猫にとって"冬"はとってもストレス⁉
年末年始といえば、クリスマスにお正月とイベントが続きますよね。獣医師でペット行動カウンセラーの藤井仁美先生によると、「猫は『寒さ』と『ふだんと違う状況』に敏感な動物。冬はその2つが揃うので、意外にストレス要因が多い」のだそう。
愛猫に年末年始をストレスなく過ごしてもらうためには何に気を付ければいいのか、藤井先生に教えていただきました。
年末年始に増える来客は、猫にとっては“侵入者”
警戒心の強い猫は、縄張りである家に見慣れない人や物があると落ち着くことができません。
サンタクロースの変装をした人であったり、お正月に遊びに来た親戚の子どもであったりと、年末年始はふだんと違う人の出入りが多くなるので、そうした状況が続くとストレスになることがあるのです。
【対策】猫だけで過ごせる場所を確保しよう!
極力来客と対面させないことが1番いいので、来客前に猫を慣れた別室かケージに移動させましょう。隔離するのが難しい場合は、お客さんに極力猫にかまわないように伝えましょう。
キラキラ小物やヒモ類の誤食に注意!
キラキラした小物をたくさん飾るクリスマスツリーや、ヘビなどの獲物を連想させる着物の帯など、イベントシーズンは猫がついじゃれたくなるものが多いため誤食の危険が高まります。誤食すると猫のからだに大きな負担になるだけでなく、猫が小物で遊んでいるところを飼い主さんに怒られることも、猫にとってストレスになってしまいます。
【対策】じゃれつきそうなものは猫に見せない!
着物の着付けは猫がいない部屋で行うなど、猫がじゃれつきそうなものは猫に見せないのがベストです。ツリーなどの“見せる飾り”は、周囲に柵を設けるなど猫の手が届かない工夫をするとよいでしょう。
イベント時のかぶりものや写真撮影はストレスに
クリスマスカードや年賀状用に、愛猫の写真を撮る飼い主さんもいるかもしれません。このとき、猫を無理やり抱っこしていい写真が撮れるまで粘り強く撮影するのは、拘束されることを嫌う猫にとってストレスです。また、服や被り物を着せられることは、毛づくろいができないためにストレスが溜まるだけでなく、窮屈さからパニックを引き起こすこともあります。
【対策】短時間で済ませる工夫を!
撮影するなら、短時間で済ませたり、休憩をはさんだりしながら行いましょう。服を着せたいのであれば、素早く着脱できる帽子などを選ぶのがおすすめ。なるべく嫌なことと思わせないために、おやつを与えながら撮影するのも効果的です。
猫は、ストレスを感じてもなかなかSOSを出さないといいます。だからこそ、「猫のストレス要因を知り、事前に取り除いたり、緩和したりする対策が大切なのです」と藤井先生。
愛猫がストレスなく快適な冬を過ごせるよう、できる限りの配慮や対策をして年末年始を迎えたいですね。
お話を伺った先生/藤井仁美先生(獣医師 獣医行動診療科認定医 ペット行動カウンセラー)
参考/「ねこのきもち」2018年12月号『「寒さ」だけじゃない、「寒さ対策」までもが… じつは多い冬のストレス、大丈夫?』
文/Ru-Rie
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。