猫と暮らす
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愛猫とのお別れを意識したとき、飼い主さんが考えておきたいこと7つ
残された時間をどのように過ごすか、最終的な看取りをどのようなかたちで迎えるか、とても辛いけれど飼い主さんは考えておく必要があるかもしれませんね。
愛猫の死を意識してからの日々について、飼い主さんから雑誌「ねこのきもち」に寄せられたエピソードをまずはご紹介。
獣医師・動物病院専任カウンセラーの宮下ひろこ先生に、愛猫とのお別れを意識したとき、飼い主さんがやっておきたいことも教えてもらいました。
病気が悪化してからも少しでも長生きしてほしい一心で通院を続けた
11才の頃、甲状腺機能亢進症と関節炎を発症した愛猫。定期的に動物病院へ通いながら、自宅で投薬もしましたが、原因不明の腹水がたまるなど、徐々に体調は悪くなっていきました。
最期の1カ月、外に出たことのない愛猫が、なぜか外に出たがるように。弱った体で玄関へ行き、鳴いて訴える姿を見るといたたまれず、晴れた日は玄関先まで一緒に出て見守りました。日光に当たると、そのときだけはしんどそうな体が少し楽になるようで……。気持ちよさそうに太陽に向かって座る姿が、今でも目に焼き付いています。
獣医さんの話からお別れが近いと悟り、最期の1週間はできるだけ離れず過ごしました。愛猫が寝ている場所に布団を運び、家族一緒に就寝。そのおかげで、苦しまずに眠っているように息を引き取る姿を見届けられました。
最期を振り返ると、身体的な苦しみを取り除きたい、一日でも長く生きてほしい一心で通院を続けていたと思います。しかし、亡くなる直前まで苦手な場所へ連れて行かれて辛かったのでは、という思いも。「今度は最期まで大好きな家で過ごさせるから、また生まれ変わってウチにおいで」と伝えたいです。
老衰でもできる限りのことをしようと夫婦で決めた
26年前にノラ猫だった、ぴーすけをわが家に迎え、長い共同生活が始まりました。
3年前から徐々に体力が落ち、痩せてきた愛猫。心配になってかかりつけの獣医さんに診てもらうと老衰とのこと。一緒に過ごせる時間は短いから、大切な家族として最期まで手を尽くし、かわいがっていこうと夫婦で話し合いました。
終末期は、すでに定年退職していた夫が活躍。毎日、動物病院へ連れて行き、点滴などの処置を受けさせました。自宅では私がスポイトで流動食を与えたり、オムツを取り替えたり。また、居間にベッドをしつらえて見守りました。
最期の日、仕事で県外にいた私は、夫からの「危ない」というメールで大急ぎで動物病院へ。でも、愛猫はすでに冷たくなっていて……。切なかったですが、獣医さんから「ぴーすけくんは天寿を全うしました。幸せでしたよ」と声をかけていただき救われました。
それから2年、ぴーすけのあとを追うように夫も天に召されました。一人で心細いこともありますが、現在の愛猫2匹を最期まで大切にし、看取ることは私の大切な務めだと感じています。
終末期にしたいこと
①延命か自然に任せるかを考える
②自宅で看取れる状態か確認する
③治療費など経済的な問題を考慮する
④密度の濃い時間を共有する
⑤最期の数日間は暖かい寝床の用意を
⑥前向きな気持ちでお世話をする
⑦役割分担など家族で話し合う
いつかなるかも…ペットロスのこと
悲しみを分かち合える人に話す
写真の整理などをして幸せな時期を思い出す
月命日に愛猫の好物だったものをお供えする
いつかは訪れるサヨナラのために…
※この記事で使用している画像は「ねこのきもち」2020年2月号『いつかは訪れるサヨナラのために。大好きなあのコと過ごした最期の日々』に掲載されているものです。
文/SAY
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