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【獣医師監修】メス猫の避妊手術はなぜ必要?方法や費用について

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猫の避妊手術が必要なのは、望まない妊娠を防ぐためだけではありません。病気から猫を守ったり、発情期のストレスから解放することも大きな要因です。手術の流れや受けるべき時期、開腹手術と腹腔鏡手術の違いと、その費用など詳しく解説していきます。

メス猫の避妊手術はなぜ必要?メリットを解説

長毛のメス猫
ねこのきもち投稿写真ギャラリー

健康的なメス猫にメスを入れることになる避妊手術ですが、以前よりも病気予防としての認知もされはじめました。病気の予防だけでなく、避妊手術がメリットとなる理由は大きく分けて3つあります。

メリット その①

まず1つめに、避妊手術をするそもそもの目的である「望まない妊娠」を避けられること。

メリット その②

2つめのメリットとして、病気の予防があげられます。避妊手術で予防できるのは主に子宮や卵巣など、手術で直接切除する部位の疾患があります。猫の場合はその多くが乳腺腫瘍という悪性腫瘍(乳がん)。この他にも卵巣が肥大して起こる卵胞嚢腫(らんぽうのうしゅ)や、子宮内膜症、子宮に膿がたまる子宮蓄膿症など避妊手術によって防げる病気は数多くあります。いずれも避妊手術をしていない猫の発症率が非常に高いことから、避妊手術により予防につながるとされています。

メリット その③

3つめのメリットは、猫を発情期のストレスから解放できることです。避妊手術を施し発情しないようにすることで、交尾ができないストレスから猫を守ることができます。また発情期に伴う大声で鳴くなどの本能的行動も抑制することができるため、猫だけでなく飼い主さんのメリットにもなります。

全身麻酔というデメリットもある

寝ているサビ猫
ねこのきもち投稿写真ギャラリー

猫などの動物の場合は人間と違い局所麻酔が使えないので、全身麻酔が必要になります。また、手術の際に使用する麻酔にアレルギー反応が出ることも。しかし現在は麻酔が改善されて安全性が高いため、避妊手術時の麻酔での死亡は非常にまれです。
そのほかのデメリットとしては、ホルモンバランスの変化による体重の増加があげられます。避妊手術後は特にしっかりと愛猫の体重を管理しましょう。

避妊手術に適した時期は5カ月ごろ

寝ているキジトラのメス猫
ねこのきもち投稿写真ギャラリー

メスの猫が避妊手術を受ける最適な時期は、オスの猫と比べると少しはやい5カ月ごろが目安となります。これは発情が始まる前に手術をすませることが病気の予防につながるためです。ちなみに、個体差があるので体重が2kg前後というのも判断基準のひとつとなります。また、長毛種と短毛種では短毛種のほうが発情時期がはやい傾向にあるようです。

ねこのきもち WEB MAGAZINE「【獣医師が教える】メス猫の発情期とは?~生理と出血した場合の対処法」

猫の避妊手術方法と当日の流れ

術後服を着たスコティッシュフォールド
ねこのきもち投稿写真ギャラリー

事前検査

人の手術前にも行なわれる術前検査のこと。主な検査内容は、血液検査とレントゲン撮影です。血液検査では臓器機能の異常やウイルス感染、先天的な持病がないかを調べます。レントゲン撮影では内臓の位置や形と大きさ、骨格に問題がないかなどを確認します。血液検査とレントゲン撮影の結果を考慮し、手術に耐えうるか総合的に判断しますが、検査結果次第では手術ができなくなるケースもあります。万が一を考え、事前の検査はしっかりと受けることが大切です。

前夜から絶食・絶水

全身麻酔を伴う手術のため、前日の夜から絶食・絶水をします。これは、胃の内容物を手術中に嘔吐してしまうのを防ぐためです。ただし、気温が高い夏場に手術を行なう場合は、手術の数時間前までなら水は摂取してもかまいません。
絶食・絶水の期間については短いほうが望ましいものですが、病院により指示が異なるためかかりつけの病院に確認をしましょう。

手術当日

メスの猫はオスと違い開腹手術となるので、お腹の毛を剃ることになります。最近は麻酔薬だけでなく、血圧を調整する薬や痛みをなくす薬など、さまざまな角度からアプローチをすることで全体の投薬量を減らすバランス麻酔や、抜糸を必要としない溶ける糸を使用する動物病院も増えています。

入院

入院するかどうかは動物病院によって異なりますが、メス猫の場合はオス猫よりも手術での負担が大きいため、1日〜数日ほど入院する場合が多いでしょう。入院の場合は、麻酔から覚めたあとに病院で様子を見ながら体に異常がないかを確認します。

抜糸・経過観察

メスの場合、抜糸は7日〜10日以降に行ないます。この時点ではまだ患部が腫れていることもありますが、抜糸後も特に痛がるなどの異常がなければ問題ありません。

費用は手術方法によって変わる

三毛猫の避妊手術
ねこのきもち投稿写真ギャラリー

避妊手術は手術方法や卵巣切除、卵巣および子宮切除など取り除く臓器によっても費用が変わってきます。子宮も一緒に取り除くメリットは、子宮が関係する病気を予防できる点です。費用は卵巣切除<卵巣・子宮切除、開腹手術<腹腔鏡手術の順で上がっていきます。開腹手術と腹腔鏡手術では猫に残る傷跡も違ってきます。

開腹手術

一般的に行なわれているのがこの開腹手術です。メス猫の下腹部を3cmほど切開し、卵巣や子宮を取り除きます。縫合まで約1時間ほどの手術となります。費用は病院によって異なり、大体15,000円〜30,000円ほど。

腹腔鏡手術

開腹手術とは違い、お腹の3カ所に3〜5mmほどの小さい切開をして、そこから内視鏡や手術器具を入れることで手術をする方法です。臓器への負担が小さく痛みも少ないのが特徴です。費用は病院ごとに違いますが、開腹手術よりも高くなることが多いでしょう。

飼い主さんであれば、避妊や去勢の手術が正しいものなのか一度は考えたことがあるのではないでしょうか。しかし、生殖機能をなくす以外にも避妊手術が必要な理由はあるのです。もし子どもを産む予定がないのであれば「愛猫の健康を守る」という考えのもと、避妊手術について検討する必要があるでしょう。

参考/「ねこのきもち」17年5月号『術後の“?”もスッキリ!去勢・避妊手術のすべて』(監修:Pet Clinic アニホス院長 弓削田直子先生)
   「ねこのきもち」WEB MAGAZINE『【獣医師が教える】メス猫の発情期とは?~生理と出血した場合の対処法』(監修:かんもん動物病院獣医師 八木田智洋先生)
監修/ねこのきもち相談室獣医師
イラスト/石山綾子
文/takemori.m
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。

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