猫が好き
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「ひにゃ!」響く小さな悲鳴。どこからでも現れる妹猫にハンティングされるお話【連載】渋ネコししまるさん#156
ししまると妹分まるこが一緒に暮らし始めて6ヶ月。新しい同居猫との生活にすっかり馴染んだししまるですが、まるこはそれ以上にししまるに慣れ、最近はししまるにドッキリをしかけています。
歩いているししまるを見かけると、まるこは先回りをして潜み、物陰からししまるに襲いかかるのです。
まるこがバネのように跳ねて、ししまるを飛び越えながらさっとパンチを食らわせると、全く心構えが出来ていないししまるは、思わず小さな悲鳴を…。
「ひにゃ!」
ししまるが怒らないのをいいことに、まるこはししまるの首根っこめがけて突進。前足でクビを抱えながら一緒に歩き出しました。
ししまるは不機嫌そうな顔をしながらも怒りません。オラオラ系まるこを引き連れて、ドタドタと歩き出しました。
まるこは無反応なししまるを面白く思わず、今度はししまるの背後に回ってしっぽにじゃれ始めました。しっぽを触られるのが苦手なししまるは、たまらず怒りの一声が漏れました。
「シャッ!」
昔はこの威嚇で我に返ったまるこでしたが、もうこれくらいの威嚇で怯むことはなく、この声を聞くと逆に張り切ってしまうようになりました。そしてさらなる刺激を求め、まるこはししまるのしっぽを連続チョイチョイ。
ししまるは、威嚇をすればするほど張り切るまるこに怒り心頭。ついに頭突きで反撃をしました。そしてまるこが一瞬ひるんだ隙に、リュックの上に座り込んだのです。
こうなるとまるこはししまるを追いかけません。なぜなら、高台で横になったししまるはテコでも動かないことを、まるこは知っていたからです。
早々に見切りをつけたまるこは、お気に入りの箱へ跳ねながら戻り、それを最後まで見届けたししまるは「やれやれ」という表情をしながら、リュックの肩掛け辺りにあごを乗せ始めたのでした。
換毛期に近いこの時期。リュックで寝られると毛が大量に付くことが気になりながらも、2匹のやりとりににんまりする僕なのでありました。
Taco(たこ)プロフィール
東京在住の漫画家・イラストレーター・キャラクタデザイナー。びゅうたびライターとしても活動中。
「ちいさな猫を召喚できたなら」「3匹のちいさな猫を召喚できたなら」「ぷっちねこ。」(徳間書店)など、好評発売中。「ちいさな猫を召喚できたなら」は重版後、中国版・韓国版・インドネシア版も発売。
現在、Web上では不定期に新作漫画を更新中。詳しくは以下のSNSへ。
・Instagram
Tacoのインスタ: @tacos_cat
ししまるのインスタ: @emonemon
・Twitter:@taco_emonemon
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