猫もオーラルケアが必要といわれていますが、習慣づけるのは大変です。口の中がキレイに見える猫でも、人のように歯の裏側まで歯ブラシでみがかなければならないのでしょうか。オーラルケアを成功させたい飼い主さんの疑問を、獣医師の田草川佳実先生に伺いました。
口の中がキレイならケアしなくていい?
1才未満の若い猫は、ケアしなくても口の中がキレイでしょう。ただ、予防という観点から考えると、オーラルケアは早めに始めた方がベストです。口内にトラブルがないうちは口を触られても痛くないので、猫も受け入れやすいでしょう。
子猫から始めないと習慣化は難しい?
子猫のうちからオーラルケアを始めた方が慣れさせやすいのは事実ですが、成猫になってからでもケアを習慣化することはできます。いきなり歯ブラシを使うのはハードルが高いので、指に巻いて歯をなでる歯磨きシートを用いるなど、手軽な方法から試してみるといいでしょう。
すでに口内トラブルがある場合は別!
すでに口内にトラブルがあるケースは、注意が必要です。ケアが痛みにつながると、余計に苦手になってしまう心配が。かかりつけの獣医師さんに相談して、猫の症状や状態にあったベストな方法を試すようにしましょう。
歯ブラシみがきじゃなくても大丈夫?
本来であれば、猫も歯ブラシを使ったオーラルケアが理想です。ほかの方法では歯ブラシの代わりにはなりませんが、何もしないよりは効果が望めるでしょう。まずは手軽にできるオーラルケアから始めて、徐々に歯ブラシへ移行していくことを考えましょう。
また、歯ブラシを嫌がらない猫でも、歯ブラシみがきとデンタルおやつなどを併用するのも一案です。
歯の裏側もしっかりみがかないとダメ?
人は歯の裏側にも歯垢が付きますが、猫は歯の裏側に歯垢が付きにくいといわれています。無理に歯の裏側まで磨いてオーラルケアを苦手になるよりは、歯垢が付きやすい表側を重点的にケアしたほうがいいでしょう。
指みがきをする場合でも、1度に全ての歯をみがこうとするのではなく、右の奥歯だけにするなど、1本ずつササッと短時間ですませるのが嫌がられないコツです。
一生続くお手入れだからこそ、猫に苦手意識をもたせないことが大切です。いきなり最善を目指すのではなく、少しでもいい状態を保つことを目標に、コツコツと取り組んでいきましょう。
お話を伺った先生/田草川佳実先生(聖母坂どうぶつ病院副院長)
参考/「ねこのきもち」2021年9月号『お手軽アイテムでわが家のオーラルケア習慣』
文/小崎華
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。