春先の季節の変わり目は、寒暖差などから猫がストレスを感じやすく、自律神経が乱れて体調を崩すケースも少なくないようです。
そこで今回は、季節の変わり目の不調を抑える、猫のマッサージ法をご紹介します。どれも自宅でできるものばかりなので、ぜひ挑戦してみてくださいね!
猫のマッサージをする前の注意点
猫をマッサージするときは、以下のポイントに注意しましょう。
(1)猫がリラックスしているときに行う
猫がゆっくりくつろいでいるときや、自分から甘えてきたときがマッサージに適しています。猫が眠っているときや、食後すぐは控えるようにしましょう。
(2)最初にウォーミングアップから行う
まずは、猫の顔や体をやさしくなでるなど、スキンシップから始めましょう。飼い主さんの手のぬくもりが猫に伝わり、よりリラックスできます。
(3)慣れないうちは10回程度を目安にする
最初のうちは、マッサージの動作を10回ほど繰り返し(左右あれば各10回)、猫が慣れて気持ちよさそうにしているなら、20~30回程度まで延長するようにしましょう。
(4)強く押したり、つまんだりしない
人のマッサージでは、“痛気持ちいい”と感じる強さが多いですが、猫にはNGです。猫をマッサージするときは、少し物足りない程度の力の強さを心がけてください。
季節の変わり目の不調をケアする「猫のマッサージ法」
ここからは、春先の季節の変わり目に起こりがちな猫の不調別に、おすすめのマッサージ法をご紹介します。
(1)いつもより毛玉をよく吐く
春先の換毛期は毛がよく抜けるため、毛づくろいをして抜け毛を飲み込み、吐き出してしまいがち。吐きグセがつかないように、マッサージでケアしてあげましょう。
マッサージのやり方
前足の外側の関節(人でいうひじのあたり)の近くにはツボがあり、ここを押すと気の流れがよくなるため、吐き気を止める効果が期待できるとされています。そこに親指を置き、足先に向けてさすってマッサージしてあげましょう。
(2)体をよくかく
春先は自律神経の乱れの影響で血の巡りが悪くなり、体をかゆがる猫もみられます。後ろ足のツボを刺激して、かゆみを抑えてあげましょう。
マッサージのやり方
後ろ足付け根付近にはツボがあります。そこを親指と人差し指で軽くつまむことで、滞っている血の流れがよくなり、体のかゆみを改善する効果が期待できます。
(3)おなかをこわす
自律神経が乱れると、胃腸に不調が出やすくなるケースも。おなかにあるツボをマッサージして、胃腸の調子を整えてあげましょう。
マッサージのやり方
下腹部には胃腸の働きを正常にするツボがあります。そこを手のひら全体でさすってあげることで、下痢や便秘を解消する効果が期待できるでしょう。
伏せた状態がおすすめ
マッサージするときは、猫が伏せた状態がおすすめ。その状態で体の下に手を入れ、さすってあげましょう。抱っこできる猫であればおなかを上にして、手のひらで円を描くようにさすってもOKです。
こんなマッサージ方法も
背骨に沿って生命エネルギーが流れる道(=経絡)があるとされているので、そこを刺激することで消化器の健康をサポートする効果が期待できます。また、免疫力アップにもつながるので、人差し指・中指・薬指を使い、背骨に沿って首からお尻の方向に滑らせるようにマッサージしましょう。
(4)膀胱炎を予防するマッサージ
春先は寒暖差のストレスによって、突発性膀胱炎を引き起こす猫もいます。膀胱の機能を調節するツボを刺激して予防しましょう。
マッサージのやり方
背骨のしっぽの上、骨が少し太くなっているあたりが骨盤です。そこに尿路の健康を維持するツボがあるので、ふだんからマッサージを行えば膀胱炎の予防につながるでしょう。
マッサージや健康ケアで、季節の変わり目も元気に過ごそう!
ここでは、季節の変わり目の不調を抑える、猫のマッサージ法をご紹介しました。注意点に気を配りながら、みなさんもぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。
なお、もしも愛猫の不調が長引く場合は、必ず動物病院を受診するようにしてくださいね。
参考・写真/「ねこのきもち」2017年3月号『春先の不調に負けない体に!スプリングマッサージ』(監修:アニマル・ケアサロンFLORA医院長 日本ペットマッサージ協会理事 中桐由貴先生)
文/ハセベサチコ
※一部写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と一部写真に関連性はありませんので予めご了承ください。