愛猫の緊急時、連休期間やかかりつけ医が診療時間外だった場合はどうすれば…?と思ったことがある飼い主さんもいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、獣医師の上野元裕先生に、いざというときのための夜間救急病院についてお話を伺いました。
夜間救急とは?
動物病院が開いているのは通常日中ですが、その診療時間外に対応してくれるのが「救急動物病院」です。救急動物病院は、地域の獣医師が交代で、あるいは、地元の獣医師会が夜だけ診療するタイプ、24時間営業タイプ、ほかにも、獣医師が飼い主さん宅に行って診察する往診タイプなど、いろいろあります。ここでは、それらを総称して「夜間救急」としています。
夜間救急受診の手順
1.夜間救急に電話
まずは夜間救急に電話をかけます。そして、受診したい旨を一番に伝えるようにしましょう。その上で、異変を起こしている愛猫の様子(症状)をできるだけ具体的に伝えてください。その際、電話口のスタッフの質問をよく聞き、できるだけ的確に答え、指示に従うことが効率、効果的です。愛猫の命を救うことにつながります。
2.いざ行くことになったら準備を
夜間救急に向かう際は、猫に負担をかけないためにも、キャリーケースを使いましょう。また、夜間救急では、診察を担当する獣医師に猫のこと、とくに病歴をくわしく伝えることが大事です。過去に受診したときのデータやふだん飲ませている薬といった、診断の手がかりになる資料は必ず持って行くようにしましょう。
ふだんからの備え
愛猫の病歴を把握しておこう
病気や薬の名前は、飼い主さんには覚えにくいもの。ですが、夜間救急で伝え間違えると適切な治療ができないこともあります。ふだんの受診時にかかりつけの獣医師に病気や薬の名前を書いてもらったりしておくと安心です。人の「お薬手帳」のように、専用ノートを用意して、書き込んでいくようにすると、ひと目でわかるようになるメリットもあります。
夜間救急を探しておこう
かかりつけにしている動物病院の診療時間外に何かあったとき、どこの夜間救急に連れて行くかは必ずシミュレーションをしておきましょう。いざというときそれをしていたか否かが大きな「差」となります。夜間救急を選ぶ基準はさまざまでしょうが、猫の体への負担を考えると、一番優先したいのは自宅からの「距離」と「時間」です。そのほか、気になることをチェックしておくと、より安心でしょう。
よりよい夜間救急を探す手順
1.かかりつけの獣医さんに相談
愛猫の体を一番知っているかかりつけの獣医師に、診療時間外に異変が起こったときどうすればいいか、相談してみてください。信頼できる夜間救急を紹介してくれるかもしれません。また、持病がある猫なら、起こり得る異変も想定しやすく、いざというときの応急的な薬をあらかじめ処方してくれることも。
2.ネットなどで検索してみる
自分で調べる場合は、インターネット検索などをしてみましょう。最近は夜間救急をまとめたサイトも。地域差はありますが、よりよい夜間救急を見つけるため、選択肢のひとつにしてみてもいいでしょう。
3.一番近い夜間救急を調べてみる
地域によっては近くに夜間救急がないこともあるでしょう。その場合は、遠方の夜間救急に電話をかけて、獣医師の指示をもらっても。その場合でも、できるだけ自宅から近い夜間救急を選びましょう。多少遠くても動物病院に行かないとどうしようもないこともあります。
今回は、夜間救急病院についてご紹介しました。
いざというときに必要以上に焦らないためにも、ふだんから備えておきましょう!
お話を伺った先生/上野元裕先生(ひがし東京夜間救急動物医療センター センター長 獣医師)
参考/「ねこのきもち」2018年12月号『年末年始、かかりつけの診療時間外、いざというときのための夜間救急病院』
文/カガ美五葉
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。