猫と暮らす
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年末年始にかかりつけの動物病院が閉まっていたら…知っておきたい「夜間救急病院」
この記事では、いざというときの夜間救急病院について紹介します。
夜間救急とは?
救急動物病院は、地域の獣医師が交代で、あるいは地元の獣医師会が夜だけ診療するタイプや、24時間営業タイプ、獣医師が飼い主さんの家に行って診察する往診タイプなど、さまざま。この記事では、それらを総称して「夜間救急」としています。
どんな症状のコが夜間救急にくるの?
また、はっきりとした症状はないものの、「なんとなくいつもよりぐったりしていて…」といった理由での受診もあります。
夜間救急の体験談
夜になって生気がなくなった愛猫。いざというときのために教えてもらっていた夜間救急へ
生後3カ月頃のある日、夕方から元気がなかったというあいすちゃん。夜になって突然嘔吐し、生気がなくなったのだそうです。
パニックになってしまった飼い主さんですが、かかりつけの獣医師から教えてもらっていた夜間救急をインターネットで調べて、電話をかけてみることに。すると、「お金がかかっても大丈夫か」「かかりつけの動物病院が開くまで待つのは無理そうか」などを尋ねられたといいます。あいすちゃんの状態が心配だった飼い主さんは、夜間救急に車で向かうことに。
診察を受けると、猫カゼ、脱水症状の疑いがあることがわかり、注射を打ってもらって3万2000円を支払ったそうです。
明け方に帰宅し、開院時間を待ってかかりつけの動物病院でも受診。夜間救急がかかりつけに病状を共有してくれており、安心できたといいます。
持病が悪化した愛猫。夜間救急に電話をかけたら、応急処置をしてくれることに
ときどき胸に水が溜まってしまい、動物病院で定期的に抜いてもらっていたというきりくん。ある日の深夜、口呼吸をしていて苦しそうだったため、獣医さんから名刺をもらっていた夜間救急に電話をしてみたのだそう。
そのときの指示通りに、きりくんにハーネスをつけ、キャリーケースに入れ、タクシーで30分ほどかけて連れて行きました。このとき、念ため服用していた薬も持参したといいます。
夜間救急では、胸水が溜まっている、心筋が厚くなっているとの診断があり、水を抜いて酸素ルームで休ませてもらったのだそう。
夜間診療費5000円のほかに検査や入院費を合わせて2万5920円。往復の交通費を含めると3万円ほどかかったそうです。
愛猫が深夜にけいれんして頭が真っ白に…かかりつけの動物病院に連絡したら、対応してくれた
3才のときに突然けいれんを起こしたあさちゃん。さっきまで元気だったのにどうしていいかわからず、飼い主さんは頭が真っ白になったそうです。
夜間救急は調べていたものの、とりあえずかかりつけの動物病院に電話をかけてみたところ、つながったので相談してみることに。時間外料金について説明を受けた上で、対応してもらうことにしたといいます。
動物病院に着いたときには、あさちゃんは元気になっていたそうですが、念のため血液検査をしてもらった結果、血液中のアンモニアの数値が高いとの診断を受けたそう。
治療費5600円のほかに、時間外料金1000円が加算されて、合計7000円ほどかかったといいます。
夜間救急受診の手順
①夜間救急に電話する
その上で、異変を起こしている愛猫の様子(症状)をできるだけ具体的に伝えましょう。その際に、電話口のスタッフの質問をよく聞き、できるだけ的確に答えて、指示に従うのが効果的です。愛猫の命を救うことにつながります。
電話をかけるのは飼い主さんで!
病状によっては一刻一秒を争うので、ふだんの愛猫の様子を一番よく知っている飼い主さんが電話口で説明するようにしましょう。
②いざ行くことになったら準備する
また、夜間救急では、診察する獣医師に猫のこと、とくに病歴をくわしく伝えることが大切です。過去に受診したときのデータや、ふだん飲ませている薬といった診断の手がかりになる資料は、必ず持って行くようにしましょう。
排泄物や誤食物があれば持って行こう
動きに異変を感じたら動画を撮影しておこう
もしも心臓が止まってしまったら、心臓マッサージをしよう
心臓の位置は?
1秒に2回のペースで心臓を押して
いざというときのために! ふだんからできる「備え」は
愛猫の病歴を把握しておこう
ふだんの受診のときにかかりつけの獣医師に病気や薬の名前を書いてもらったり、人の「お薬手帳」のように専用ノートを用意して書き込むようにすると、いざというときに役に立ちます。
ほかにも、「○月○日頃から排泄回数が2〜3回増」など、愛猫に小さな異変を感じたときにもメモをとっておくといいでしょう。
夜間救急を探しておこう
夜間救急を選ぶポイントは?
よりよい夜間救急を探す手順
①かかりつけの獣医師の相談しよう
また、持病がある猫であれば起こり得る異変も想定しやすく、いざというときの応急的な薬をあらかじめ処方してくれることもあります。
②ネットなどで探してみよう
地域差はありますが、よりよい夜間救急を見つけるための選択肢のひとつとして考えてみてください。
③どうしても近くになくても、一番近い夜間救急を調べてみよう
多少遠かったとしても、動物病院に行かないとどうしようもないこともあります。
(監修:ひがし東京夜間救急動物医療センター センター長・獣医師 上野元裕先生)
イラスト/山村真代
文/sorami
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