飼い主さんは猫を毎日見ているので、少しずつ肥満体形へ変化していても気付きにくいものです。今回は、主に猫の体重についてご紹介します。猫にはダイエットが必要なのか、今の生活のままでいいのか、判断する際の参考にしてみてくださいね。
太ったままだとダメな理由
活動性が低下してストレスを感じる
適正体重をオーバーして太り始めると、活動性が低下します。猫の場合、毛づくろい、パトロールや観察などの時間が減り、生活の満足度が下がってストレスを感じる可能性も指摘されています。
さまざまな病気にかかりやすくなる
肥満は健康状態にも影響を及ぼし、さまざまな病気にかかりやすくなります。糖尿病や肝リピドーシスは、肥満の猫がかかりやすい病気の代表です。そのほかにも、皮膚病・泌尿器・心臓・循環器・呼吸器の病気にもかかりやすくなるといわれています。
簡単な体重のはかり方と、その頻度は?
現在の猫の体重をチェックする際、家庭にある人用の体重計で簡単にはかれます。100g単位まで表示されるデジタル式の体重計を使うのが理想的です。はかり方は、以下の通りです。
1.飼い主さん+猫の体重
飼い主さんが猫を抱っこして体重計にのり、「飼い主さん+猫の体重」をはかります。
2.飼い主さんの体重
次に猫を下ろして飼い主さんだけが体重計にのり、「飼い主さんの体重」をはかります。
3.猫の体重
「1.飼い主さん+猫の体重」から「2.飼い主さんの体重」を引き、「猫の体重」を算出します。
現在の体重を把握したあとは、週1回を目安に継続して測定しましょう。
猫種別の適正体重目安
簡単な体重のはかり方やその頻度などをご紹介しましたが、猫は品種によっても体重に違いがあります。以下で、代表的な猫種を小型・中型・大型に分けてみました。
大型種は小型種に比べて体重の最高値が重くなっていますが、同品種でも体重の数値にかなりの開きがあります。猫の個体差によって適正体重は変化するため、数値はあくまで目安とするのがよいでしょう。
小型
・シンガプーラ/2.0~3.5kg
・ロシアンブルー/3.0~5.5kg
・アメリカンカール/3.0~5.0kg
中型
・アメリカンショートヘアー/3.0~7.0kg
・ペルシャ/3.5~7.0kg
・ヒマラヤン/3.0~5.5kg
大型
・メインクーン/4.0~10.0kg
・ベンガル/5.0~10.0kg
・ラグドール/4.5~9.0kg
猫が○kgを超えたら肥満?
前述したように、同品種の猫でも個体差により体重の開きがあるため、「猫が〇kgを超えたら肥満」とは一概にいえません。しかし、一般的な「肥満」の考え方として、犬や猫の場合はその個体の適正体重より15~20%を上回った状態を肥満といいます。
一般的な猫の体重が3.0kgなら約3.5~3.6kg以上、5.0kgなら約5.8~6.0kg以上が肥満ということになるでしょう。
この計算で考えると、標準的なサイズの猫の場合、6.0kgを超えると肥満の疑いがあるともいえます。8.0kgを超えると適正体重を大幅に上回ることになり、肥満と考えたほうが良いかもしれません。
ただ、大型種は適正体重も重いため、8.0kgを超えたらただちに肥満ということではありません。猫の種類や全体的な体格を見たうえで、適正体重はひとつの判断材料とするのがよいといえるでしょう。
今回は、主に猫の体重についてご紹介しました。猫の個体差によって適正体重は変化するので、数値はあくまで目安とするのがよいですが、適正体重と継続して猫の体重を知ることで、さまざまなリスクを予防できる可能性もあります。ぜひ、猫の健康のためにも参考にしてみてくださいね。
参考/「ねこのきもち」2018年10月号『愛猫には必要ないと思ってない?”はかる”でダイエット診断』(監修:モノカどうぶつ病院院長 小林清佳先生)
ねこのきもちWEB MAGAZINE『月年齢別【猫の適正体重早見表】何kgから肥満?測定方法から予防まで解説』(監修:ねこのきもち相談室獣医師)
文/カガ美五葉
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。