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猫にネギは絶対に与えてはダメ!知っておきたい万が一の処置も解説

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絶対に口にしてはいけない食べ物のことを禁忌食と言いますが、猫にとっての禁忌食のひとつがネギになります。ネギは、辛味成分が強く、臭いも強いため本来猫が好んで口にする食べ物ではありませんが、人間が食べる料理に混ざっていた場合など、好物の臭いに消されて食べてしまうことも考えられます。

今回は、猫に絶対に与えてはいけない食材であるネギについて、成分や症状、万が一食べてしまったときの対処法などを分かりやすく説明します。


監修/獣医師 ペット栄養管理士 佐野忠士先生(酪農学園大学 准教授 )

ネギの栄養素

刻んだタマネギます。
amnachphoto/gettyimages

以前はユリの仲間に分類されていたネギですが、現在ではヒガンバナ科に属するネギ属として新しく分類し直されています。猫が嫌がるネギ独特のツンとした刺激臭は硫化アリルによるものです。人間の場合は、この辛味や香りが古くから薬味として重宝されており、世界中で生産・消費されている野菜です。

東京の深谷ネギ、京都の九条ネギなど全国に多数のブランドが存在しますが、全国の生産量の半分は関東で作られています。一般にネギというと球根の小さい長ネギを指し、球根部分が大きく成長するものを玉ねぎといって区別します。ただし、どちらのネギにも猫にとっては禁忌食であることに違いはないので間違っても与えることがないように注意してください。

ネギの栄養成分

古くは関東では白ネギ、関西では青ネギが主に食されていました。白ネギはネギに土をかぶせることで日光を遮断し、もやしやえのきのように白い部分を多くしたもので、青ネギは土をかぶせず、日光に十分与えて栽培したものを指します。したがって、白ネギは淡色野菜、青ネギは緑黄色野菜に分類され、含まれる栄養素も微妙に変わってくるのです。

白ネギは、青ネギよりも多くの硫化アリルを含んでいるため辛味成分も強く、香りも強烈です。硫化アリルは体内でアリシンへと変わるのですが、アリシンには血液サラサラ効果や疲労回復、食中毒の予防など多くの健康増進効果があることが分かっています。ある、研究によればアリシンにはがんを予防する効果もあるなど大きな注目を集めているのです。

一方の青ネギは、緑黄色野菜ということもありβカロテンやビタミンCといったネギ本来が持つ栄養素が白ネギよりも格段に多くなっています。また、ネギの青い部分を切るとヌルヌルとして成分が出てきますが、この粘液には免疫細胞を活性化する効果が確認されていることから、風邪やインフルエンザの予防に効果があるとされています。

一見すると猫にとってもぜひ与えてあげたいような効果がズラリと並んでいるのですが、どちらのネギにも猫にとって非常に危険なチオ硫酸化合物という物質が含まれているのです。

チオ硫酸化合物とは

チオ硫酸化合物とは、ヒガンバナ科ネギ属の植物に多く含まれる化合物でアリルプロピルジスルフィドやジアリルジスルフィドとならんで猫がタマネギ中毒になる原因物質のひとつであると言われています。ジアリルジスルフィドは硫化アリルのことで、玉ねぎの持つ多くの効能の元になる反面、アレルゲン物質としても知られています。

玉ねぎ中毒を起こす成分は、主に犬や猫などのペットや、牛や馬といった家畜に有害であることが分かっていて、人やサル目の動物は摂取量が低ければ重篤な症状が発症することはないと言われています。

玉ねぎ中毒とは

玉ねぎ中毒は、チオ硫酸化合物などが原因となって起こる障害です。タマネギ中毒を引き起こす成分が猫の血管内に吸収されると、赤血球内にある赤色色素であるヘモグロビンを酸化させ赤血球が溶血してしまいます。このことから、急激な溶血性貧血が起こり機能障害を起こしてしまうのです。

タマネギ中毒を発症した猫は、ヘモグロビンが破壊されて、血液の色素成分が尿に交じることで、「血色素尿」になります。元気がなく、おしっこに血が混じっているような場合、玉ねぎ中毒の可能性が疑われますから、すみやかに専門家に診てもらうようにしてください。

タマネギ中毒には以下のよう症状が猫に見られることが多くなります。

・おしっこに血が混じったように見える また茶色く濃くなる
・ふらつき
・食欲不振
・元気がない
・過呼吸
・歯茎が白くなる 
・目の粘膜(結膜)や耳の内側の皮膚の色が黄色くなる

上記のような症状が見られた場合、玉ねぎを食べたことに心当たりがなくても大至急、専門医の所見をあおいでください。

加熱すれば大丈夫?

玉ねぎ中毒を起こす有機チオ硫酸化合物やアリルプロピルジスルフィドといった成分は加熱しても分解されることはありません。それよりも、煮たり蒸したりすることで成分がほかの食材に移ってしまうことから、さらに危険性が増す可能性もあるのです。ある種の栄養成分は、調理方法によっては無毒化されるものもありますが、ネギに含まれるこれらの化合物に関しては、どのように調理しても危険性は変わらないことを覚えておいてください。

また、玉ねぎ中毒を引き起こす量ですが、はっきりしたことは分からないものの、猫の中にはたった5g程度の玉ねぎを食べただけで発症したケースもあるようです。もちろん、年齢や種類など個体差によるところも大きいのでしょうが、子猫や高齢の猫など体力が落ちている場合はとくに注意が必要であると考えられるのです。

チオ硫酸化合物を含む食品

玉ねぎ中毒を引き起こす化合物ですが、玉ねぎ以外にも多くの食品に含まれています。ヒガンバナ科ネギ属に分類されるにんにくやネギ類、ニラやラッキョウなどには、すべてタマネギ中毒を起こす成分が含まれているほか、ドレッシングやケチャップ類にも含まれているため、これらを使用して作られた料理にも注意が必要になります。

本来、ネギ類の臭みは猫にとっては好ましくない臭いですが、肉や魚と一緒に調理されていたり、ネギのエキスが染み込んだ肉を食べたりすることでもタマネギ中毒は発症してしまうのです。

猫にネギを与える必要はない

MIXサバトラのまるしぇくん
ねこのきもち投稿写真ギャラリー

猫が自分から率先してネギ類を食べることはあまりないと思いますが、前述のように調理された肉や魚は別です。猫は、犬よりも人間の命令を聞き分けませんし、高いところに飛び乗るのも得意です。ネギ類を使った料理は、猫がいたずらできないよう冷蔵庫にしまうとかしっかりふたをするなどの工夫が必要になります。

また、魚などを捨てたゴミの中に玉ねぎの皮などが混じっていて予期せぬ形で口にしてしまうケースも考えられます。猫がネギを食べることがないよう万全の注意をはらうようにしましょう。

間違って食べてしまったときの対処法

猫が誤ってネギを食べてしまった場合は、早急に動物病院へ連れていくようにしてください。愛猫がネギを食べてしまうとかなり危険ですが、素人が吐かせるようなことは絶対に行わないでください。誤った処置は、猫の内臓などを傷つけてしまう恐れがあるだけでなく、誤嚥や全身状態のさらなる悪化を招くため、獣医のもとに速やかに連れていくことが必要です。

病院によっては夜間の救急を受け付けているところがあります。万が一のことを考えて普段から近くの動物病院が救急の受け付けを行っているかなどチェックしておくといいでしょう。

猫にネギは絶対に与えないこと

ブリティッシュショートヘアのうに。くん
ねこのきもち投稿写真ギャラリー

ネギは猫に絶対に与えてはいけない禁忌食です。ネギ類に含まれる有機チオ硫酸化合物などの化合物は、猫の赤血球内のヘモグロビンを破壊し、溶血性貧血を起こしてしまいます。一般に玉ネギ中毒とよばれる症状には、特効薬が存在せず、化合物が猫の体内から消えるまで対症療法にて経過を見るしか治療法がありません。

食べてしまった量により命の危険も考えられるため、猫があやまってネギ類を口にしないよう細心の注意を払う必要があるのです。もし、万が一、猫がネギ類を口にしてしまった時には速やかに専門医の治療を受けるようにしましょう。

監修/獣医師 ペット栄養管理士 佐野忠士先生(酪農学園大学 准教授 )



監修/獣医師 ペット栄養管理士 佐野忠士先生(酪農学園大学 准教授 )
博士(獣医学)東京大学。
所属学協会:日本獣医麻酔外科学会、日本獣医救急集中治療学会、日本麻酔科学会、日本獣医学会、日本獣医師会 / 北海道獣医師会、動物臨床医学会、日本動物病院福祉協会、日本動物リハビリテーション学会
著書:「犬と猫のリハビリテーション実践テクニック―ひと目でわかる理学療法の必修ポイント!!」(インターズー)、「動物医療チームのための痛みのケア超入門(as BOOKS)」(インターズー)など多数。

文/BE
※一部写真はスマホアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。

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