愛猫と幸せに暮らしているときに"サヨナラ"なんて考えたくない飼い主さんも多いでしょう。ですが、愛猫とのお別れはいつかくるものです。そのときに後悔しないためにも今から意識することは大切なこと。看取り経験者のイラストレーター石山綾子さんが体験談とともに「しておいてよかったこと」をシェアしてくれました。
愛猫の余命宣告は、突然のことでした…
一昨年、5才だった愛猫のゴマくんを看取ったイラストレーターの石山さん。ゴマくんは、突然、急性腎臓病を発症したそう。「朝から嘔吐が続いたので急いで動物病院へ行き、そこで獣医師から告げられたのが『もって1週間の命』という言葉でした。昨日まで元気だったこともあり、悪い冗談かと思いました……」と石山さん。あまりに突然の出来事に、獣医師からの説明も遠くに聞こえ、現実のことと思えなかったとか。
写真は左から、看取ったゴマくん(オス・享年5才)、ボンちゃん(メス・6才)、同居犬のコロくん(オス・11才/マルチーズ)。
〝最期は自宅で〞と決めておいてよかった
「動物病院の診察台の上で、不安に押しつぶされそうなゴマの顔を見て、〝最期は自宅で〟と一緒に家に帰ろうと自然に思いました」と石山さん。ゴマくんは、まだ若くて体力があったことが幸いして、余命宣告を受けてから3カ月間も生きてくれたのだとか。「最期は、倒れたゴマを抱き寄せて、息を引き取るまで見守れました。そして、同居猫や同居犬も一緒にいられたことがよかったと心から思います」と石山さん。
トイレに行く途中で倒れたという、ゴマくん。石山さんは、腕の中で冷たくなっていくゴマくんを抱きしめて、叫ぶように泣いたそう。
ほかにも… しておいてよかった3つこと
ほかにもしておいてよかったことがあったそう。厳選で3つ紹介してくれました。
愛猫をじっくり観察したこと
「言葉を話さないので、小さな変化も見逃さないように」とよく観察するようにしていたことが、結果としてゴマくんのことをよく知れたそう。スケッチしていたことも、見返すと面白くて笑顔になれるのでよかったとか。
ゴマくんは、5年という短い命でしたが、スケッチを数えると300近くもあったそう。
家具の爪とぎ跡を残したこと
ゴマくんはよく爪をとぐ猫だったそうで家具にもたくさん跡があるそう。石山さんにとっては、ただの跡ではなく、その爪とぎ跡ひとつひとつが思い出深きものになっているのだとか。
家具の爪とぎ跡を見ていると、今でもゴマくんが爪をとぐ姿が思い起こされて心が温まるのだそう。
一緒に過ごす時間を 大切にしたこと
外出はできる限り控えて、ゴマくんと過ごす時間を優先したそう。また、余命宣告を受けた直後は泣いてばかりいたそうですが、病気でも懸命に生きるゴマくんの姿を見て、泣かないと決めて限られた時間を大切に過ごしたのだとか。
あえて、最期までいつもと変わらない日常を心掛けていた石山さん。もちろんお仕事も続け
られたそう。
いかがでたか? 実体験を聞くと参考になりますよね。「いつか」でなく、「今」、愛猫とのサヨナラまでにしたいことを考えてみませんか?
参考/「ねこのきもち」2020年11月号『「元気なうちから」、そして「サヨナラが近付いてから」。愛猫とのサヨナラまでにしたい11のこと』
文/Betty
イラスト/石山綾子
※この記事で使用している画像は「ねこのきもち」2020年11月号『「元気なうちから」、そして「サヨナラが近付いてから」。愛猫とのサヨナラまでにしたい11のこと』に掲載されているものです。