猫が発症する病気の中には、完治が難しく、再発の可能性があるものもあります。「猫カゼ」は、そんな再発する恐れがある病気の一つ。どんな症状があり、どのように病気と向き合っていけばいいのか、その予防法も含めて解説します。
猫カゼという病気と症状
「猫ウイルス性鼻気管炎」と「猫カリシウイルス感染症」を総称して、猫カゼと呼びます。猫カゼはウイルス感染することにより発症する病気で、人の風邪と同じように咳や鼻水、くしゃみなどの症状があらわれます。成猫なら数日程度で症状が回復しますが、子猫の場合は重症化することも。
猫ウイルス性鼻気管炎は一度かかると再発しやすい特徴があるため、猫カゼは長く付き合っていかなければならない病気ともいえます。
猫カゼとの向き合い方
猫カゼの中でも、猫ウイルス性鼻気管炎を引き起こす「猫ヘルペスウイルス」は、症状が回復した後も体内から消えずに潜んでいます。そして猫の免疫力が低下すると再び増殖し、猫カゼの症状を引き起こすのです。
そのため一度猫ヘルペスウイルスに感染した猫は、免疫力が落ちないよう普段から注意して生活する必要があります。部屋の温度を温かくしたり、ストレスがかかり過ぎたりしないように配慮して、猫の体調を気遣っていかなければなりません。
愛猫が猫ウイルス性鼻気管炎を発症したご家庭の体験談
岡山県在住のTさん宅にいる愛猫(オス・取材当時2才)は、子猫の頃に猫カゼにかかりました。「ねこのきもち」2017年4月号の特集で取材した当時、ご家族はこのように語っています。
「生後7カ月頃に迎えたとき、くしゃみと鼻水がひどい状態でした。すぐに受診し、注射と投薬で症状は改善。再び症状が出ることのないよう、家の中に自由に暖をとれる秘密基地を数カ所用意して、体を冷やさないようにしています。」
Tさん宅の愛猫は、お気に入りの秘密基地に入ってのんびりと過ごしているそうですが、体が冷えないよう、ご家族は常に気遣っています。
猫カゼに予防法はあるのでしょうか?
猫をウイルス感染から完全に防ぐことは難しいですが、定期的に混合ワクチンを接種することで予防(症状を軽減)させることはできます。たとえ室内で飼っている猫であっても、飼い主さんが外から持ち込んでウイルス感染する可能性もあるので、予防は必要です。
飼育環境に関わらず、どの猫も定期的にワクチン接種することをおすすめします。
猫カゼは、人の風邪と似た症状がでるため軽い病気と勘違いしてしまいがちですが、ウイルスが体内に潜伏してしまうので猫にとっては厄介な病気です。
猫はつらくても自ら言葉で伝えられないので、飼い主さんが早めに気付いてあげることがとても重要になります。少しでも猫カゼのような症状があらわれたら、早めに獣医師さんへ相談しましょう。
参考/「ねこのきもち」2017年4月号『治りにくいからこそ予防と早期発見が大事です!一度かかると長いお付き合いになる病気』(監修:ACプラザ苅谷動物病院葛西橋通り病院院長 榎本拓也先生)
文/こさきはな
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