメリットになりますね。
避妊手術に適した時期は?
メス猫が避妊手術を受ける最適な時期は5カ月ごろ。オス猫と比べると少し早いのですが、発情が始まる前に手術をすることで、病気の予防につながります。
ただし、個体差があるので、体重が2kg前後というのを判断基準のひとつとしてもいいでしょう。
また、長毛種と短毛種の猫では、短毛種のほうが発情時期が早い傾向にあるようです。
避妊手術の流れを把握しておこう
事前検査を受ける
主な検査内容は血液検査とレントゲン撮影で、血液検査では臓器機能の異常やウイルス感染、先天的な持病の有無を調べます。レントゲン撮影では、内臓の位置や形と大きさ、骨格に問題がないかなどを確認します。
前日の夜から絶食・絶水する
全身麻酔を伴う手術なので、胃の内容物を手術中に嘔吐してしまうのを防ぐ必要があります。そのため、前日の夜から絶食・絶水をします。ただし夏場は、数時間前までなら水は摂取しても大丈夫。病院により指示が異なることもあるので、動物病院に確認しておきましょう。
メス猫の場合、一般的には開腹手術
開腹手術のため、お腹の毛を剃ります。最近は麻酔薬だけでなく、血圧を調整する薬や痛みをなくす薬などを使うことで全体の投薬量を減らすバランス麻酔や、抜糸を必要としない溶ける糸などを使用する病院も増えているようです。
開腹手術のほかには、お腹の3カ所に3~5mmほどの小さい切開をして、そこから内視鏡や手術器具を入れる、腹腔鏡手術という方法もあります。
メス猫は1日~数日入院することが多い
メス猫の場合はオス猫よりも手術の負担が大きいため、1日~数日ほど入院するケースが多いようです。入院するかどうかは動物病院によっても異なりますが、入院する場合は、麻酔から覚めたあとの様子や体に異常がないかなどを病院で確認します。
抜糸、その後の様子をチェック
メス猫の場合、抜糸は7日~10日以降に行います。まだ患部が腫れていることもあるでしょう。抜糸後とくに痛がるなどの様子がなければ問題ありません。
避妊手術は、全身麻酔というデメリットもありますが、手術をすることで病気を予防したり、発情のストレスを避けたりできるのは大きなメリットになるのではないでしょうか。子供を産む予定がないのであれば、猫の健康を守るためにも、検討する必要があるのかもしれませんね。
参考/「ねこのきもち」WEB MAGAZINE『【獣医師監修】メス猫の避妊手術はなぜ必要?方法や費用について』(監修:ねこのきもち相談室獣医師)
文/ishikawa_A
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。