伸びっぱなしの猫の爪は、猫自身や飼い主さんのケガの原因となることも。「でも、猫の爪切りは難しくて……」とお悩みの飼い主さんも多いのではないでしょうか?
今回は、獣医師の中桐由貴先生に猫の爪切りへの苦手意識を和らげる「ながら爪切り」の方法を教えていただきました。
猫の伸びた爪はさまざまなケガの原因に
猫の爪を伸びたままにしておくと、カーテンに爪を引っかけて出血したり、自分の顔や飼い主さん、同居猫などを引っ掻いて傷を付けてしまったりする可能性があります。
シニア猫は“巻き爪”に注意
またシニア猫では、伸びた爪が肉球に刺さり、痛みを感じる「巻き爪」にも注意が必要。爪切りを習慣化して、これらのリスクを防ぎましょう。
「ながら爪切り」で猫の苦手意識を緩和しよう
ここからは、「ながら爪切り」の方法や注意点について、具体的に解説していきます。
猫の気をそらして手早く爪切り!
猫の「ながら爪切り」のコツは、愛猫の気をそらしながら手早く行うことです。嫌がる愛猫を無理やり押さえ付けて爪を切ろうとすると、猫の爪切りへの苦手意識が一層強まってしまいます。
おやつやおもちゃで猫の気を引いて
「ながら爪切り」が2人態勢でできるのであれば、おやつやおもちゃで猫の気を引きながら行ってみましょう。
食いしん坊な愛猫には、おやつを与えながらの爪切りがおすすめ。ペースト状のおやつは、少量ずつ舐めることができるので便利です。
おもちゃは少しだけ動かす
好奇心旺盛な愛猫の「ながら爪切り」には、おもちゃで気を引くのがよいでしょう。愛猫が興奮しすぎるのを避けるため、おもちゃは少しだけ動かすのがポイントです。
猫をタオルで包むのも◎
愛猫をタオルで包み込めば、1人でも「ながら爪切り」を行うことが可能です。
爪切りを見ただけで逃げ出してしまうような猫でも、顔をバスタオルで覆ってあげることで、安心感が高まります。
血管を切らないように要注意
「ながら爪切り」を行う際には、猫の血管を切らないように注意が必要です。
下の図の赤い点線で示した部分が、猫の爪切りライン。根元の血管を切らないように気を付けながら、爪の先だけを切りましょう。
安全性が高いハサミ型爪切り
なお、猫用のハサミ形爪切りは、安全性が高くておすすめですよ。
ながら爪切りの頻度は?数日に分けてもOK
愛猫と飼い主さんのケガを防ぐために、猫の爪切りは欠かせません。「ながら爪切り」は、少なくても月に1回は行うようにしましょう。
前述した通り、猫の「ながら爪切り」のコツは、手早く行うこと。時間をかけずに爪を切ることが難しいと感じたら、一気にやろうとしなくてもOKです。
「今日は前足の爪だけ」「明日は後ろ足の爪を」、といった具合に、何日かに分けて爪切りをするのもよいでしょう。
爪切りへの愛猫の苦手意識を和らげる「ながら爪切り」についてご紹介しました。食いしん坊、好奇心旺盛など、愛猫の個性に合わせて最適な「ながら爪切り」の方法を見つけてみてくださいね。
参考・写真/「ねこのきもち」2019年3月号『「やらなきゃ」には理由がある 病気・ケガから愛猫を守るお手入れ』(監修:アニマル・ケアサロンFLORA院長 日本ペットマッサージ協会理事 中桐由貴先生)
イラスト/上垣厚子
文/藤真もとみ
※一部写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と一部写真に関連性はありませんので予めご了承ください。