猫はもともとあまり鳴く動物ではないといわれています。ですが飼い猫の場合、自分の願いを叶えてもらうために鳴くことを覚えたのだとか。今回は、動物看護師の小野寺温先生に、猫の鳴き方から気持ちを知るヒント教えていただきました。ふだんの鳴き声と比較して、愛猫がどのような気持ちなのかを確認してみましょう。
「大きめ」×「長め」は気持ちの主張
猫の鳴き声の「大きさ」と「長さ」には、主張が表れていると考えられています。
鳴いても願いが叶わない場合はさらに大きく、長く鳴いてアピールするようになります。
かまって!:「大きめ」×「長め」×「高め」
高い声で鳴くのは、子猫が母猫にするような甘え気分。「甘えたい」「かまってほしい」という気持ちが表れています。
愛猫が高い声で鳴きながらすり寄ってきたときに、飼い主さんが来ると鳴きやむ場合はかまってほしいのでしょう。
不安・威嚇:「大きめ」×「長め」×「低め」
同じ「大きい」「長い」鳴き声でも、多少不安がある可能性も。飼い主さんが外出して静かになると低い声で鳴く猫がいますが、この場合、まさに不安な気持ちを表しているといえます。
また、威嚇するときには低く唸るような鳴き方をすることがあります。
危機:ライオンのような大迫力
ライオンのように迫力のある鳴き方をする場合は、生命の危機を感じての叫びと考えられます。多くの猫にとって苦手な場所のひとつである動物病院などで、聞いたことのある飼い主さんもいるかもしれません。
猫とおしゃべり! 猫が鳴いたときの応え方
鳴き声に応えて気持ちが伝わり、「猫とのおしゃべり」ができたら嬉しいですよね。飼い主さんの気持ちが伝わりやすくなる応え方をマスターしましょう!
ポイント1:やわらかい声で人と同じように返してみて
声をかけるときに大事なのは、声のトーンです。飼い猫は飼い主さんを母猫のように思っているため、少し高めのやわらかい声で話しかけると、猫が安心し、愛情も伝わりやすいでしょう。
猫が鳴きながら寄ってきたら、その願いを叶えながら、人に対するときと同じように話しかけてみましょう。言葉の意味は理解できませんが、同じ状況のときに同じフレーズで応えることを繰り返すと、猫も「お返事」として覚えるようになるでしょう。
ポイント2:笑顔&猫の大好きな単語で
猫は人の表情の変化も理解していると考えられています。ですから、お返事をするならできるだけ笑顔で。笑顔になると目が細まるので、凝視されるのが苦手な猫は安心します。
忙しくて手が離せないときなどに言葉だけでお返事する場合は、単語で返してみて。猫は2〜3語なら理解できるといわれ、自分の名前や「ゴハン」など、大好きな単語ならイイコトとして覚えています。そのため、笑顔と好きな単語で応えるだけでも喜ばせることができるでしょう。
猫は言葉を発しない動物ですが、さまざまな方法で飼い主さんに気持ちを伝えているといわれています。その手段のひとつが「鳴き声」。愛猫の気持ちをしっかり受け取るためにも、理解の仕方を知っておくことが大切ですね。
お話を伺った先生/小野寺温先生(帝京科学大学助教 動物看護師)
参考/「ねこのきもち」2019年3月号『猫語をひも解くヒント集 鳴き声で気持ちはわかります!』
文/mio30
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。