春先に新しく猫を迎え入れた飼い主さんにとって、そろそろ気になってくるのが去勢・避妊手術のことではないでしょうか。去勢・避妊手術のメリット・デメリットや、手術を受けさせるタイミングなどについて、くわしく解説します。
手術のメリットは?
去勢手術(オス)の場合、オスの性衝動を誘発するホルモンの分泌が抑えられるため、マウンティングやスプレー行動など、飼い主さんにとって困った行動が減っていく傾向にあります。
また、縄張り意識も低くなるため、噛んだり同居猫とケンカしたりといった攻撃的な行動も和らぐことが多いようです。
避妊手術(メス)は、乳腺や生殖器の病気の予防につながります。手術の方法は病院の判断にもよりますが、卵巣と子宮の両方を摘出する手術の場合は、生殖器の病気のリスクをゼロにすることが可能です。
ほかにもオス・メスともにこんな変化が……
去勢・避妊手術を受けることで性的な欲求が抑えられるので、繁殖のための相手を求める必要がなく、外に出たがることが少なくなります。また、相手を求めて大声で鳴くこともなくなるようです。
性格にも影響が出る場合が多く、穏やかになったり、甘えん坊になったりするケースが見られます。
手術のデメリットは?
オス・メスともに、施術時は全身麻酔を受けることになりますが、麻酔でアレルギーが出てしまう可能性が。また、手術ミスで猫が死んでしまうことはまずありませんが、手術による体への負担から、潜在していた病気が発症してしまうケースもまれにあるようです。
そのほか、術後は性ホルモンの分泌がなくなるため代謝が落ち、太りやすくなる傾向にあります。
手術はいつ頃受けさせればいいの?
オスの場合、精巣さえ確認できれば何才でも手術は可能だといわれています。しかし去勢手術は生殖器の成長を止めてしまうため、あまり早すぎると尿道も小さいままになり、泌尿器系の病気のリスクを高めてしまうことも。そのため、精巣が充分成長した10カ月頃に行うのがおすすめです。
一方メスの場合、メス特有の病気を予防するためにも、発情前にすませてしまうのがベスト。目安はだいたい5カ月頃で、体重が2kg前後であることも判断基準のひとつとされています。
去勢・避妊手術は、猫の健康や生活に大きな変化をもたらす可能性があるものです。メリットやデメリットを把握し、愛猫の状態や成長、生活環境などを考慮したうえで、愛猫にとって一番いいと思える選択をしてあげてくださいね。
参考/「ねこのきもち」2017年5月号『術後の“?”もスッキリ! 去勢・避妊手術のすべて』(監修:Pet Clinic アニホス院長 弓削田直子先生)
文/kagio
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。