猫と暮らす
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犬と猫を一緒に飼いたい! 考えるべきポイントや注意点は?
犬と猫の両方と暮らしたい場合の心構えや注意点は?
藤井先生:
「犬と猫は行動する時間帯や習性が全く違う動物です。それぞれがストレスを感じにくいような環境を整えることが重要でしょう。たとえば以下のような点があげられます。
- お互いのテリトリーが確保できるような環境づくり(猫は高いところが好き、犬も一人になれる時間は重要)
- トイレの配置(お互いが邪魔されない位置が重要です)
- お互いのゴハンを食べられないようにする工夫(ケージを用いる、場所を分けるなど)
特に猫はもともと単独行動をする動物なのに対し、犬は集団行動が得意な動物です。ストレスの感じ方はそれぞれ全く違うものになりますので、それぞれに合わせた対応ができる工夫や環境づくりなどが必要でしょう」
仲良くなれなかったときのことも考えておく必要がある
「もちろん、一生懸命に環境などを整えても、残念ながら仲良くなれない場合もあるでしょう。そのときに、犬と猫にとってストレスの少ない終生飼育ができるのか、最後まで責任を持って飼い続けることができるのか、犬と猫のために環境づくりができるのか、以上の点をよく考える必要があります。
SNSやネットの普及と共にかわいらしい組み合わせの犬と猫を見る機会も増えたためか、あこがれる気持ちなどから安易に飼い始めてしまうケースも。
その結果、犬猫の相性が悪くストレスから病気になってしまったり、お互いを攻撃したりするために、残念ながら飼い続けることが難しく手放すことになってしまうケースも出てきています。
生活様式も習性も違う動物を飼い続ける覚悟があるのか、過ごしやすい住居環境を提供できるのか、よく考える必要があるでしょう」
犬と猫の両方を迎え入れるときの順番は?
藤井先生:
「理想は、犬も猫も小さいときにお迎えすることです。
社会化期を共に過ごすことでお互いの存在に慣れ、仲良くなりやすい傾向にあります。また、先住犬がいるタイミングで子猫をお迎えするのも比較的受け入れやすいでしょう。犬は群れで行動する生活に慣れており、子猫を迎え入れてくれる可能性があります。
成猫になってから子犬や成犬をお迎えするのは、単独行動を好む習性の猫からするとかなりハードルが高いといえるでしょう。重要なのは、社会化期を共に過ごせるのか、犬や猫自身の性格がどうなのか、というところによると思います」
犬と猫で相性のいい組み合わせはあるの?
藤井先生:
「ラブラドールやゴールデンレトリバー、ビーグル、バセットハウンド、ボーダーコリー、パグなどの犬種は比較的温和でフレンドリーな性格といわれているようですので、猫との生活を受け入れやすいかもしれません。しかし、中には攻撃的な性格の犬もいるでしょうから、一概にその犬種が大丈夫と言い切ることは難しいです。
また、体格差のある組み合わせで飼育する場合、犬がじゃれているつもりでも猫が怪我をしてしまうことも。一般的にサイトハウンド系や狩猟犬、テリア種は猫との生活は向かないといわれています」
犬と猫の両方を迎え入れたあとの注意点は?
藤井先生:
「どちらも子犬子猫の時期でお迎えするのと違い、どちらかが成犬・成猫で新しくお迎えする場合、焦らずスローペースに引き合わせるのがよいでしょう。
特に共同生活に慣れていない猫は、ストレスを感じると泌尿器系のトラブル(血尿、頻尿、粗相)や過剰グルーミングなどの皮膚のトラブルを生じやすいです。犬も嫌なことが続くと、猫に対して吠えるなどの攻撃的な行動をとるようになってしまうかもしれません。早く慣らしたい気持ちを抑えて、ゆっくり引き合わせるようにしましょう」
――ありがとうございました。
取材・文/田山郁
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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