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"おひとり猫"は寂しくない!? 1匹飼いのメリット・デメリットとは

「猫は1匹でも寂しくないの?」……1匹飼いの飼い主さんの中には、このような疑問を抱いている方が多いようです。しかし、動物行動や動物と人との関係学にくわしい加隈良枝先生によると、猫にとっては1匹で行動するのが自然なことなのだそう!

この記事では、飼い主さんが気になる"おひとり猫"に関するアレコレについて見ていきます。

"おひとり猫"は「寂しい」とは感じていない!?

飼い主さんが気になる"おひとり猫"に関するアレコレ
イラスト/山村真世
「"寂しい"というのは、人の感情を表す言葉。動物の場合は"不安になる"という表現が適当だと思いますが、猫は、1匹で飼われているからといって"不安になる"ことはないでしょう。

野生で暮らす猫は、生後5〜6カ月になると徐々に母猫やきょうだい猫から離れて、基本的には1匹で行動するようになります。ほかの猫が近くにいてもいいけれど、1匹だけでも不都合はないのです」(加隈先生)

ただし、「複数飼い→1匹」になると不安になることも…

飼い主さんが気になる"おひとり猫"に関するアレコレ
イラスト/山村真世
ただし長い間、複数の猫と一緒に暮らしてきた猫が急に1匹飼いになると、不安になる可能性があります。1匹だからというより、「いつもと違う」ことで不安を感じてしまうのです。

ほかにもある! "おひとり猫"にまつわる疑問3つ

カメラ目線のキジトラ
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
"おひとり猫"にまつわる疑問は、「猫は1匹でも寂しくないの?」以外にもまだあるようです! 飼い主さんが疑問を抱きがちな3つの事柄についても見ていきましょう。

①1匹でいても猫の習性は身につくの?

飼い主さんが気になる"おひとり猫"に関するアレコレ
イラスト/山村真世
生活していくのに最低限必要な、食事や排泄にまつわる行動や毛づくろいなどの習性は、どの猫にも生まれつき備わっています。たとえば、狩りなどのほかの猫から学んで上達する習性もありますが、ふだんの生活で困ることはないでしょう。

②猫同士のコミュニケーションは必要ないの?

飼い主さんが気になる"おひとり猫"に関するアレコレ
イラスト/山村真世
猫は、基本的には1匹で行動する動物なので、猫同士のコミュニケーションを必要とはしません。もし、同じスペースに複数の猫がいたらコミュニケーションをとりますが、1匹だけなら自分のペースで過ごすのみです。

③遊び相手が人だけだと、物足りなくないの?

飼い主さんが気になる"おひとり猫"に関するアレコレ
イラスト/山村真世
たしかに、運動や刺激が不足しがちですが、遊び相手が人だから物足りないということはありません。遊び方を工夫し、意識的に遊ぶ機会を多くつくってあげれば問題ないでしょう。

"おひとり猫"ならではのメリット3つ

ヘソ天する茶トラ
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
1匹飼いしか経験をしていないと、"おひとり猫"のメリットはなかなか気づきにくいものですよね。そこで、おもなメリット3つを紹介します!

①猫が気楽に過ごせる!

飼い主さんが気になる"おひとり猫"に関するアレコレ
イラスト/山村真世
猫にとって「同じスペース内にいるほかの猫」は、ある程度の緊張感をもたらす存在です。それでも相性がよければ、一緒に遊んだり寝たりと、仲良く過ごせます。しかし、相性が悪いと大きなストレスの原因に…。

その点、"おひとり猫"はとても気楽で、ほかの猫による緊張感にさらされることなく、自分のペースで過ごせるのです。

②飼い主さんとの関係性が親密になりやすい!

飼い主さんが気になる"おひとり猫"に関するアレコレ
イラスト/山村真世
"おひとり猫"は、飼い主さんとの関係が親密になりがちです。猫の性格にもよりますが、甘えたり抱っこされるなど、飼い主さんとかかわる機会が多い傾向が♪

③健康管理がしやすい!

"おひとり猫"は、血尿や吐いた物などがあった際に「どの猫のものかわからない」と困ることがありません。また、お世話や観察が行き届き、異変に気づきやすいです。さらに、療法食や薬を与えやすいというメリットもあります。

"おひとり猫"ならではのデメリット5つ

自分の肉球を吸う猫
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
メリットもありますが、"おひとり猫"にデメリットがあるのも事実。おもなデメリット5つと対策法について、次でご紹介します!

①刺激が少なく、猫が退屈する

飼い主さんが気になる"おひとり猫"に関するアレコレ
イラスト/山村真世
とくに留守番の時間が長い場合など、あまりにも何も刺激がない状態が続くと、さすがに退屈してストレスを感じることも…。やることがないあまり、体をかじったりする猫も!

【対策】意識的に遊びを工夫。外出時は刺激を与える「何か」を用意して!

飼い主さんが家にいるときは、1日に1〜2回は遊びに誘うことを心がけ、遊びがマンネリ化しないように工夫をしましょう。

外出時は猫が好きなフードをどこかに隠しておき、猫に見つけさせる仕掛けがオススメです。テレビは小さな音でつけっぱなしにしておくのも、適度な刺激に。

②人がかまい過ぎて猫がストレスを感じる

飼い主さんが気になる"おひとり猫"に関するアレコレ
イラスト/山村真世
猫が1匹だと、飼い主さんの愛情も1匹に集中してしまい、ついかまい過ぎてしまうことも…。「イヤだ!」と感じても、性格的に逃げたり怒ったりできない猫では、問題行動に発展することもあります。

【対策】猫のしぐさを見て「イヤだ!」のサインに気づいてあげて!

のんびりと休んでいる猫を、家族が代わる代わる抱っこしたり、来客に見せたりすることは控えてあげましょう。

また、抱っこをしたりなでたりしているときに、猫が耳を伏せたり、しっぽを力強く振っていたら「イヤだ!」のサインです。かまうのをやめて、自由にさせてあげましょう。

③遊びが足りず、猫が運動不足に

飼い主さんが気になる"おひとり猫"に関するアレコレ
イラスト/山村真世
猫同士で追いかけっこをする機会がないので、人が意識して働きかけないと運動不足になってしまいます。猫も筋力を保ち、健康を維持するために、適度な運動が不可欠です。

【対策】"楽しい場所"を用意して、猫が動くよう工夫を!

猫タワーや猫ウォークを設置したり、高低差のある家具の配置を工夫して、猫が「楽しい」「行きたい」と感じる場所を用意してあげましょう。また、狩りに近い遊び方を工夫し、猫のハンター魂をくすぐってあげて!

④ついフードやおやつを与え、猫が肥満に

飼い主さんが気になる"おひとり猫"に関するアレコレ
イラスト/山村真世
飼い主さんとの関係が親密なぶん、猫のおねだりも積極的。かわいいからとフードやおやつを次々に与えていると、猫が肥満になり、病気のリスクが高まってしまいます。

【対策】おねだりに応えてもいいけれど、上限を意識して!

猫を肥満にさせないよう、心を鬼にしてフードやおやつの量を管理しましょう。猫のおねだりに応えたい場合は、1日に与える分のフードやおやつをあらかじめ容器に取り分けておいて、その中から与えるように!

⑤飼い主さんと密着しすぎて、猫が分離不安に

飼い主さんが気になる"おひとり猫"に関するアレコレ
イラスト/山村真世
飼い主さんとの関係が親密になるあまり、まれに猫が分離不安になることも…。分離不安になると、飼い主さんの姿が見えないだけで極度の不安に陥り、吐いたり排泄を失敗することもあります。

【対策】飼い主さんと離れていても安心できるよう、少しずつ練習して!

猫が飼い主さんに依存し過ぎている様子なら、あえて別の部屋で過ごす、短時間の外出をするなど、距離を置く練習をしましょう。その際、飼い主さんの衣服を置いておくなど、猫が安心できる環境を用意してあげて!

すでに分離不安の症状が見られる場合は、早めに動物行動学の専門家に相談してみましょう。

甘えるマンチカン
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
"おひとり猫"のメリット・デメリットなどを理解したうえで、お世話などを工夫すれば、猫は1匹でも充分幸せに暮らすことができます。

もし、「いつか2匹目を迎えたいな」と考えている飼い主さんは、ぜひ下記の記事も参考にしながら、迎え入れるかどうか検討してみてくださいね!

猫の気持ち…ちゃんと知ってる? 2匹目を迎えるときの飼い主さんの「勘違い」

参考/「ねこのきもち」2015年7月号『「ぼっち」でも意外とハッピー! おひとり猫マニュアル』
(監修:帝京科学大学生命環境学部アニマルサイエンス学科准教授 加隈良枝先生)
※一部の写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と一部写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
イラスト/山村真世
文/雨宮カイ
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